鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1849~鬼平犯科帳パート112

2019-10-30 12:40:41 | 鬼平
今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート112です。

大のお気に入りの鬼平犯科帳。
今回は第7巻です。

「雨乞い庄右衛門」


「隠居金七百両」
老盗の右腕だった老人が仲間割れの揚げ句殺されます。
老人が隠した隠居金七百両の在りかを知る者はもういません。
平蔵は老人が暮らした盗人宿で数日を過ごします。
そして佐嶋たちに場所を指示して掘らさせると、見事隠居金が現れます。
驚く佐嶋たち。
平蔵は、老人の身になって考えるとここしかないと思い至った、と事も無げに言います。
老人の素性や行動範囲、体力などを考慮したとはいえ、平蔵の鋭い洞察力はあまりに凄まじい。
まさに盗賊どもの行動を先読みし、捕縛する力そのものです。
改めて上司・平蔵の恐るべき能力を思い知らされ、与力・同心たちも震え上がったことでしょう。
洞察力とは、物事の表面だけでなくその本質まで見通す力のことだそうです。
日々、物事の本質を見通す力を養いたいものです。

「はさみ撃ち」
凶賊が狙いを定めた商家は元・盗賊だった、という話。
現役時代に名人芸を誇った元・盗賊は目つぶしと薪だけで見事凶賊を撃退します。
這う這うの体で逃げ出した賊は平蔵たちの挟み撃ちに会い、御用になります。
盗賊改メなどに自分たちの正体がバレたはずがないと自信満々の元・盗賊。
あやつらは叩けばホコリが出る者たちであろうが、子どものような顔をしており、もう悪さはしないであろう、と看破し見逃した平蔵の眼力に脱帽です。
一枚も二枚も上手とはまさにこのこと。
人物観察と心理分析に、豊富な経験が加わることによりなし得る業。
こういう読みができる人になりたいものです。

「掻掘のおけい」
五郎蔵は元・子分に相談を持ち掛けられます。
おけいという女に弱みを握られ、男妾にされているので助けて欲しいというものでした。
自力での救済するのは手が足りず、結局長官の力を借ります。
捕縛した元・子分を獄門に送らず行く行くは密偵に、と平蔵は五郎蔵に言います。
お命を助けていただきありがとうございます、と礼を言う五郎蔵に「密偵も命がけに違いはない」という平蔵。
密偵はその身分が知られたら裏切者として消される運命にあるのだ、と改めて思い知らされました。
この回も五郎蔵の感謝の涙で終わります。
日頃から部下に多少目こぼしし温情をかけることが、厳しい仕事を命じたときに動いてくれる秘訣のようです。

「泥鰌の和助始末」
和助は腕の良い大工ながら、盗み細工と図面を盗賊に売っていました。
商家に勤めていた息子が自害に追い込まれたことを知り、盗賊どもと忍び込み、証文類を川に捨てて恨みを晴らします。
平蔵たちの働きにより盗まれた金は商家に戻りますが、証文の消失により数年後に商家は潰れます。
先代が育てた丁稚に罪を着せて自害させるような者は因果応報で滅びるということでしょう。
人は正しく生きなくてはなりません。

「寒月六間堀」
部下や密偵の手を借りずに平蔵は老武士の敵討ちに助太刀します。
長官の行方不明から2日目、帰宅した平蔵は久栄にひとこと「財布ごと金を渡した」
それだけで通じる夫婦の信頼関係って素敵です。
良いことをしたときは人に知られないようにすることの美しさよ。

「盗賊婚礼」
本格盗賊と急ぎばたらきの盗賊の間で婚礼話が持ち上がります。
婚礼当日、道を誤った二代目を見限り真実を告げ、二代目に切りかかる男。
先代への恩義に命がけで報い、満足げにこと切れます。
情けは人のためならず、です。
親がかけた情けが息子に返ってきたのです。
世知辛い世の中ですが、人に心がある以上、こういうこともあるのでしょう。

