鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1745~雪の茅舎と上喜元

2019-02-27 12:31:35 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「雪の茅舎」と「上喜元」です。

NEXT5「ゆきの美人」に同梱してもらって試し飲みしたお酒の感想を少々。

●その1●

秋田の銘酒「雪の茅舎」を初めて味わいました。
今回は山廃純米を選びました。

まずは商品説明を引用します。
=====
この価格帯では十分過ぎるほどのふくらみを備え、ただ素直に「旨い」と思える山廃純米酒の逸品です。 
洗練さで定評のある由利正宗の卓越した山廃造りの技を、見事に引き継いだグレードの高いスタンダードです。
食卓の味覚と共に、常温からぬる燗でどうぞ。
第6回日本全国美酒鑑評会 お燗の部 大賞受賞
純米酒鑑評会2006 グランプリ受賞(燗酒大賞)
=====

評判の高さから期待していましたが、直前に飲んだ「ゆきの美人純米酒」に比べ、酸味・味わい・香りはどれも控えめ。
オーソドックスな飲み飽きない晩酌酒といったところです。
燗が美味しいというのに、ついつい冷で飲みすぎてしまい、気が付けば残り1合ほど。
最後にたった1回だけぬる燗で味わいました。
あらら、とてもまろやかに変身します。
柔らかく包み込むような優しい味わいです。
疲れた心と体が必要とする素晴らしい晩酌酒です。

北海道の2月前半は気温が低かった上、降雪量も多かったため、体力を消耗しました。
そんな時期にぴったりのお酒でした。
最初に燗を試せば良かったと後悔しました。

最後の一口を空けるのが名残惜しい。
そんな気持ちにさせる美酒でした。

●その2●

父母の故郷・酒田の「上喜元」。
これまで「初孫」ばかり味わってきたので、初の味わいを楽しみにしています。
今回は「上喜元山田錦お燗純米酒1800ml」を味わいました。

まずは商品説明を引用します。
=====
お酒をお燗にすると体が温まり、アルコールが回るのが早いのと、飲みやすさからついつい杯が進んでしまいますね。
一升瓶がすぐに空いちゃったなんてこともありますから、お手軽価格にこしたことはありません。
でも、「おいしい燗酒が飲みたーい」という方に朗報です。
山田錦を使用したお燗専用の「上喜元」登場です。
まるみのあるやわらかな口当たりと熟成感のある味わいが絶妙。
「これ以上お米を磨くと味が淡白になりすぎてお燗酒には向かいない」との考えから精米は65%。
アルコール度数もお燗した際のふくらみを計算してやや低めに仕上げてあります。
その分、価格を低く抑えていることろが酒田酒造のやさしいところ。
ぜひ、気軽に1本お試しください。
=====

まず冷で味わいました。
驚くほどおとなしい味わいです。
最近酸味や香り、味わいの濃いのばかりを味わってきたので、拍子抜けしました。
これは燗専門のお酒。
すぐに燗を味わいました。
なるほどナルホド。
商品説明の通り「まるみのあるやわらかな口当たりと熟成感のある味わい」です。
実に控えめな縁の下の力持ちという印象。
料理の美味しさを引き立てる酒。
これぞまさに食中酒!

私は夕食後に空酒もしくは少しのおつまみで飲む方です。
残念ながらライフスタイルに合いません。

でも寒くて降雪の続く1月2月あたりは、鍋料理のおともに欲しいお酒です。
冬限定の燗専門のお酒として覚えておきたいと思います。

さてこれでNEXT5「ゆきの美人」に同梱してもらったお酒はすべて味わいました。
続いてNEXT5の検討に入りましょう。
どんな味わいに出会えるのかを楽しみにしています。

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お気に入りその1744~志ん朝のDVD

2019-02-25 12:15:53 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、志ん朝のDVDです。

