鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1961~富士山噴火2

2020-07-31 12:39:27 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、富士山噴火2です。

今まで読んだどの作品よりも迫力がありました。
絶望に押しつぶされそうになりながらもヒーローの勇気と才覚で何とか切り抜けるハリウッド映画のような作品でした。

高嶋哲夫氏が描いたのは「未来の歴史」。
科学的なデータに基づいた災害シミュレーションは、これまでも実際の災害と重なる部分が多かったです。
今回の「富士山噴火」は泥流、火砕流、山体崩壊と災害の規模が拡大していき、麓の都市が壊滅してしまいます。
近年の噴火災害でこれほどの被害は例が無いので信じられない気がしますが、これまで著者が書いてきた巨大津波、直下型地震、感染症パンデミックなどが実際の災害をかなりの精度で言い当てている以上、本書の内容も絵空事ではないのです。
日本は火山大国です。
富士山の噴火を予知するために膨大な予算をかけて研究と監視が行われていることでしょう。
それでも富士山の噴火を予知して複数の都市が壊滅する前にそこに住む数十万人を避難させることはできるのでしょうか?
政治家たちはどの時点で全住民避難という大きな政治決断をするのでしょうか?
そして時々刻々と変化する状況に対し、臨機応変に住民を避難させることができるのでしょうか?

本書では著者の他の作品と同じく、決断力のある政治家、正確に噴火を予知する科学者が登場します。
それに加え的確な避難計画を立案する指揮官であり自ら救出活動を行う勇敢な男が登場して被害を最小限に食い止めます。
でも実際はこのように人に恵まれた奇跡的な災害対応など物語の中だけでしょうね。
現実は、この三者(政治家・科学者・現場指揮官)が悪影響を及ぼし合い、迷走した揚げ句に助かるはずの命まで失われる結果に終わるのではないかと心配です。

著者のシミュレーションが警鐘になり、富士山噴火対策が進展することを願います。

ちなみに「M8」「TUNAMI」「富士山噴火」は登場人物が重なっています。
地震予知に挑む科学者、災害対応に尽力する政治家、人命救助に奔走する自衛隊員、危険を冒しつつ協力を惜しまない在日米軍将校。
互いに少しずつ縁があり繋がっています。
その縁を最大限に活用し組織を柔軟に使いこなすことで辛くも危機を脱します。
大自然を前に人ができることはわずかしかないことを実感しました。

これがいつか必ず起こることだなんて・・・。
恐ろしいことですが目を背けず出来る限り具体的な準備をしましょう。

とりあえず用意した高嶋哲夫作品を読み終えました。
もう1~2冊読もうかな。

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お気に入りその1960~たくさんのふしぎ9

2020-07-29 12:10:45 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ9です。

「たくさんのふしぎ」シリーズの感想9回目。

「デタラメ研究所」
内容紹介を引用します。
=====
エヌくんは、ある日道でサイコロをひろった。
そこからあらわれたのは、宇宙人! ではなくてデタラメ研究所所員のアールくん。
この宇宙のデタラメ現象を研究しているという。
<サイコロをふって「1」の目が出るのは6回に1回だ>と言うエヌくんを、アールくんはふしぎな“デタラメ”と“確率”の世界へいざないます。
さて、どんな旅になるのか、おたのしみに~!
=====

サイコロの目が出る確率や、同じクラスに同じ誕生日の子がいる確率など、身近な例から確率を説明しています。
子どもたちが老人になるまでサイコロを振り続けてようやくどの目が出る確率も1/6に近づいていくこと。
そしてその間に同じ目が何回も続けて出ることがあるのはごく普通の出来事であり、それこそがデタラメの世界だと説明しています。
わかっているようでわからない確率の世界を面白く紹介していて好感が持てる作品でした。
確率を学ぶときの副読本に使って欲しいと思いました。