心に沁みる作品が続きました。
第8巻ではどんな作品を読むことができるのでしょう。
とても楽しみです。



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お気に入りその1848~志ん朝

2019-10-28 12:49:24 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、志ん朝です。

先日の休日、出かける用事がないので、久しぶりに落語DVDを鑑賞しました。
選んだのは「落語研究会 古今亭志ん朝全集 下巻」の「芝浜」。
魚の行商に身が入らない男が大金を拾い、妻に知らせるところから始まる噺です。
江戸職人の威勢のいい語り口をやったら、やっぱり志ん朝は天下一品ですね。
妻は夫を立ち直らせるため、大家と相談して一芝居打ちます。
3年後、見事立ち直った夫の前に手をつき詫びる妻の真心に触れ、夫は笑って許します。
そこから「いや、やめておこう。また夢になるといけねえ」で終わるまでが実にいい。
大金が手に入ったことと、3年ぶりに酒が飲めることで、男は満開の笑顔です。
志ん朝の表情や仕草の表現が役者顔負けであることを実感するシーンです。
また何十両も入った財布は、袋をたたんで紐をぐるぐる巻きにするタイプであり、開くときは紐をタテに引っ張る事で一気にほどくことができる、ということを表現する手の動きの細かいこと!
この仕草だけでもお金がとれるというものです。
志ん朝はやっぱり凄いですね。
生で観ることができた方は幸せです。
うらやましいです。
ただこれまで音源でしか鑑賞できなかった方も、今は志ん朝落語をDVD&大画面で疑似体験できます。
幸せな時代になったものです。

落語鑑賞後、家でゴロゴロするのに飽きて本屋に行きました。
雑誌コーナーで偶然、志ん朝モノが目に入りました。
先月発売された「増補新版 古今亭志ん朝 落語の申し子」(河出書房新社)というムックです。
早速購入して読みました。
AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
旧版に落語などのエッセイ、酒や旅に関する談話、杉浦日向子との蕎麦談義、末広亭元席亭の思い出話、二朝会CD情報などを大幅増補。
=====

これまでもあちこちで語られてきた志ん朝伝説が一冊にまとめられています。
興味のあるところから拾い読みしました。

現・林家正蔵との対談は未収録部分を含む完全版だそうですが、以前読んだのとどこが違うのかがよくわかりませんでした。
談志のエッセイは「いいときに死んだ」と威勢が良いですが、どこか寂し気でした。
ライバルの死はつらかったでしょう。
インタビューではいろいろな落語家が登場します。
志ん朝が芸を追求する姿を語った人が多かったですが、そこのところにあまり興味がないので斜め読みしました。
一番面白かったのは、好楽さんのインタビューです。
落語界のプリンス・志ん朝に惹かれる前座たちの様子をよく伝えています。
師匠そっちのけ、というのが面白いです。
好楽さんは顔が似ているため“弟”としてあちこちに連れていかれ可愛がられたそう。
また世代が違いますが三三も同じようなことを語っています。
あこがれのスターを前にしたときの感激を少年のように・・・。
逆に白酒は芸に関わる話をしており、読み飛ばそうかと思いましたが、ちょっと面白かったのでご紹介します。
芸は臭い方が良いと志ん朝に教わったそうです。
臭い芸とは、玄人好みの芸と対局にある素人好みの芸のこと。
芸人はとかく玄人好みの芸を追求しがちだが、より多くのお客様に笑っていただくことが仕事とわきまえるべきということらしい。
それこそが金になる芸なのだそうです。
あの志ん朝から金の話が出て白酒は驚いたそうですが、赤字に苦しむ名古屋の寄席を支えるため、通い続ける志ん朝の心情がこもった言葉だったのでしょうか。
ただ志ん朝の心の内を知ったからといって、これまで以上に落語が面白く聴けるようになるとは思えません。
これを演っている時期は、これこれこういう訳で志ん朝が悩んでいた時期だなどと考えながら、眉間にしわを寄せて聴いても面白くも何ともありません。
それよりもこれまで通り、頭を真っ白にしてTVの前に座り、志ん朝の“臭い芸”を満喫したいと思います。

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お気に入りその1847~ミネラ

2019-10-25 12:14:44 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ミネラです。

鉱物雑誌ミネラのバックナンバー(47号)を取り寄せて読みました。
蛍光鉱物に興味があるため、以前から蛍石の巻頭特集があるこの巻を読みたかったのですが、AMAZONで9000円近い値がついていて手が出ませんでした。
先日久しぶりに調べたら1000円以下に値下がりしていたため入手することができました。
マニアックな雑誌なので上がり下がりが極端であろうと読み、待った甲斐がありました。