生の落語を何度か聴きに行ったことがあります。
座布団に座ったまま一人で何役もこなす話芸は世界でも珍しいそう。
軽いノリで聴けるのに芸術性が高いところがお気に入り。
普段はドライブ中にCDで聴いています。
良く聴くのは志ん朝と歌丸。
どちらも歯切れとテンポが魅力です。

歌丸さんが亡くなってからは落語会に行くこともなくなり、家でもっぱらDVDで鑑賞しています。
お気に入りは「落語研究会 古今亭志ん朝全集」。
CDとは違い表情や仕草を含めた総合芸術としての落語を楽しんでいます。
チャンネル権がないので、いつまでも全ての噺を鑑賞し終えないところが残念なところ。
妻も「志ん朝のDVDならぜひ観たい」なんて言っていたのになぁ・・・。

我が家には上巻しかありませんが、それでも次の22の噺が収録されています。

【収録内容】
〔Disc.1〕「文七元結」「火焔太鼓」
〔Disc.2〕「五人廻し」「百年目」
〔Disc.3〕「二番煎じ」「ぬけ雀」「四段目」
〔Disc.4〕「大工調べ」「宿屋の富」「浜野矩随」
〔Disc.5〕「愛宕山」「酢豆腐」「三方一両損」
〔Disc.6〕「寝床」「鰻の幇間」「夢金」
〔Disc.7〕「大山詣り」「子別れ・下」「品川心中」
〔Disc.8〕「反魂香」「口入屋」「井戸の茶碗」

ポピュラーな噺が多く、志ん朝の威勢の良い声が聞こえるようです。
「火焔太鼓」「ぬけ雀」「愛宕山」「酢豆腐」「夢金」「大山詣り」「品川心中」「井戸の茶碗」・・・

これまで観た中で一番のお気に入りは「夢金」。
「100両欲しいよー」という寝言から始まる有名な噺です。
CDで繰り返し聴いてきた噺でも、映像が付くと何倍も迫力が増し、引き込まれました。
船頭が舟を漕ぐ仕草だけでも舌を巻く素晴らしさ!
櫓の押し引きで船を進めるわけですが、手首の返し方の見事なこと。
ノコギリじゃないんだから、ただ押し引きしたって進むわけがないだろう!って声が聞こえるようです。
舟屋の旦那と船頭の会話シーンだって、きちっと1階と2階でやりとりしていることが見ていてよーく分かります。
若い娘の客を船に乗せるまでのやりとりだって絵が見えるようです。
これぞ名人芸!
ライバル立川談志に「銭を払っても観たい」と言わしめた芸が目の前で展開されるのです。
DVDって便利なものですね。

次に観ようと思っているのは「大山詣り」。
自分が丸坊主にされた腹いせに近所の女房たちをみんな丸坊主にする噺ですが、志ん朝がどんな仕草や表情で観客を引き込むのかを早く観たいものです。

「100両欲しいよー」ではなく「チャンネル権欲しいよー」です。
ただ家でテレビをゆっくり観ることができる時間が少ないので、チャンネル権がないのは仕方のないことと半分あきらめていますが・・・。


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お気に入りその1743~ゴールデンカムイ

2019-02-22 12:52:11 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ゴールデンカムイです。

先月病気の友人に昆布セットを送るため、お気に入りの昆布専門店・小樽「利尻屋みのや」に行きました。
そのついでにいつも立ち寄るかまぼこ専門店「かま栄」で見かけたのが「ゴールデンカムイ 杉元が持っている味噌 食べていいオソマ」。
てっきり「オソマ=アイヌ味噌」と思いましたが、後日食べてみるとただの山椒味噌。
これがアイヌ味噌?
期待したほど特徴的な味わいではないことにがっかりしました。