「あったよ!野山のごちそう」
内容紹介を引用します。
=====
キイチゴにクワ、アケビにヤマブドウにブナ……野山には、とってそのまま食べられる実がたくさんあります。
そして、ネズミにタヌキにメジロ、カメムシやアリなど人間以外の虫や鳥や動物たちも、同じ実を人知れず味わっているのです。
実をおいしく食べて栄養とする動物。
食べられることで広く繁殖する植物。
野生の生きものたちの知恵比べです。
=====

申し訳ないけれど、得るものも感動もなかったです。


「ぼくが見たハチ」
内容紹介を引用します。
=====
クモの巣にかかったふりをして、近づくクモを刺してしまうハチ。
川の中にもぐっていって、水中の虫に卵をうみつけるハチ。
ミツバチとスズメバチの息づまる戦い。
そんなハチたちのすさまじい生態を120点の迫力ある写真で紹介します。
ハチがどうして刺すようになったのかという秘密も明らかにしていきます。
=====

ハチの世界は奥が深いことを学びました。
ハチの幼虫が食べるものだけでも「葉っぱ」「花粉だんご」「他の虫」と多岐に渡ることを知りました。
葉っぱをモリモリ食べるイモムシがハチになることを今まで想像したこともありませんでしたので、冒頭から驚かされました。
ハチが竹筒に花粉だんごを入れ卵を産み付けます。
幼虫が花粉だんごを食べて成長する途中、別種のハチが来てその幼虫をつまみ出し、残った花粉だんごに卵を産み付けるというのは、巣の乗っ取りという点でカッコウの托卵に近いパターンです。
また寄生バチをいろいろ紹介しています。
テントウムシ、ヒラタアブの幼虫、イラガの繭、キアゲハやカメムシの卵。
いろいろなところに寄生バチは卵を産み付けます。
最たるものは、水中のトビケラのサナギに卵を産み付ける寄生バチです。
トックリバチの巣作りが克明に紹介されていて面白かったです。
泥だんごを運びトックリ型の巣を完成させるまでを、泥だんご何個でどこまでできた、と順に紹介しています。
巣が完成するとイモムシを押し込み、卵を産み付けて、巣にフタをして、最後に周囲の素材でカモフラージュして終了です。
実に見事なもので、芸術的とさえ感じました。
この後は共同で巣作りをするハチたちが紹介されます。
たった40ページにこれだけの内容を盛り込むとは恐るべし。
読み応えのある素晴らしい一冊でした。


「貝ものがたり」
内容紹介を引用します。
=====
アサリやサザエ、ホタテガイやムラサキイガイなど、おなじみの貝が海の中でどのように生活しているのか、迫力満点の貴重な写真で紹介します。
貝が泳いだり、魚を食べたり、子どもを産んだり、びっくりするようなシーンがいっぱいです。
=====

貝についての新しい発見がいろいろありました。
貝の目、口(歯)をじっくり見たのは初めて。
海藻を食べる貝、プランクトンを食べる貝、貝を食べる貝、魚を捕まえて食べる貝などがいることは知っていましたが、ヒトデの体の中に潜り込んで寄生する貝がいるのは驚きました。
「流氷の天使」と呼ばれるクリオネ(ハダカカメガイ)のように殻を持たずに泳ぎ回る貝が数種類、裏表紙に写真で紹介されているだけだったのはとても残念でした。
内容が濃すぎて決められたページ数に収まりきらなかったようです。
地味なタイトルに騙されてはいけません。
とても面白いのでお勧めします。



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お気に入りその1959~ウクレレ

2020-07-27 12:02:51 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ウクレレです。

前に友人がウクレレを練習し始めたとFBで読んだけど、その後そのことに全く触れないので、断念したようです。
きっと思っていたより難しかったのでしょう。
高校生の頃ギターを練習していたので「自分も」できそうと思っていたのですが、挑戦する前に断念しました。
ところが最近、妻がウクレレを弾きたいと言い出しました。
それでは「自分も」一緒にと再び思い始め、自分がウクレレを弾く姿をイメージしました。
演奏のみで聴かせる「ソロ・ウクレレ」が格好良いな。
これまでウクレレ奏者のCDは何枚か聴いてきましたが、当然真似できるレベルではありません。
素人用の楽譜を探すと良いのがありました。