この巻の蛍石特集は、蛍石コレクターの方にコレクションの写真と記事を提供してもらったものでした。
思い違いがないか心配だということも書かれていましたが、編集部の方も目を通したでしょうから、安心して読みました。
ただ初心者にとって難解な単語が次から次へと出てくるものですから、書かれていることの半分も理解できませんでした。
今回読み飛ばした専門用語については鉱物への興味が深まった時点で改めて調べたいと思います。
とりあえず著者の多彩で美しいコレクションを鑑賞できたことが一番の収穫でした。
また長波紫外線、短波紫外線による蛍光の違いを見やすく表示してくれたことも収穫でした。
蛍石鉱山の跡地で収集体験コースが用意されているというのは耳寄り情報でした。
その他、蛍石について知り得たことは次の通り。
・結晶構造や色彩の種類が多いこと
・モース硬度4で軟らかいこと
・黄色いものは蛍光しないこと
・生成時の温度や冷却スピードが結晶構造の違いに影響していること
・フランスやスイスではアルプスのかなり標高の高い場所で見事な標本がとれること
・日本では花崗岩採掘場で大きな結晶が見つかるが、採掘作業で破損してしまうこと
・人工蛍石は色の屈折率の差を解消できる優れたレンズであること

この冒頭特集により鉱物の世界の奥深さに触れることができました。
結晶生成についての研究が進んでおり、蛍光鉱物の美しさに惹かれただけの初心者には理解不能な用語が当たり前のように並んでいます。
いつか深みにはまり、この難解な記事をスラスラ読むことができる日が来るのでしょうか?
それは自分にもわかりません。

三浦しをんの「愛なき世界」では植物の世界の奥深さを知りました。
「舟を編む」では国語辞典編纂にはまり込んだ人々の苦労を知りました。
俳句を詠むことが日本文化を学び、人生を考えることであることも知りました。
今回の鉱物も含め、どれも面白そうな世界だとは思いますが、勉強を重ねて掘り下げるところまで踏み込めません。
浮気性なのかな。
とりあえず、これからも広く浅く、いろいろな世界の面白さを学んでいきたいと思います。


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お気に入りその1846~鬼平犯科帳パート111

2019-10-23 12:33:25 | 鬼平
今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート111です。

大のお気に入りの鬼平犯科帳。
人の心の内や世間の裏側を学ぶための教科書として読み返しています。
今回は名作が多い第6巻です。

「礼金二百両」
大身旗本から平蔵の元に内密の依頼が届きます。
明るみに出るとお取りつぶしもありうる一大事を見事解決。
礼金二百両をいただきたい、と申し出る平蔵。
こんなおれをどう思う?とたずねられた佐嶋はただ涙。
密偵たちを養うために先祖伝来の家宝を処分し続ける背中を部下たちは見ているのです。
なぜそんなに無理をするのでしょうか?
平蔵は妻女・久栄にいいます。
この仕事に気力・体力・財力をつぎ込むのは、仕事が肌に合い過ぎているからだ。
おれ以上にうまくできるやつはいない。
前のような退屈な仕事に戻ると思うとぞっとする。
“仕事はプライベートを充実するための収入の元”と割り切る人たちと違い、天職に命をかける男の格好良いこと!
一枚も売れないのに絵を描き続けたゴッホや、誰にも評価されないのに作品を書き続けた宮沢賢治に通じる“誰のためでもない自らのための命がけ”がそこにあります。
彼らはみな、天職と出会ってしまったのです。
これが“なぜそんなに無理をするのでしょうか?”の答えでしょう。
ただの凡人には到底真似ができない、素敵な人生です。

「猫じゃらしの女」
頻繁に登場するようになった伊三次がついに主役を勝ち取りました。
捨て子の伊三次が宿場女郎たちに育てられたため、女郎が難儀するのを見てられない、と語る姿に思わず心をつかまれます。
ちびっこハウスで育った伊達直人のように、人は心のふるさとを大切にする生き物なのですね。
事件解決後におよねが身の上話をします。
伊三次が10歳になり、奉公に出る際に見送ってくれた女郎たちの中におよねの母がいたのです。
あの子連れ女郎の2歳の娘がおよねだったとは・・・。
伊三次は強い因縁を感じずにはいられません。
主役の伊三次をどこまでも強く印象付ける作者の見事な筆さばきに感心しきり。
まさに名作です。

