今回のお気に入りは、「日本に住んでいる世界のひと」です。
新聞で紹介されて読むことにしました。
内容紹介を引用します。
=====
来日した理由はさまざま。
暮らしぶりも十人十色。
一人ひとりのストーリーを通して見えてくる普段の生活、そして難民問題、地球温暖化、ジェノサイド、民主化運動、差別の歴史など。
アイスランド、南アフリカ、スペイン、バルバドス、メキシコ、中国、イタリア、ミャンマー、セネガル、モルディブ、韓国、エストニア、フィリンピン、アルメニア、東ティモール、北マケドニア、アメリカ、中国・内モンゴル自治区、コンゴ民主共和国… 18組20人の話を聞いて文と絵にした記録。
=====
冒頭に次のようなことが書かれていました。
統計では日本には270万人以上の外国人が暮らしている。
その他にも帰化した元外国人、難民申請中の人、不法入国者などがいる。
80年近く戦争が無く、陸続きの隣国が無く、宗教や人種の紛争が無く、経済的に豊かな国、日本。
国民が平和ボケしてしまうのはやむを得ないかもしれません。
新聞やテレビだけではわからない外国の生の情報が伝わる本でした。
北マケドニア
・隣国ギリシャからマケドニアと名乗ることに長年抗議され、
ついに北マケドニアに改名した。
・国民のほとんどが4つの政党のどれかの党員になっている。政治に熱心
なのではなく、政治の恩恵を受けたいがための行動なのが残念。
フィリピン
・出稼ぎで家族にたくさん送金するため倹約生活を続けている。
・1000万人が毎年平均30万円を送金しており、国家財政の10%を占めている。
・子どもが産まれると子どもを親に預けて出稼ぎを続け、子どもをひとり立ち
させることに誇りを持っている。
モルディブ
・サンゴ礁の1000を超える島からなる国。
・無人島がたくさんあり、ごみを処理する島など専門の用途に使われている。
・温暖化による海面上昇で砂浜が断崖となり、居住地を守るため、防護壁の
建設が進められている。
・海面上昇による井戸水の塩化も大きな問題で、雨水を貯めるタンクの設置が
進められている。
ここまでわずか3人の話を読んだだけで世界の今が垣間見えます。
普通に暮らす人々の言葉だから気持ちが伝わります。
早く続きを読みたい、もっと世界の真実を知りたいという気持ちでページをめくりました。
中国
・ふたつの中国の問題は日本にもある。
横浜中華街の中国人は帰化していない人が多く、中国共産党か
台湾の国民党のどちらを支持するかで対立した。
中国人学校は中国共産党支持者で抑えられたため、国民党支持者は
子弟のために新たな学校を建てた。
アイスランド
・人口はわずか35万人。
複数の仕事を持っているのが当たり前の上、外国語も複数習得する
人が多い。
WBCで日本と戦ったチェコのチームを思い出す。
韓国
・女性は読み書きができない方が幸せ、という時代を過ごしてきたため
いまだに読み書きができないお婆ちゃんたちがたくさんいる。
内モンゴル自治区
・モンゴル人は大国の都合で分断されている。
ロシア寄りのモンゴル国と中国寄りの内モンゴル自治区。
祖国が分断しているため、日本にいるモンゴル人たちも分断している。
横浜中華街の話みたい。
きっと世界はこういう例に溢れているのだろう。
アルメニア
・アララトというブランデーが有名。
しかしノアの箱舟が漂着したというアララト山は隣国トルコにある。
・100年ほど前にアルメニアはトルコの侵攻を受けて大虐殺が行われ、
国民350万人の内250万人が虐殺されたそう。
現在は300万人近くまで人口が戻ってきている。
それにしても国民の7割が虐殺されたとは・・・。
知らないにもほどがある、と自分に対し怒りさえ覚えた。
本書には詳しい経緯が書かれていないので別に調べたい。
新聞で紹介されて読むことにしました。
内容紹介を引用します。
=====
来日した理由はさまざま。
暮らしぶりも十人十色。
一人ひとりのストーリーを通して見えてくる普段の生活、そして難民問題、地球温暖化、ジェノサイド、民主化運動、差別の歴史など。
アイスランド、南アフリカ、スペイン、バルバドス、メキシコ、中国、イタリア、ミャンマー、セネガル、モルディブ、韓国、エストニア、フィリンピン、アルメニア、東ティモール、北マケドニア、アメリカ、中国・内モンゴル自治区、コンゴ民主共和国… 18組20人の話を聞いて文と絵にした記録。
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冒頭に次のようなことが書かれていました。
統計では日本には270万人以上の外国人が暮らしている。
その他にも帰化した元外国人、難民申請中の人、不法入国者などがいる。
80年近く戦争が無く、陸続きの隣国が無く、宗教や人種の紛争が無く、経済的に豊かな国、日本。
国民が平和ボケしてしまうのはやむを得ないかもしれません。
新聞やテレビだけではわからない外国の生の情報が伝わる本でした。