果たして「オソマ」は「アイヌ味噌」なのか?
それとも・・・。
「ゴールデンカムイ」を読んでいればすぐに分かるのに・・・と残念に思いました。

アイヌ文化を丁寧に紹介していると評判の「ゴールデンカムイ」。
この漫画は前から気になっていましたが、連載が終わってから一気に読もうと思っていました。
でも我が家の食卓に「オソマ」が上がっている内にその正体を知りたくなり、ついに既存の全16巻を読むことにしました。
今後続巻を1冊ずつ買うことになりますが、どうせ「ワンピース」を買うので、ついでです。

という訳で既存の全16巻を読むことにしました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
明治時代末期、日露戦争終結直後の北海道周辺を舞台とした、莫大な埋蔵金をめぐる生存競争サバイバル。
舞台は気高き北の大地・北海道。
時は激動の明治時代後期。
日露戦争という死戦を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元はある目的のために大金を欲していた。
一攫千金を目指しゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、網走監獄の死刑囚が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった。
雄大で圧倒的な大自然、VS凶悪な死刑囚。
そして純真無垢なアイヌの少女・アシリパとの出逢い。
莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開ける。
=====

気になっていた「オソマ」って「うん〇」のことだったんだ!
あらら、食卓の話題にしづらいことこの上ない・・・。

本書は北海道の歴史や地理を多少知っていると、とても面白く読めると思います。
ストーリー展開がスピーディーなため、ついつい時を忘れて読み続けてしまいます。
このペースなら近いうちに全16巻を読み終えそう。
そのときにまとめて感想を書きたいと思います。



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お気に入りその1742~俳句入門3

2019-02-20 12:05:18 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、俳句入門3です。

夏井先生の2冊目「夏井いつきの超カンタン!俳句塾」を読みました。

俳句の基本を丁寧に解説しています。

・プレバトでの「才能アリ」「才能ナシ」の区別
・助詞、動詞の使い方
・たくさんの俳句の添削

などが載っています。
初心者が俳句を詠む際の指導書としておススメです。
前書がプレバトで芸能人が詠んだ俳句ばかりだったのに比べ、本書は多彩な職業の方々が詠んだ俳句をたっぷり掲載しており、社会人としてはこちらの方が参考になりました。
また単なるテクニック指導だけでなく、作句により成長できることも魅力と書いています。

・せっかくこんなに苦しい体験をしたのだから俳句にしよう
・自分自身を俯瞰して見直すことができるようになる
・ふさぎ気味の気持ちが俳句を詠むことで晴れた

ナルホド。
次はもう少し深く書かれた指導書を読みたいと思います。

以前夏井先生が「他人の俳句を詠むだけでなく同じだけ作句することが大切」と書いていました。
それに従い少しずつですが詠んでいます。
恥ずかしながらいくつかご紹介します。

●黒き街こころ和ます星月夜
 昨年9月、ブラックアウトの札幌。
 降るような星空が被災中の不安な心を癒してくれた。

●干し柿を降ろす笑顔や冬の夜
 秋に家族総出でたくさんの柿の皮をむき、縄に縛って吊るした。
 寒風にさらされおいしく出来上がり、家族で収穫した。

●吹雪く朝ひるむ心に喝ひとつ
 朝から吹雪いていて、今日も除雪からのスタート。
 連日の早出と疲労で弱音を吐くわが心に喝を入れて立ち上がる。

我ながらストレートで深みのない句ばかり。
感情を書かずに想像させるのが良いのは知っていますができない・・・。
また夏井先生がよくおっしゃっている「個性的で詩心のある表現」「発想を飛ばす」「視点を移動させる」こともできていません。
もっと味わい深い句を詠めるようになりたいものです。



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お気に入りその1741~夏を拾いに

2019-02-18 12:01:16 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「夏を拾いに」です。