「剣客」
平蔵が一目置く剣の使い手・沢田の恩師が斬殺されます。
平蔵の研ぎ澄まされた臭覚によりあぶりだされた下手人を忠吾はあっさりと見失います。
たったひとつの手がかりを失ってしまったのです。
平蔵や沢田の失望はいかばかりか・・・。
こんなときに忠吾を追い詰めるような叱り方を平蔵はしません。
 相手の方が一枚上手だったのだ。
 お白粉の香にまみれて仕事をする者がいても良い。
とまでいいます。
なぜこの状況でこんなに余裕たっぷりでいられるのでしょうか?
理解できません。
自分なら忠吾を強く叱責することでしょう。
平蔵はこれまでも窮地に立つと開き直り、ニヤリと笑って見せることで、状況を打破してきました。
これが懐の深さ、人間の厚みというものでしょう。

沢田が盗賊改メとしての役目を忘れ、恩師殺しの下手人を探し出し敵討ちすることに血眼になっていることを彦十は平蔵に伝えます。
平蔵は下手人をまんまとおびき出し、沢田に敵討ちをさせます。
周りが見えなくなり暴走しそうな部下を、冷静に導き、願いを叶えさせた平蔵の心配りに舌を巻きました。
敵討ちを成し遂げた後の沢田の涙。
この事件により沢田が平蔵に心酔したことは言うまでもありません。
佐嶋といい沢田といい、屈強な男たちの心をつかむ平蔵の人心掌握術は勉強になります。

「狐火」
平蔵への思いを命を捨てることでしか表現できないおまさ。
そんなおまさを死なせるものかと気遣う平蔵。
この作品では、おまさが愛する男と再会して旅立ちます。
その姿を見送る平蔵の心の内は晴れやかだったことでしょう。

「大川の隠居」
老盗と平蔵の粋な駆け引きを楽しむ娯楽作です。
平蔵と粂八が頻繁にやり取りしている様子に「何か事件でも」と問いかける佐嶋に「あそび」と答える平蔵の楽し気なこと。
反面、盗賊改メの役宅に盗賊が入るとは何事か!と部下たちを一喝する平蔵の迫力も見事。

「盗賊人相書」
「のっそり医者」
前者は、絵師が盗賊の人相描きを頼まれて描く内に、それが自らに関わりのある盗賊とわかり青ざめることから始まります。
後者は、貧しい者から金をとらずに診療する町医者が、若き日にとある藩で同僚を斬殺して逃亡した男でした。
どちらも平蔵は部下に「このことは構えて漏らすな」と命じ、二人の秘密を守ります。
その後、絵師は盗賊改メの協力者になり、町医者は人々を救い続けます。
共通するのは、小悪を目こぼしし、大悪を裁くことの大切さです。
簡単そうですが、それがなかなかできないのです。
改めて肝に銘じたいと思います。


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お気に入りその1845~北斎展

2019-10-21 12:04:31 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、北斎展です。

妻に運転してもらい帯広美術館の「北斎とその弟子展」に行ってきました。
窓口の方に「作品数が多いので1時間以上かかりますよ」と教えられ、ワクワク感倍増。
たっぷり楽しんできました。

「北斎とその弟子」というと北斎1に対して弟子9という割合なのではないか?と疑うかもしれませんが、そんなことはありません。
北斎の作品がおそらくは6~7割あったと思います。
さらに初めて観る作品が多かったこともうれしかったです。

例えば東海道五十三次というシリーズがありました。
東海道五十三次といえば広重の代表作ですが、北斎も描いていたのですね。
ただし黒の輪郭線に赤と緑をのせただけの簡易版でした。

また北斎自身の代表作である富嶽三十六景の簡易版で富嶽百景というのもありました。

本格的な多色刷りの美しい作品としては妖怪シリーズがありました。
お岩さんや番町皿屋敷、こはだ小平二、笑い般若など、すべて実物を観たのは初めて。
恐ろしくも面白みがあり、構図や色彩の美しさも魅力的。
まだ観たことがない方、これは必見ですよ!