「ソロ・ウクレレのしらべ スタジオジブリ作品集 『風の谷のナウシカ』から『風立ちぬ』まで」

初心者からシニア・プレーヤーまでを対象にした40曲が収録されています。
付属の模範演奏CDを聴くと 「この曲を演奏したい」と思える曲が何曲かありました。
曲の横に難度がA~Dと表示してあるのでそれを参考に選曲し、練習開始!といきたいところですが
妻に「真似しないで」といわれ中断しました。
確かに前回は友人の真似、今回は妻の真似。
どちらも自発的なものではありませんでした。
ここまで準備しましたが妻のご機嫌が直るまで静かに封印しようと思います。

さてここでおまけ話。
最近「ウルトラQ」のリマスター版を放送しています。
先日「カネゴンの繭」をやっていたので観ました。
お金が大好きな少年が、振るとチャリンチャリン音がする繭を手に入れます。
やがて少年は巨大になった繭に飲み込まれカネゴンになってしまいます。
カネゴンはお金を食べないと残金カウンターがどんどん減り、弱ります。
周りの子どものお小遣いではとても足りません。
ついにカネゴンは銀行でお金をおろしてきた女性を驚かせお金をバラまかせて、そのお金を拾って食べます。
まさに「金の亡者」であり、その化身がカネゴン。
ただカネゴンが食べるお金が小銭ばかりなのはご愛敬。
カネゴンが起こした騒動で呼び出された両親が道にこぼれたお金を拾いあさる辺りはまさに親子。
やがてカネゴンがロケット噴射で飛びパラシュートで降りてくると少年の姿に戻っていました。
家に戻ると両親がカネゴンになっていた・・・。
子ども向け番組ですが風刺の効いた脚本です。

珍しく石坂浩二のナレーションもレギュラー陣の出演もありません。
そのかわり有名俳優が4人も登場します。
初代「食いしん坊バンザイ」の渡辺文雄。
ウルトラ警備隊のイデ隊員を演じた二瓶正也。
その辺のおばちゃんを演じたらピカイチの女優・野村昭子
インパクトのあるおじさんを演じたらピカイチの俳優・浜田寅彦。
我々の世代では知らぬ人がいない有名俳優ばかり。
風刺の効いたストーリー、有名怪獣、有名俳優と実に贅沢な一話でした。
面白かったです。

今回は表題の「ウクレレ」が消化不良で終わったため、おまけ話の方が長くなってしまいました。



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お気に入りその1958~富士山噴火1

2020-07-24 08:57:50 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、富士山噴火1です。

高嶋哲夫氏が描く「未来の歴史」は科学的なデータに基づいてシミュレーションしているだけに実際に発生した災害や感染被害と重なる部分が多いことが魅力です。
今回用意した作品は「富士山噴火」。
先日ネットニュースを読んでいたら富士山がいつ噴火してもおかしくない状況が続いていると書かれていました。

もしあの巨大な山が噴火したら、噴煙が北東方向に流れ、羽田空港と成田空港は閉鎖、東京発着の新幹線・高速道路も止まり、東京は火山灰に埋まり都市機能を失うと思います。
そのため関東圏の2000万人が他の地域への避難を余儀なくされるのではないでしょうか?
こんな勝手予想をしましたが、著者はどんな「未来の歴史」を見せてくれるでしょうか。
とても楽しみです。
おっと失言。
いくら北海道に物理的影響がないからといって、楽しみにしてはいけません。
東日本大震災クラスの巨大災害には、すべての日本人が心を一つにして立ち向かわなくてはなりません。
そして歴史上繰り返し来ている富士山噴火に対して、被害を最小限におさえるためにどんな手を打てば良いのかを本書から学びたいと思い、読み始めました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
元陸上自衛隊の新居見は3年前の南海トラフ大地震で妻と息子を失った。
生き残った娘とは絶縁状態だ。
ある日、この国が経験したこともないような巨大災害――富士山噴火が近いという情報を旧友の記者から得る。
大地が震え、大量の噴石が降り注ぐ中、人々を待ち受ける運命とは。
新居見は今度こそ、愛する人を救えるのか!? 
日本壊滅の危機を、そして父と娘の絆の再生を描く感動のノンストップ防災エンターテインメント!
=====