「家族の言い訳」「ほのかなひかり」に続き、森博美の3冊目。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
「お父さんが小学生のときはな……」
父が息子に誇りたい、昭和46年のひと夏――
小五の文弘は、祖父から町に不発弾が埋まっている話を聞く。
様々な家庭の事情を抱えた仲間四人で、不発弾探しを始めるが。
「家族の言い訳」シリーズをヒットさせた著者が描く、懐かしく爽やかな青春小説。
=====
「私たちには、いつだって拾いにいける夏がある」。
“現代の人情話”の名手が描く、懐かしく瑞々しい、少年の日々。
宝物のような友情、家族の絆。
現代人が原点に立ち返る共有装置を込めた、ノスタルジック感動長編。
=====

主人公は昭和46年の夏に小学5年生。
ほぼ同世代。
いろいろ懐かしいシーンが出てくることを期待して読みました。

「8時だよ!全員集合」
「仮面ライダー」
「うーん、マンダム」
大阪万博の月の石
ハナピンをする先生
宅地造成で徐々に減る原っぱ
まさに私の子ども時代そのもの。

主人公は、親の苦労や友達の悩みに対し何もできないことを知る少年。
己を知っているだけでも十分凄いこと。
彼に比べ自分はそんなことを考えない能天気な子どもでした。

本書のストーリーってどこか「スタンドバイミー」に似ています。
不発弾さがしと死体さがしの違いがあっても、どちらも男の子の好奇心をくすぐります。
そして不良の先輩に絡まれ、ムキになるところも似ています。
真似した、という訳ではなく、男の子って誰もが大なり小なり似たような体験をしているのではないでしょうか?

かく言う自分も思い当たることが・・・。
その中にはここで書くことを控えなくてはならないような危ないことも。
今思い出しても冷汗が出ます。

不発弾をさがす過程は、胸躍らせて読みました。
情報を集め、探索方法を検討し、誰にも気づかれないように遂行します。
子どもって凄いですね。

これまで内容紹介のコピーに納得できないことが幾度もありましたが、今回は大いに納得です。
「懐かしく瑞々しい、少年の日々」
「宝物のような友情、家族の絆」
まさにその通り。
私の場合は同世代だからなおさらですが、たとえ世代が違っても好奇心旺盛な男の子時代を過ごした方なら誰でも胸躍らせるはず。

・・・とここまで書いてから「あとがき」と「解説」を読みました。
あらら、著者自身が「自分版のスタンドバイミー」を書いたと断言し、解説者が同世代の心躍る気持ちを書いています。
やっぱりそうだったんですね!

読後多くの本は古本屋さん行きですが、本書は取っておきます。
少年時代のアルバムを開くように、懐かしい気持ちでまた読むことでしょう。







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お気に入りその1740~ゆきの美人純米酒

2019-02-16 12:51:49 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ゆきの美人純米酒です。

秋田のNEXT5を味わっています。
前回は「ゆきの美人完全発酵」という挑戦的な酒を味わいました。
今回は順番が逆なような気もしますが、オーソドックスな純米酒を味わいました。

まずは商品説明を引用します。
=====
口に含むと口当たり軽くジューシーな好印象、酸味もさっぱりとしてとても爽やかな味わいの純米酒です。 
麹米に山田錦を使用し、酵母も吟醸用の金沢酵母、まさに吟醸造り同様の小仕込みで丹念に仕上げた手造り感あふれる逸品です。 
瓶内での熟成を前提として、きわめてスッキリとした仕上がりを目指しています。 
今や生原酒・火入れともゆきの美人の人気定番酒で、この純米酒にはまった人たちは多いですね。 
「安くて美味しい」お酒のリストにぜひお加え下さいませ。 ※1800mlのみ
=====

さて実際に味わってみると・・・。
商品説明とはずいぶん違います。
口当たりは決して軽くありません。
酸味もさっぱりしていません。
予想外に強い酸味のあと、吟醸香とともに豊かな味わいに包まれます。
後味がサラッとしているため、ついつい飲みすぎるのが難点かも。
どれも強すぎずバランスの取れた美味しいお酒です。
甘すぎず辛すぎず、日本酒らしい日本酒を飲みたい人は一度試してみるといいと思います。
私としてはぜひ晩酌酒のレパートリーに加えたいところですが、送料が気になるところ。
地元秋田の人は送料無しに買えて幸せですね。