また北斎漫画以前に描かれた漫画作品も展示していました。
その中では駕籠かきという作品が目を引きました。
だらしなくふんどしを垂らした痩せた駕籠かきがドタバタやるものだから、乗っている人がひっくり返っているようで駕籠から足が天に向かい垂直に伸びています。
これだけ動きのあるユーモラスな絵を描けるのは、さすがに北斎です。

ただ残念だったのは、富嶽三十六景がどれも退色がかなり進んでいたこと。
そして肉筆画が腰を据えてじっくり描いたのではなく、さらさら描いたものばかりだったこと。

とはいえ、これだけの作品数を顔を寄せてじっくり鑑賞できたのはとても幸せでした。
わざわざ東京まで行って人垣の後ろから単眼鏡でチラチラ観るのとは大違い。
函館・旭川・帯広の美術展に頑張って行く意味がここにあるのです。

帯広美術館さん、素敵な特別展をありがとうございました。
次も期待しています。

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お気に入りその1844~スコッチブロス

2019-10-18 12:11:43 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、スコッチブロスです。

スコッチブロスってご存知ですか?
スコットランドの家庭料理で、具だくさんのスープです。
ニッカウヰスキー余市工場内にあるレストラン「樽」で初めて食べて10数年。
我が家流にアレンジして、現在に至ります。
元々家庭料理なので、その家その家でレシピが違っていても良いですよね。
先日妻のリクエストに応えて久しぶりに作り、好評を得ました。
ラム肉とタイムが混じり合った特有の香りが何とも食欲をそそります。
鶏肉でも代用できますが、タイムだけの香りでは我が家の評価は一段落ちます。
作りたても美味しいですが、2日目がおススメです。
どうしてこんなに美味しいスープがポピュラーにならないのかが不思議です。
(特にラム肉がいつでも買える北海道で)

レシピをご紹介します。
(もしかしたら以前も紹介したかもしれません)
ご興味がある方はお試しください。

スコッチブロスのレシピ(3人×2日分)

  ○ラム肉         300g
  ○ジャガイモ       中3個
  ○タマネギ         2個
  ○ニンジン        大1本
  ○こんにゃく       1丁
  ○タイム          小さじ2
  ○塩・コショウ       適宜
  ○コンソメまたはブイヨン 2個
  ○ニンニク         2かけ

 ①ジャガイモを一口サイズに切り、水に浸す
 ②ラム肉を一口サイズに切る
  (羊臭さが苦手な方は脂身をなるべく取り除くと良い)
 ③にんじん・タマネギを一口サイズに切り、こんにゃくを一口大にちぎる
 ④鍋に肉・イモ・ニンジン・タマネギ・こんにゃく・ニンニクを入れ、
  材料が浸るくらいまで水を入れる
 ⑤コンソメとタイムを入れ、強火にかける
 ⑥沸騰したら弱火にしてアクを取りながらしばらくコトコト煮込む
 ⑦最後に塩・コショウで味を整えて出来上がり。

いかがですか、とっても簡単でしょう?
なお、こんにゃくを入れるのは我が家のオリジナル。
カレーやシチューにも入れています。
食感が良い上、カロリーを抑える効果があります。

(おまけ①)
一般的なスコッチブロスのレシピを改めてネット検索してみました。
我が家のレシピは元祖のレシピから大麦を省き、こんにゃくを加えただけと思っていましたが、他にも大きく違う点がありました。
ラム肉の臭い消しに使う香草が、タイムでなくセロリなのです。
知りませんでした。

(おまけ②)
ラム肉とタイムで検索し直すと「アイリッシュシチュー」というのがヒットしました。
こちらはラム肉の臭い消しの香草にセロリではなくタイムを使っています。
さらに大麦も入れません。
我が家のスコッチブロスはこちらの方に近いようです。

スコットランドとアイルランドは隣国同士なので、似たレシピがあるのですね。
偶然にも両国ともラグビーワールドカップで日本の対戦相手でした。

いろいろわかりましたが、すでに我が家の定番となっており、十分おいしいので今さらレシピを変えないつもりです。




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お気に入りその1843~鬼平犯科帳パート110

2019-10-16 12:15:45 | 鬼平
今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート110です。