今は前半を読み終えたところ。
富士山がついに噴火を始めました。
市、警察、消防、自衛隊はすべて準備不足。
気象庁の情報は遅れがち。
果たして数万人もの市民は無事に避難できるのか?
後半の展開が楽しみです。

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お気に入りその1957~たくさんのふしぎ8

2020-07-22 12:42:00 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ8です。

今回もいろいろなふしぎを楽しみました。

「ガラス 砂の宝石」
内容紹介を引用します。
=====
ガラスはかたい? 
やわらかい? 
人間がつくりだしてきたうつくしいガラスを紹介し、そのふしぎな性質をさぐります。
=====

古代のガラスの作り方が詳しく紹介されていて興味深く読みました。
白い石(珪石)を拾い集めて砕いて粉状にします。
ワラを焼いた灰と混ぜます。
それを壺に入れて窯の火で溶かします。
このときにいろいろな金属を少し混ぜることで何色ものガラスができます。
ガラスは再加熱して溶かすと切ったり張ったり変形させたりできることからいろいろなデザインが可能になります。
そうしてできた古代のガラス製品の数々。
やがて吹きガラス、機械製造へと技術が進歩していき、全面ガラスのビルが建つまでになったことが紹介されています。

札幌の観光名所のひとつ北海道庁赤レンガの窓ガラスは気泡が入っていたり表面が歪んでいたりで味わいがあります。
本書によりあのガラスは吹きガラスで円筒形に作ったガラスを切って平らにしたものだと知りました。
身近なガラスの基本を知ることができて良かったです。


「琉球という国があった」
内容紹介を引用します。
=====
首里城や琉球王国の歴史を知る入り口に
現在では、47都道府県のなかのひとつである沖縄県ですが、昔は「琉球王国」という、王さまが国を治める独立国で、日本とは別の国でした。
東南アジアの国々や中国を相手に貿易で大変栄えていました。
琉球王国が繁栄した陰には、明が琉球王国を破格に優遇したという事があります。
では、なぜ小さな島国に過ぎない琉球王国を、大国明はそんなに優遇したのでしょうか。
昔々の沖縄の歴史をたどり、その秘密にせまります。
=====

昨年の首里城の火災は衝撃的でした。
熊本の熊本城と同様に、沖縄のシンボルであった首里城。
地元の皆さんの悲しみは計り知れないものがあると思います。
本書の臨時増刊により首里城や琉球王国の歴史を改めて知ってもらうとともに、購入費の一部を首里城再建のために寄付する、という趣旨に賛同し購入しました。

以前「琉球処分」という本を読んだことがあります。
琉球王国が明治政府により処分され日本に強制併合されたという悲しい出来事が克明に描かれていました。
中国や日本、東南アジア諸国と貿易をすることで栄え、独自の文化を築いてきた国を日本が滅ぼしたのです。
その出来事を日本人はしっかり理解しなくてはなりません。
滅ぼした側は簡単に忘れますが、滅ぼされた側は決して忘れないものです。
太平洋戦争末期の沖縄決戦、現在の米軍基地問題。
すべてにおいて沖縄を属国扱いし、犠牲を強いる風潮が見え隠れしてなりません。
沖縄の人々に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

私の住む北海道も敗戦のどさくさの中でソ連に強制併合される可能性があったそうです。
これから日本経済がどんどん弱体化していくだろうことは確実視されています。
将来ロシアが北海道を、中国が沖縄を併合する可能性はゼロではありません。


「おおふじひっこし大作戦」
内容紹介を引用します。
=====
木のひっこしなんて聞いたことありますか。
作者の塚本こなみさんは、日本の女性樹木医第一号です。
木のひっこしもします。樹齢1000年のもっこくの木をはじめ、巨樹、古木をたくさんひっこしさせました。
現在、栃木県の植物園「あしかがフラワーパーク」にある大藤も、3年もの歳月をかけて、塚本さんがひっこしさせたものなのです。
いったいどうやって?
とてもめずらしい大藤のひっこしのお話です。
=====