さて「ゆきの美人」の味味を終え、いよいよNEXT5の第3弾です。
・・・と言いたいところですがその前に「ゆきの美人」と同梱してもらった2種類の酒を味見します。
秋田の「雪の茅舎」と酒田の「上喜元」です。
どちらも燗が美味しいそうなので、寒いうちに味わいたいと思います。





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お気に入りその1739~天災から日本史を読みなおす

2019-02-14 12:40:13 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「天災から日本史を読みなおす」です。

昨年の漢字は「災」。
大きな自然災害が全国あちこちで発生した恐ろしい年でした。
「台風や地震で被災しない」とまことしやかに言われていた、ここ札幌でも大地震で道路や建物が壊れ、おまけにブラックアウトまで発生しました。
いったい誰を信じたら良いのか?
専門家やマスコミによる防災情報だけでなく、歴史から天災を学ぶことも必要ではないか、と考えた人は多いことでしょう。
年明け早々新聞に本の広告が出ていました。
磯田道史・著「天災から日本史を読みなおす ~先人に学ぶ防災」
5年前に発行されたときは買いませんでしたが、やはり読むべきと考え直しました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波――。
史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。
富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。
東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。
=====

本書は、2年続けて起きた大地震により秀吉の天下が終わった、という話から始まります。
朝鮮出兵で疲弊している武将たちに対し、地震で崩壊した伏見城の再建まで命じたことで人心が離れ、徐々に徳川寄りになっていったそうです。

著者は地震発生時刻、揺れの強さ、津波の高さなどを多くの資料から推定しています。
面白いのは発生時刻の記述に大きく開きがあること。
当時の時刻は、日の出・日の入りを基準にしているため「一刻」の長さが昼と夜、季節により違っていたことが原因とのこと。

若狭湾の地震で長浜という村が壊滅していることを挙げ、高浜などの原発銀座の安全性に疑問を投げかけています。
大イルカが木に引っかかるほどの大津波が来襲したそう。
原発の安全性にイエス、ノーを言えるのは、行政でも原子力安全委員会でもなく私たち国民なのだ、という主張は大いに納得です。

他にも歴史から学ぶ防災の重要さがよく伝わりました。
それがどれだけ貴重な情報なのかは実際に読んでいただくしかありません。
ここではわずか2つだけご紹介して終わります。

・前回富士山が噴火したのは大地震の49日後だった。
・南海トラフは歴史上90年以内に2度動いたことがない。
 前回は1944年に動いた。
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お気に入りその1738~俳句入門2

2019-02-11 12:02:23 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、俳句入門2です。

以前、テレビのプレバトに触発されて俳句作りをしたくなったと書きました。
その後、現代俳句協会のホームページですすめしていた歳時記と国語辞典を購入しました。
持ち歩くことを考え、できるだけコンパクトなものがいいと思い、選んだのは次の通り。

①歳時記
『合本俳句歳時記』(第三版)角川書店

②国語辞典
『パーソナル現代国語辞典』(学研)

これで準備万端です・・・と書いている内に、昨年「コケ」で失敗したことを思い出しました。
「ときめくコケ図鑑」他2冊、ルーペ2種、最新デジカメを用意したにもかかわらず、コケの観察を断念したのです。
その最大の理由は「コケの同定がとても難しい」ことが判明したからです。
妻の植木鉢に、コケらしきモノが生えていました。
デジカメで撮影し、パソコンで大きく拡大した写真を図鑑と照らし合わせ、種の同定を試みました。
ついにコケの名前が判った!と思い喜んでいたら、その後そのコケ?が成長し花を咲かせました。
コケに花が咲かないことくらいは知っていたので驚きました。
これはコケではなくごく普通の植物だったのです!
そんな区別もできないとは何とも情けない、トホホ・・・。
そこで別のコケを採取してナイフで1株を切り分け、ルーペで観察をしてみたのですが、今度は種を絞ることさえできませんでした。
ここでようやくコケの観察がとても難しいことに気づきました。
それから急激にヤル気を失い、今に至ります。