北マケドニア
・隣国ギリシャからマケドニアと名乗ることに長年抗議され、
ついに北マケドニアに改名した。
・国民のほとんどが4つの政党のどれかの党員になっている。政治に熱心
なのではなく、政治の恩恵を受けたいがための行動なのが残念。
フィリピン
・出稼ぎで家族にたくさん送金するため倹約生活を続けている。
・1000万人が毎年平均30万円を送金しており、国家財政の10%を占めている。
・子どもが産まれると子どもを親に預けて出稼ぎを続け、子どもをひとり立ち
させることに誇りを持っている。
モルディブ
・サンゴ礁の1000を超える島からなる国。
・無人島がたくさんあり、ごみを処理する島など専門の用途に使われている。
・温暖化による海面上昇で砂浜が断崖となり、居住地を守るため、防護壁の
建設が進められている。
・海面上昇による井戸水の塩化も大きな問題で、雨水を貯めるタンクの設置が
進められている。
ここまでわずか3人の話を読んだだけで世界の今が垣間見えます。
普通に暮らす人々の言葉だから気持ちが伝わります。
早く続きを読みたい、もっと世界の真実を知りたいという気持ちでページをめくりました。
中国
・ふたつの中国の問題は日本にもある。
横浜中華街の中国人は帰化していない人が多く、中国共産党か
台湾の国民党のどちらを支持するかで対立した。
中国人学校は中国共産党支持者で抑えられたため、国民党支持者は
子弟のために新たな学校を建てた。
アイスランド
・人口はわずか35万人。
複数の仕事を持っているのが当たり前の上、外国語も複数習得する
人が多い。
WBCで日本と戦ったチェコのチームを思い出す。
韓国
・女性は読み書きができない方が幸せ、という時代を過ごしてきたため
いまだに読み書きができないお婆ちゃんたちがたくさんいる。
内モンゴル自治区
・モンゴル人は大国の都合で分断されている。
ロシア寄りのモンゴル国と中国寄りの内モンゴル自治区。
祖国が分断しているため、日本にいるモンゴル人たちも分断している。
横浜中華街の話みたい。
きっと世界はこういう例に溢れているのだろう。
アルメニア
・アララトというブランデーが有名。
しかしノアの箱舟が漂着したというアララト山は隣国トルコにある。
・100年ほど前にアルメニアはトルコの侵攻を受けて大虐殺が行われ、
国民350万人の内250万人が虐殺されたそう。
現在は300万人近くまで人口が戻ってきている。
それにしても国民の7割が虐殺されたとは・・・。
知らないにもほどがある、と自分に対し怒りさえ覚えた。
本書には詳しい経緯が書かれていないので別に調べたい。
東ティモール
・21世紀最初の独立国
いろいろな国の支配下に置かれ、ようやく独立を勝ち取った。
隣国インドネシアからの独立紛争の中、12歳でゲリラに参加したのが
この回に登場する男性。
今は広島弁を話すただのおっさんというのにほっとした。
ミャンマー
・国民に民主主義というものの存在を知らせないために
テレビは毎日2時間、ニュースを流すだけだった。
そのニュースもおそらくは国民を洗脳するための内容だっただろう。
支配層の子どもたちは海外で教育を受け、支配体制は変わらない。
アウンサン・スーチーは立ち上がったが、力で押しつぶされた。
力の支配とはこういう仕組みだったのかと思い知らされた。
・役人の賄賂要求に応えないため必要な書類がそろわず、ビザ取得に
時間がかかった。
その間、保険に加入できなかったため、出産に100万円もかかった。
ビザが取得できたのは娘さんが5歳になってからだった。
セネガル
・アフリカにも相撲があることを知った。
セネガル相撲といい、両手か両膝、または背中が地面に着いたら負け
というルール。
強者は尊敬され高収入を得る。
エストニア
・多くの外国語を操る人が語る日本語の興味深い表現。
「お疲れ様」
つらいのにポジティブな表現で、外国語に翻訳できない。
コンゴ
・地下資源などの天然資源の宝庫なので支配者は外国に権益を与えて
私腹を肥やしている。
・大きなパイナップルができるがその栽培権さえ外国に与え
国民が栽培できないようにしている。
・国民を暴力で支配し、刃向かう者は徹底的に弾圧される。
日本で難民申請中の男性は、両親と甥っ子を殺されたが
難民認定率が1%以下の日本では認定されない。
以上のような理不尽な話がたくさん出てきます。
反政府運動に参加したため、拷問され精神を破壊された人や、内臓をすべて売られた人までいるそうです。
彼らの国が酷い状況だというだけでなく、それを知った上で何もしない日本という国も酷いことを思い知らされました。
命からがら逃げてきた人々を受け入れることは、人として最低限やるべきことだと思います。
他にもメキシコ、アメリカ、南アフリカなどの人も登場しましたが省略します。
著者はもっとたくさんの多くの人のお話をうかがったそうです。
本書を読むだけで知見が広がります。
続編制作の気持ちがある様なので期待しています。