カスタマーレビューで「息子が本書を読んで樹医になった」というのを目にして読むことにしました。
ナルホド、これは人生を決めるに値する一冊です。
専門家たちが尻込みする大藤の引っ越しをみごと成功させるまでの手記です。
幹の直径が60cmを超える藤は引っ越しできないという常識を打ち破った画期的な挑戦の記録。
創意工夫を重ね3年の月日と延べ2000人の助力をもらい実現しました。
いろいろ苦労した中から心に残った二つのエピソードをご紹介します。
・トレーラーに積むために4m×8mのサイズに枝や根を切らなくてはならないのに、
 切断面を腐食から守る薬が見つかりません。
 テレビで昔の木簡が出土したのを見て閃きました。
 木部より文字が書かれている箇所の方が腐らずに残っていたのです。
 試しに墨汁と日本酒を混ぜて傷口に塗るとどんどん回復していきました。
・藤は木質が弱く、大藤の枝や根の重量を支えながらの移動は困難です。
 骨折した人のギブスをヒントに、大藤の幹に石膏と布で分厚くギブスを巻きました。
 大きく広がる枝には、枝の下の全面に鉄骨の支えを当てました。
 そしてたっぷりの根は丁寧に土を落としきれいにまとめて包みました。
 枝を支える鉄骨に幹と根を吊って輸送の準備は完了しました。
全ての作業はたくさんの人が長い時間をかけてゆっくり確実に行いました。
おかげで4本の大藤は新しい場所で以前より大きく枝を広げて見事な花をつけているそうです。
まるでプロジジェクトXを観たような感動を覚えました。


「時を流れる川」
内容紹介を引用します。
=====
川の上流に向かって歩くほど、過去へと時間をさかのぼることができるふしぎな川、幌新太刀別川。この川を上流へと時間をさかのぼりながら、それぞれの時代に生きていたクビナガリュウやアンモナイトなどの化石を見て、太古の昔にタイムスリップしましょう。
川や海が地層を形作り、その地層をマグマがおしあげ、それをまた川が削って新しい地層を作る……壮大な時間の流れが、過去と現在とを結びつけます。
=====

本書で時をさかのぼる川辺の旅を満喫しました。
まずはアシなどの水辺の草が炭化した亜炭層の露頭の見学から。
続いて貝塚かと思うほどたくさんの貝の化石が見られる場所を通ります。
さらに川をさかのぼるとイルカ、カイギュウ、デスモスチルス、クビナガリュウ・モササウルス・アンモナイトの化石が出た地層を順番に見ることができます。
古生物大好きという訳ではありませんが、これほどの化石のフルコースのような場所があるなら訪問してみたいです。
札幌から100km少々とそれほど遠くない沼田町にある幌新太刀別川(ホロニタチベツガワ)。
北海道地質100選の「幌新太刀別川 連続化石層」として登録されていました。
それなら見学ルートも紹介されていることでしょう。
なお本書を書いたのは学芸員の方ですが、実は絵もその方が描いています。
プロ顔負けの絵は必見です。


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お気に入りその1956~オードリー・ヘップバーン

2020-07-20 12:41:48 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、オードリー・ヘップバーンです。

外国の女優で一番好きなのはオードリー・ヘップバーン。
「ローマの休日」のアン王女役にすっかりやられてしまいました。
他には「おしゃれ泥棒」「ティファニーで朝食を」「昼下がりの情事」が好きです。
映画のポスターやパンフレットをいくつか集めてときどき鑑賞していました。
先日彼女の映画ポスターが一冊の本になっていることを知りました。