話が横道にそれ過ぎました。
今回の「俳句入門」は、ここまでの経緯が「コケ入門」とよく似ています。
あのときの二の舞になるのではないか?ともうひとりの自分が問いかけます。

そんな不安を抱きながら、生まれて初めて手にした歳時記を開きました。
前書きにあった寺田寅彦の「歳時記は日本人の生活のインデックス」という言葉が目を引きました。
日本人が長い時間をかけて練り上げてきた、季節を表す美しい日本の言葉、それが季語なんだ、と理解しました。
これまではテレビを見ながら
「何で○○が春の季語?」
「約束事が面倒くさい!」
などと考えていましたが、歳時記を読むことで日本の文化や伝統を学び直すことができることを知りました。
まずは少しずつでも歳時記を読もうと思います。
季語には、それを使った秀句が添えられているので勉強になりますし、きっと自分で俳句を詠む参考になります。

本書には新暦2月~4月を春、5月~7月を夏、8月~10月を秋、11月~1月を冬として、2000を超える季語が収録されています。
今は枕元に置いて拾い読みし、その季語を使った秀作俳句を鑑賞しています。
これに夏井先生の解説が付いていたらとても勉強になるんだけどなあ、と思いつつ。
急がず少しずつ楽しみたいと思います。

ちなみにひとつ気になることが。
北海道の実情と季語が合わないのです。
本州では2月は梅が咲いていますが、北海道は極寒の世界です。
あまりに違いすぎます。
「2月=春」の季語で北海道の実情に合ったものを探していますがなかなか見つかりません。
みなさんどうしているのかな?

こんな素朴な疑問も学んでいくうちに解決するのでしょうね。

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お気に入り1737~ゆきの美人

2019-02-08 12:44:00 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「ゆきの美人」です。

昨年末「美酒復権」を読み、日本酒業界に革命を起こしたNEXT5の酒を味わってみようと思い、まずは栗林酒造店の「春霞」から入門しました。
普通酒(ピンクラベル)なのに、フレッシュさと酸味が特徴的なとても美味しいお酒でした。
舌の肥えた息子も「美味しかった」と褒めていました。

今回NEXT5の第2弾として選んだのは、秋田醸造の「ゆきの美人」。
「1.8Lで3,000円以内の純米酒」という個人的な晩酌酒の条件にぴったり当てはまる2種類を味見しました。
純米酒と純米酒完全発酵です。

まずは強く興味を持った「完全発酵」から味わいました。
商品説明を引用します。
=====
米の旨味を残しながら、後味はさっぱりという辛口純米酒です。
旨辛で爽やかな酸味・香りの調和が特徴です。
=====
完全発酵は、いろいろな意見があるのですが、一般的には、もろみの発酵で、酵母がもろみの中にある糖分をすべて分解する事を言います。
醸すのに使った、酒造好適米「出羽の里」は、お米の中心の心白が大きく、味わいが出やすいと言われています。
ゆきの美人完全発酵は、ゆきの美人らしくグラマラスな酒質ではありません。
酵母に糖分を食べつくされるのでさっぱりとした味わいの中に酒米からくる旨味がジワーーと感じられます。
ゆきの美人らしいしっかりとした酸が後味の綺麗さを演出しています。
辛いと言うよりは引きが良くドライな印象です。
新しい新境地を開いたゆきの美人 辛口純米 完全発酵 をお試しください。
=====