大のお気に入りの鬼平犯科帳。
今回は第5巻です。

「深川・千鳥橋」
五郎蔵の初仕事です。
「間取りの万三」を平蔵に売った五郎蔵。
その気持ちを汲んで平蔵が見事な裁きを見せます。
今まさに殺されようとしている万三を救い、凶賊どもを成敗します。
労咳のため余命わずかな万三に駕籠を用意する行き届きようです。
「死に際はきれいにしろよ」と声をかけて駕籠を見送り、五郎蔵に「これでよいな」。
「返事のかわりに五郎蔵の号泣が起こった。」というくだりは、まさにもらい泣きモノです。

「乞食坊主」
平蔵の弟分、井関録之助が登場します。
剣を悪の道に使うくらいなら乞食をした方がまし、という真っ直ぐな男。
再会を喜ぶ平蔵と録之助の見つめ合う目が潤む場面でまたもやもらい泣きしそう。
血なまぐさい事件が続く鬼平犯科帳において、珍しく感動モノが続きました。

「女賊」
隠居した盗賊が、昔捨てた息子を探します。
おまさの探索により見つかった息子は女賊におもちゃにされた揚げ句、殺されようとしていました。
間一髪、平蔵により救われ、一味は一網打尽に。
元盗賊に息子を引き合わせるときのおまさの幸せな気持ちが、読んいるこちらまで伝わります。
平蔵のために命を捨てることばかりを考えていたおまさが、密偵として生き甲斐をもって働き始めるきっかけになった事件です。
この作品で面白いのは、事件の4年後を描いていることです。
盗賊改メの激務に疲れた心身を癒すために京都に向かったはずの平蔵が、結局は大活躍をしてしまいます。(「盗法秘伝」「兇剣」)
江戸に戻る途中、平蔵は元盗賊と息子のもとに立ち寄り、幸せに暮らしていることを確かめ、涙ぐみます。
親子も平蔵への恩を忘れず、神仏を拝むように感謝を伝えます。
名裁きによりスパっと終わる作品が多い中で、ここまで描くのは珍しいですが、たまにはこういうのも良いものです。

「おしゃべり源八」


「兇賊」
芋酒、芋なますが人気の居酒屋の主はひとり働きの盗賊。
偶然訪れた平蔵の人柄に惚れ、後をつけます。
盗賊改メの役宅の前で「おやじ、見送りご苦労」と声をかけられ腰を抜かすところから、この物語は始まります。
結局、平蔵を助けて凶賊を捕縛する手伝いをするハメになるという楽しい話。
仕事の鬼という顔だけでなく、茶目っ気たっぷりの一面もあることが、人間の深みであり、部下から慕われる理由でしょう。

「山吹屋お勝」


「鈍牛」
ちょっとぼ~っとした青年と、彼が幼い頃にお小遣いを渡したことがある男が登場します。
男の火付けを目撃した青年は、幼き日の恩義を忘れず、誰にも言うなよという男の言いつけを守ります。
頼りない同心の配下の者が手柄を焦り、青年を火付けの犯人に仕立ててしまいます。
青年が火付けなどするわけがないと騒ぐ近所の人々の声を聞き、平蔵は青年に優しく問いかけます。
配下の者の不始末により自らが引責することを恐れず、真実を暴いていく姿勢に学ぶところがあります。

読書の大半は、半身浴をしながら。
鬼平犯科帳が面白すぎて延々と読み続けるため、汗が出すぎて疲れます。
もう少し早めに切り上げるように気をつけたいと思います。


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お気に入りその1842~竹鶴政孝パート288

2019-10-14 07:57:24 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは竹鶴政孝パート288、マイウイスキーづくりです。

先日、ニッカウヰスキー余市蒸溜所の「マイウイスキーづくり・上級者コース」に参加しました。
「マイウイスキーづくり・初級コース」に参加したことがある方限定のコースです。
北海道から沖縄まで全国から17名が集まりました。
初級コースとは違う体験がいろいろできてとても楽しかったです。
プログラムの詳細は当日のお楽しみということですので詳しくは書きませんが、2日間で心に残ったことをいくつか書きます。