「オードリー・ヘプバーン 映画ポスター・コレクション
        ~ポスター・アートでめぐる世界のオードリー~」

AMAZONの内容紹介を引用します
=====
オードリーの生誕90周年記念企画!
完全限定1,500部
※増刷はいたしません。品切れの際はご了承ください。

オードリーを最も愛する国、日本だけのオリジナル企画。
1953年「ローマの休日」から1967年「暗くなるまで待って」まで、約15年間の出演作16本の世界各国のポスターから、デザインが秀逸な約200点をオールカラーで掲載。
美麗な写真を使ったポスターはもちろん、オードリーの印象を各国のイラストレーターが捕らえたイラスト作品、ヨーロッパとアメリカとのデザインの違いや、珍しい社会主義国のポスターまでを掲載した永久保存版。

美しすぎるオードリーを世界はどう描いてきたのか?
日本版、アメリカ版を中心に、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、イギリス、スウェーデン、ポーランド、チェコ、ルーマニア、そしてオードリーの出生地ベルギーなどの美しいポスターを通じて、唯一無二のオードリーの世界に浸れるメモリアルな1冊。
=====

同じ映画のポスターが国によってこんなに違うことに驚きました。
そしてオードリーの描き方も随分違います。
可愛らしさを強調するポスター、女性らしさを強調するポスター、似ても似つかないポスター。
オードリーを最も愛する国は日本である、という主張がポスターからも伝わってくるように感じました。
その点では編者に同感ですが、作品選定には違和感があります。
「ロビンとマリアン」のポスターデザインはかなり良い出来だと思うのですが、本書に掲載されていなくて残念でした。
この作品の他の国のポスターも見たかったなぁ。

欲を言えばきりがありませんが、これまでにない企画で制作された本書をオードリーファンとして高く評価します。

(おまけ)
先日「なんでも鑑定団」でぺんてるクレヨンのパッケージを描いた宮永岳彦の作品が登場しました。
商業デザインから油彩画まで多彩な才能を発揮した方だそうです。
その作品のひとつに「マイ・フェア・レディ」のオードリーを描いたものがありました。
本書に掲載されていたポスターの中に似たものがありました。
もしかしたら「マイ・フェア・レディ」の日本版イラストポスターは宮永岳彦が描いたのかもしれません。
テレビに一瞬しか映らなかったので確証はありませんが。

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お気に入りその1955~CHANGE

2020-07-17 12:45:13 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、CHANGEです。

最近名作ドラマがいろいろ再放送されています。
ある日、番組欄の午後4時にキムタクの「CHANGE」を発見。
久しぶりに観たくなり録画しました。
先日第4話から第9話までをかためて観ました。
出演者の皆さんが若いのにただただ驚き。
調べると12年も前の作品、当然ですね。
配役がとにかく贅沢で、ストーリー展開が抜群に面白い!
平均視聴率は22.1%という凄い数字だったそう。
あの内容なら当然です。
「HERO」も面白かったけれどあちらは一話完結であるため、完全なる連ドラ「CHANGE」は全くの別物。
素人総理が周囲の信頼を勝ち取り次々味方にしていく姿を毎回ハラハラドキドキしながら観るのはたまりません。

残っていた第10話(最終話)を観ました。
再放送では前編後編に分けて放送されていました。
キムタクの解散総選挙を告げるスピーチは圧巻でした。
多くの大臣や議員が裏金を受け取ってことが明らかになり政治不信に陥った国民に対し、彼は呼びかけます。
「どうか知ってください。権力に屈せず国民のために働き続ける政治家がいることを。」
信頼に足る仕事を続ける素晴らしい人々がいることを伝えるスピーチ。
政治家、官僚、警察官、秘書。
途中感極まって声を詰まらせながら伝え続けました。
そして最後に国民のために真剣に働く政治家を選ぶ責任は国民にあることを伝えます。

感動しました。
心が洗われました。
名作ドラマの王道を堪能しました。

残念だったのは放送に気づかず第3話までを見逃したこと。
順番は逆になりましたが近いうちに観たいです。
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お気に入りその1954~ひらひら