純米酒の完全発酵ってどういうモノ?
「酵母が糖分を食べつくす」まで発酵を進めたという説明から、超辛口をイメージしました。
一口味わって、驚きました。
これまで味わった日本酒の中で最も強い酸味を感じたからです。
アルコール発酵が進み過ぎてビネガーになったのでは?という懸念が生まれるほど。
その直後酸味は純米酒本来のさわやかな旨味にかわり、すっと消えていきました。
なるほどこの引きの良さは、商品説明にあった通り、まさにドライ。
これはさっぱりしていて飲みやすい。
何杯でも飲めちゃいます。
飲み過ぎに注意しましょう。

次は「ゆきの美人 純米酒」の予定ですが、完全発酵1.8Lを飲み切ってからなのでもう少し先になります。



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お気に入りその1736~衆鱗図

2019-02-06 12:35:32 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、衆鱗図です。

やっちまった!
先日「ウシュクベ」を味見しながらヤフオクを冷やかしていたら、ついうっかり衆鱗図を落札してしまいました。
いつもより杯が進んでいたため、冷静な判断ができなかったのが敗因です。

衆鱗図はほとんどの古書サイトで売り切れており、唯一「日本の古書店」というサイトで5万円近くで販売しています。
またヤフオクでもしばらく出品されていません。
きっと落札額は4万円近くになるだろうと予想しました。
その日は時々入札に参加して、値を釣り上げて遊んでいました。
ただし落札するなら2万円以下と決めていたので、2万円を超えてからは時々経過を見るだけでした。
この2万円というラインは、香川県博物館で販売したときのセット価格です。
再刊行の可能性を考えると、ヤフオクも2万円までと考えていました。
ところが酒が回り、まだまだ入札額が上がるだろうと安易に考えて3万円ほどに釣り上げてみたところ、もう誰も上回る額を入れてくれず、あえなく落札・・・。
あーー、しまった!
頭を抱えましたがもう後の祭り。
しばらくは美味しい日本酒、美味しいウイスキーを飲みに行くのを自粛するしかありません。
あーあ、オレのバカ!

ショックの数日後。
大きな箱にクッション材をたっぷり詰めて届きました。
クッション材にはご当地の新聞が使われていることが多く、地域性を感じる記事を読むのも楽しみのひとつ。
今回は島根県から届きました。
どれどれ・・・と広げると何と「日本農業新聞」ではありませんか!
TOKIOのリーダー城島さんが愛読している新聞。
初めて現物を目にしました。

・・・話を本題に移します。
全5冊セットの内訳は次の通り。

〇第一帖  190品
タイ、カレイ、メバル、ハタ、マグロ、エイ、オコゼなど
〇第二帖  181品
サメ、ハゼ、フグなど(スネメリとスジイルカも含む)
〇第三帖(表)  162品
エビ、タコ、イカ、カニ、ナマコ、ウミウシ、クラゲ、ヒトデ他
〇第三帖(裏)  85品
フナ類、金魚類、他未整理の淡水魚
〇第四帖  34品
未整理の海産魚
〇研究編
魚の専門家による種の同定
博物学の専門家による図譜の研究結果

実に美しく細密な魚譜です。
鱗の1枚1枚まで正確にスケッチした上、多彩な色彩を惜しみなく描き込んでおり、何とも贅沢に仕上げています。
これだけ素晴らしい出来なのに、どうして日本四大魚譜に入っていないのでしょうか?
※日本四大魚譜の内、江戸時代の作は「シーボルトの魚譜」と「栗本氏魚譜」

そう思いながら研究結果を読むとその謎が解けました。
「栗本氏魚譜」は衆鱗図を転写したものなのだそうです。
衆鱗図が日本四大魚譜のひとつ「栗本氏魚譜」の元本ということなら、日本四大魚譜と同等以上の価値があると考えて問題なさそうです。
専門家は、衆鱗図がその後に制作された多くの魚譜に転写され、日本の博物学発展に多大な影響を与えたと述べています。