・石炭焚きのポットスチルが稼働しているのは世界で余市だけと確認された。
 スチームによる100度の蒸溜と石炭による1000度の蒸溜の違いは大きい。
・今は使われていない初代ポットスチルに触り、中をのぞいた。
・30年物の余市のシングルカスクを3種類、樽から抜き、テイスティングした。
・3代目マスターブレンダーだった佐藤茂生さんの講演を間近で聴いた。
・ブレンダーはタバコを吸わず、カレーを食べないという話。
 3代目はそうだったが、4代目はどちらもOK。
・マイウイスキーづくりの当選倍率は、初級コース30倍、上級者コース50倍。
・来場者数はマッサンのときより少し少ないが好調を維持している。
・工場限定品のウイスキーを一人1本に制限しているのは転売を防止するため。

竹鶴政孝ファン、ニッカウヰスキーファンとして、夢のような2日間でした。
10年後の参加メンバーとの再会とマイウイスキーの仕上がりを楽しみにしたいと思います。

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お気に入りその1841~ユスラウメとブドウ

2019-10-11 12:21:38 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ユスラウメとブドウです。

我が家のユスラウメ(山桜桃梅)が枯れてしましました。
やせっぽちの苗から25年目のことです。
毎年小さな白い花をいっぱい付け、それがみんな小さな赤い実になりました。
優しい甘さの実をたくさん家族で収穫。
大量のジャムになり、あちこちにプレゼントしたものです。
一昨年、雨続きで実の収穫ができず、枝になったまま干からびさせてしまいました。
昨年は半分しか花が咲かず、実は収穫するほどなりませんでした。
きっと前年に実をとらなかったせいだろう、と思っていました。
そして今年、昨年以上に花が咲いたので期待していましたが、花が散ったあとを追いかけるように葉も散り、樹全体が茶色くなってきました。
途中肥料を入れたりしましたがダメでした。
何が悪かったのでしょうか?
ネットで調べると、寿命は50年以上、20年くらいと様々な書き込みがあります。
接ぎ木をしていると寿命が短いとの書き込みも。
我が家のユスラウメは接ぎ木だったので、25年目なら天寿を全うしたということになりそうです。
ユスラウメさん、25年間楽しませてくれてありがとうございました。

続いて実家のブドウについて。
45年ほど前に茶・黒・緑の3種類のブドウを植えました。
いつの間にか茶と黒がなくなり、今は緑(マスカット)のみになりました。
毎年毛虫が大量につき、暑い時期に2回、完全防備をして殺虫剤を噴霧していました。
ここ数年、気候が変化したせいか、毛虫は1~2匹見かける程度。
無農薬になりました。
先日、ブドウを収穫しました。
今年の夏は天候に恵まれたせいか、そこそこ美味しいブドウがたくさん獲れました。
近所のみなさんなど10数人で分けました。
我が家では、形の良いものは食べる用、形の悪いものはジャム用にしています。
我が家のブドウジャムは、これまで同様、あちこちにお嫁に行くことでしょう。
ユスラウメの件もあり、気になるのはブドウの寿命。
調べてみると、50~60年だそうです。
45年は老木といえそうです。
その内、ユスラウメのように調子が悪くなり、天寿を全うするのでしょうね。
それまでヨロシク、マスカットさん。

我が家ではハムスターが2年、犬が10数年の天寿を全うしました。
今回、樹にもそれぞれの寿命があることを知りました。
永遠に生きる生物はいない、というごく当たり前のことを改めて再認識しました。
そして死による別れが必ず来るからこそ、今この瞬間の関りを大切にしなくてはならないと思いました。



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お気に入りその1840~ノーザンホースパーク

2019-10-09 12:06:44 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ノーザンホースパークです。

※写真は公式HPから引用しました

バス2台の日帰り旅行の引率係としてノーザンホースパークに行ってきました。
小さい子のいる家族が多く、バスの中は賑やかでした。
このバス旅行でノーザンホースパークを訪れたのは10年前に続き2度目。
現地で知りましたが今年で開園30周年だそうで、2度とも偶然アニバーサリーの年の訪問となりました。