2020-07-15 12:12:20 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ひらひらです。

「たくさんのふしぎ」シリーズで漫画家・一ノ関圭が2冊に作画参加していました。
寡作で有名な漫画家がそういう分野で仕事をしていたことにちょっと驚き。
久しぶりに彼女の作品を読もうと思い注文したら、どこでどう間違えたのか別人の作品が届きました。
それが今回ご紹介する岡田屋鉄蔵の「ひらひら 国芳一門浮世譚」。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
「めェが捨てた命、この国芳が拾おう」
田坂伝八郎は、ひょんなことから浮世絵師・歌川国芳の弟子となる。
門下の絵師として頭角を現して伝八には、国芳に言えない過去があった――。
岡田屋鉄蔵の描く江戸娯楽時代劇、ここに開幕ッ!!
=====

浮世絵師として多彩な作品を残した歌川国芳。
彼の自由な作風は弟子たちに引き継がれ、多くの作品を残しました。
当時も人気でしたが、現在でも人気で、美術館で何度も特別展が企画されるほどです。
本書はその国芳と弟子たちを描いた漫画です。
間違って購入しましたが、これは拾い物。
弟子・伝八の誕生にまつわる秘密が明らかになるくだりはなかなかの読み物でした。

本書にはたくさんの弟子たちが登場します。
おそらくは実在の人物なのでしょう。
その中には女絵師もいました。
彼らはどんな作品を残したのでしょうか?
国芳の図録が何冊かあるので後で照らし合わせることにしましょう。

本書の中で気になったのが国芳の娘です。
弟子・伝八が国芳から芳伝(よしつた)の画号をもらったときに、他の弟子が娘をからかいます。
娘も絵師でまだ画号をもらっていなかったと受け取りました。
北斎の娘は絵師として一流だったそうです。
であれば国芳の娘のその後が気になるところです。
ということで調べてみました。
インターネットというのは便利なものです。
すぐに調べがつきました。
国芳には娘が2人いて、それぞれ芳鳥、芳女という画号で浮世絵を描いていたそうです。
もしかしたら伝八の先輩にあたる女弟子は長女で、画号をもらっていない娘は次女ということでしょうか?
岡田屋さんがどう考えて登場させたのか知りたいところです。

とても勉強になる作品でしたし、面白い作品だったのは間違いありません。
続編がないか調べましたがすぐにはわかりませんでした。
わかったのは岡田屋鉄蔵さんは女性であり、今は崗田屋愉一と名を変えたことだけ。
時間をかけて調べようと思います。

ちなみに一ノ関圭の作品を検索した時に岡田屋鉄蔵の作品が混じっていたのは、どちらも女流漫画家という共通点からかもしれないと今気づきました。






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お気に入りその1953~TUNAMI

2020-07-13 12:55:54 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、TUNAMIです。

「首都感染」「M8」に続いて高嶋哲夫の「TUNAMI」を読みました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
東海大地震。
起きる起きないが問題なのではない。
それは必ず起きる。
だから、今から何をしなければならないのか。
独自のハザードマップを作り、地震対策に努める26歳の市役所防災課職員がいた。
だが、大地震が連続して発生。
空前の大津波が太平洋岸を襲う!
そのとき恋人は、超高層ビルの建築主は、原子力発電所の職員は、自衛隊員は、首相は、どう運命と向き合ったのか!?
大迫力の防災サスペンス作品。
=====

2005年に発表された時は完全な未来の歴史を描いた小説でした。
2011年3月11日に東日本大震災が発生して大津波が原発を襲ってしまいました。
地域の違いこそあれ、太平洋岸のプレート型地震であり、大津波が伴うことまで共通しています。

「M8」で関東大震災を予知した博士の教え子が今回の主役。
彼は地震予知の道を離れ、災害対策を司る行政の道を歩んでいます。

気象庁が予知した東海地震は実際に発生したけれど震度5強、津波はわずか30cmでした。
被害が軽微だったことから地震予知により経済を止めた損失の方が目立ってしまいました。
こんな時、地震学者は針の筵状態です。
政府は地震予知の予算カットを検討し始めます。
そこに名古屋を中心とする東海地震が発生し、耐震偽装した高層ビルが崩壊するなど大きな被害が出ます。
さらにこの2つの地震を引き金としたプレート型地震が発生し20~30mの津波が太平洋岸を襲います。
2005年当時20~30mの津波は想定されていなかったはず。
奇しくもこのように巨大津波が発生することは2011年の東日本大震災で実証されてしまいました。