ちなみに衆鱗図に先立ち、衆鱗手鑑が制作され、1762年に幕府に献上されています。(現在は所在不明)
衆鱗図は1767年ころに手鑑の写しとして制作されました。
衆鱗手鑑の制作に携わった平賀源内は、その完成を見届けた1761年に脱藩を許されたそうで、その後の大活躍は周知の通りです。

また研究者は、貝類を集めた記録があるのに貝類の図が一切欠落している不思議について触れています。
第四帖の図が未整理の上、品数が少ないことを考えると、何らかの事情により制作が途中で切り上げられたのかもしれません。

今回美しい魚譜を図録でたっぷり堪能しましたが、評判の立体造作はさすがに印刷では再現できません。
以前高松に行ったときに時間が無くて観に行けなかったことが悔やまれます。
いつか再び高松に行き、今度こそ現物を鑑賞しようと思います。


(おまけ)

「衆鱗図」についてもっとお知りになりたい方のために、テレビの「美の巨人たち」という番組で特集されたときの内容を引用しました。
ご興味があればお読みください。
(「goo テレビ番組」から転用させていただきました)
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玉藻公園の東側に隣接された香川県立ミュージアムに讃岐の至宝「衆鱗図」が収蔵されている。
大きさは縦33cm、横48cmほどの豪華な表装が施された、全4帖の魚類図鑑。
描かれているタイなどの魚の色合い、艶は水揚げされたばかりを思わせ、鱗は精緻な描写。
エラに着目すると、盛り上がっている。
723点がおさめられている。
クラゲについては1枚の紙から切り抜かれている、切り紙細工。
讃岐は古くから水不足による飢饉や財政難に苦しんできたなか、高松藩第5代藩主の松平頼恭は讃岐三白として知られる、「砂糖、塩、綿花」の生産を奨励し財政を建て直した。
また、無類の博物学好きという一面もあり、家臣だった松平頼恭に「衆鱗図」の製作を依頼したという。
※「家臣だった平賀源内に」の間違いか?
その後、源内は絵師の三木文柳と協力し、同作を作り上げた。
三木は写実的な花鳥画を特徴とする日本画の一派、南蘋派の絵を学んだ人物だった。
小文柳の師は本物のように立体的に魚を描くように注文を受け、頭を悩ませるという寸劇が流れた。
「衆鱗図」で描かれている鯵は銀色に輝く魚体にエメラルド、ピンク、黄色といった色彩。
立体になっているのはエラから尻尾にかけて伸びる、ぜいごと呼ばれる鋭く硬い稜鱗。
この絶妙に表現された凹凸を京都精華大学の芸術学部で特任講師を務める諏訪智美氏がチャレンジ。
水で薄く溶いた胡粉で下地を作り、乾く前に下地の上にあら目の胡粉を乗せる。
乾燥したら胡粉を重ね、少しずつ盛り上げていくことで、ぜいごの立体感を作り出していく。
絵師見習いの子文柳がカレイを持って帰途につくと、師匠は面倒なタイを描き終えたところで、意気消沈していたという寸劇が流れた。
「衆鱗図」では絵筆とは思えぬ強弱、省略の一切ない均一な線で気が遠くなるような鰈の鱗が描かれている。
「衆鱗図」に描かれている魚は活魚のように生き生きとしている。
松平頼恭は高松城内に水槽のようなものを設置し、そこに海洋魚を泳がせていたといわれる。
京都精華大学の諏訪智美氏は銀箔をつけたくない部分に薄い和紙を弱めの糊で塗り、いわゆるマスキングを施した。次に膠で銀箔を貼り、ぜいごの細かい隙間は銀箔の上から膠のついた筆で押さえることでしっかりと貼った。
乾燥後、慎重にマスキングを剥がした。
それでも、ぜいごの完成は道半ばである。
絵師見習いである小文柳の師は絵を描き続けることに奮闘する寸劇が流れた。
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