到着後はバスの発車まで引率係の仕事があまりないため、引馬体験・馬車での周遊・ポニーショーなどを楽しみました。

「引馬体験」
スタッフが引く馬にまたがる乗馬体験は、わずか5分ほどですが貴重な体験でした。
馬の歩みとともに左右に揺れることに体が慣れてから、ようやく高い位置からの視界を楽しむことができました。
スタッフから、首やたてがみの辺りを触ってもいいですよとか、降りる前に首をポンポンと叩いて「ありがとう」と声をかけると馬が喜びますよとかを、教えてもらいながらの初級ふれあい体験。
自転車や自動車と違い、乗馬は心のふれあいが大切であることを学びました。
引馬体験に並んでいた子どもたちには素敵な体験になったことでしょう。
途中二度馬が立ち止まりました。
2回目は虫が体にとまり、尾で追い払えなかったため、スタッフが払ったと説明がありましたが、1回目は何で立ち止まったのでしょうか?
きゅう舎でその馬の紹介文を読むと、引馬練習中とありました。
秋は夏ほど来園数がないそうだから、焦らず練習してね、馬くん。

「馬車での周遊」
一番乗りしてスタッフの左後を確保。
10分ほど景色の変化と説明を満喫しました。
後から乗ってきた家族連れの子どもが立ち上がると不安定で危ないと注意、大きな声を出すと馬が驚くので危ないと注意。
あの子は馬車とバスの違いを少しはわかってくれたかな?
スタッフは、園内施設の説明の他、馬車を引く2頭の白馬の種類なども説明していました。
そこで知ったのは馬の種類の多さです。
世界には200種類(300種類?)もいるのだそうです。
サラブレッドとドサンコ、モウコウマくらいしか知らなかったので驚きました。
再びきゅう舎に戻り、園内で働いている馬の種類を調べたら、サラブレッドは一頭もいませんでした。
速く走るために改良された馬には園内での労働は無理でしょう。

「バーバキューレストラン」
バイキング形式のため、みんな好きなものを好きなだけ食べて大いに満足しました。
育ち盛りの少年は肉をモリモリ食べていました。
小さな子たちはアイスキャンデーや果物、ケーキ、ジュースのコーナーを往復していました。
オジサンたちは別料金にもかかわらずビールや日本酒を次から次へと流し込んでいました。
つまりは全員に満足してもらうことができました。

「ポニーショー」
昼食の前後はポニーショーを楽しみました。
午前中は1頭、午後は2頭のショーでした。
馬は頭が良いため、人間の言葉を理解して動いてくれるそうです。
「左回り」「右回り」という複雑な言葉も理解していることに驚かされました。
若い頃、映画のエキストラをしたときのことを思い出しました。
馬係が食事をするというので、近くにいた私と友人がそれぞれ馬の手綱を渡されました。
友人の馬は、まわりをぐるぐるまわりつつ、足を踏んだり、後ろから肩にかみついたりとやりたい放題でした。
係の人に聞くと、馬は人を見るので、バカにしてイタズラをすることがあるとのこと。
友人は“いじられキャラ”であることを見破られたのでしょうか?
「馬、恐るべし」と思ったものです。

「ホースギャラリー」
親会社である社台ファームの歴史は、世界に通用する馬づくりの歴史なのかもしれません。
あのディープインパクトは偶然生まれたのではなく、創業者の熱意が起こした必然だったことを知りました。
アメリカ競馬界が生んだ名馬サンデーサイレンスに惚れこみ、日本に連れてきたことから始まり、その子・ディープインパクトの輝かしい戦績、そして現在。
フムフム、初耳の話ばかり。
きっとここは競馬ファンなら一度は訪れたい聖地なのでしょうね。
私にとってのニッカウヰスキー余市工場のようなものと理解しました。

お昼のビールと差し入れの日本酒が効いたため、午後の多くはボタニカルガーデンのベンチで、小川のせせらぎを聴きながら、ひなたぼっこをしてのんびり過ごしました。
ドッグランもあるため、犬連れがたくさん通り過ぎて行きます。
トンボが次から次へと体にとまります。
中には虫を咥えてモグモグしながらとまり、虫の破片を捨てて飛び去る、マナーの悪いトンボも。
トンボの食事シーンを初めて間近で見ることができたので許します。

少し寒かったけれどのんびりできた秋の休日でした。









コメント
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