前書「M8」では阪神淡路大震災で身内を無くした男が生涯を賭けてきた研究の成果、東京直下型地震を予知し、本書「TUNAMI」では再び東海・東南海・南海のプレート型地震の連鎖を予知します。
いつ起きるかの特定が困難で、警報を発した場合に経済的損失が大きいため、研究者は社会的な立場を追われるのを覚悟で警報を発しなくてはなりません。
それでも警報を発した研究者。
阪神淡路で失われた数千人の人々の命とその家族の悲しみが彼の背を押したのでした。
時を同じくして彼の覚悟が見える政治家がいてくれる幸運。
東京直下型地震の時に都知事、本書の大震災では副総理として陣頭指揮をとるとは何たる運命でしょう。
彼らの存在により最悪の事態を免れ、多くの人命が救われます。

彼らの言葉が胸に残っています。
「日本は世界の0.5%しか国土がないのに、世界の10%もの巨大災害が発生する。
 日本では巨大災害は必ず起きる。
 いつもそのことを念頭にいれて減災に向けて準備をしなくてはならない。」

今も熊本を中心とした豪雨災害の最中です。
防災に関わる研究者や行政官、政治家は高嶋哲夫の本を読んで、未来の歴史を体験し、自分はどうするべきかを考えましょう。
そして社会人ひとりひとりも災害の最中で自分がどう行動すべきかを考えましょう。





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お気に入りその1952~テレビ

2020-07-10 12:19:11 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、テレビです。

先日、DVDレコーダーの調子が悪くなりました。
素人ができる範囲でいろいろやってみましたが直りません。
12年前の製品なのでここらが潮時。
同じ時に購入したテレビと一緒に買い替えることにしました。

家電量販店で12年間の技術の進歩を埋めるべく店員さんに教えてもらいつつ、製品選びをしました。
4K8K、3番組同時録画、外付けHDD、映り込みが少ない画面など、魅力的なキーワードが次々出てきます。
どれも欲しい機能。
頻繁に録画再生を繰り返す妻は真剣そのもの。
検討の末、高機能の上位機種に決めました。

どちらも在庫があるとのことでしたが、いざ決済の時点でテレビの在庫がないことが判明。
その日はDVDレコーダーだけを持ち帰り、接続しました。
驚いたのは12年前と機器間の接続に使うコード類が一緒だったこと。
4K8Kで大容量化した動画データを送るためには、“新規格のコード”で“新規格の接続端子”に接続するものと思い込んでいたので拍子抜けしました。
おかげで簡単に接続できました。

そして後日テレビも届きました。
我が家で初めて観た4K画像は、ナスカの地上絵を特集した番組でした。
平原の石ころを幅15センチだけ避けることで地上絵ができている、という説明もそこそこに画像をチェック。
足元の石ころの細かい模様が見える、と妻が驚いていました。
ナルホド。
アップでもない研究者の顔に近づいて見ると顔のシミ・シワがよくわかります。
これでは肌荒れなどがバレバレ。
テレビに出る人たちは大変だ!

こうして遅ればせながら我が家も4K時代に突入しました。
まだまだ4Kを生かした番組は少ないようですが、このテレビとレコーダーに寿命が来るまでには当たり前の世の中になっていることでしょう。
テレビ、レコーダーともに機能が豊富ですが、妻は早くも使いこなしているようです。
チャンネル権がないので、観たい番組は録画して後で観るしかありません。
都度使い方を教えてもらうことにしましょう。

読書の方は、最近ハマっている高嶋哲夫の「TUNAMI」を読んでいます。
ハリウッド映画のような一難去ってまた一難で読者を興奮させます。
そしてドラマ「24時間」のように時間の経過を強く印象付け、事態がどんどん悪化していく様を見せつけます。
科学シミュレーションをベースにしているはずなのに、フィクション以上に迫力があります。
これから後半に突入。
読み終わったら改めて感想を書きます。





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