今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート112です。
大のお気に入りの鬼平犯科帳。
今回は第7巻です。
「雨乞い庄右衛門」
略
「隠居金七百両」
老盗の右腕だった老人が仲間割れの揚げ句殺されます。
老人が隠した隠居金七百両の在りかを知る者はもういません。
平蔵は老人が暮らした盗人宿で数日を過ごします。
そして佐嶋たちに場所を指示して掘らさせると、見事隠居金が現れます。
驚く佐嶋たち。
平蔵は、老人の身になって考えるとここしかないと思い至った、と事も無げに言います。
老人の素性や行動範囲、体力などを考慮したとはいえ、平蔵の鋭い洞察力はあまりに凄まじい。
まさに盗賊どもの行動を先読みし、捕縛する力そのものです。
改めて上司・平蔵の恐るべき能力を思い知らされ、与力・同心たちも震え上がったことでしょう。
洞察力とは、物事の表面だけでなくその本質まで見通す力のことだそうです。
日々、物事の本質を見通す力を養いたいものです。
「はさみ撃ち」
凶賊が狙いを定めた商家は元・盗賊だった、という話。
現役時代に名人芸を誇った元・盗賊は目つぶしと薪だけで見事凶賊を撃退します。
這う這うの体で逃げ出した賊は平蔵たちの挟み撃ちに会い、御用になります。
盗賊改メなどに自分たちの正体がバレたはずがないと自信満々の元・盗賊。
あやつらは叩けばホコリが出る者たちであろうが、子どものような顔をしており、もう悪さはしないであろう、と看破し見逃した平蔵の眼力に脱帽です。
一枚も二枚も上手とはまさにこのこと。
人物観察と心理分析に、豊富な経験が加わることによりなし得る業。
こういう読みができる人になりたいものです。
「掻掘のおけい」
五郎蔵は元・子分に相談を持ち掛けられます。
おけいという女に弱みを握られ、男妾にされているので助けて欲しいというものでした。
自力での救済するのは手が足りず、結局長官の力を借ります。
捕縛した元・子分を獄門に送らず行く行くは密偵に、と平蔵は五郎蔵に言います。
お命を助けていただきありがとうございます、と礼を言う五郎蔵に「密偵も命がけに違いはない」という平蔵。
密偵はその身分が知られたら裏切者として消される運命にあるのだ、と改めて思い知らされました。
この回も五郎蔵の感謝の涙で終わります。
日頃から部下に多少目こぼしし温情をかけることが、厳しい仕事を命じたときに動いてくれる秘訣のようです。
「泥鰌の和助始末」
和助は腕の良い大工ながら、盗み細工と図面を盗賊に売っていました。
商家に勤めていた息子が自害に追い込まれたことを知り、盗賊どもと忍び込み、証文類を川に捨てて恨みを晴らします。
平蔵たちの働きにより盗まれた金は商家に戻りますが、証文の消失により数年後に商家は潰れます。
先代が育てた丁稚に罪を着せて自害させるような者は因果応報で滅びるということでしょう。
人は正しく生きなくてはなりません。
「寒月六間堀」
部下や密偵の手を借りずに平蔵は老武士の敵討ちに助太刀します。
長官の行方不明から2日目、帰宅した平蔵は久栄にひとこと「財布ごと金を渡した」
それだけで通じる夫婦の信頼関係って素敵です。
良いことをしたときは人に知られないようにすることの美しさよ。
「盗賊婚礼」
本格盗賊と急ぎばたらきの盗賊の間で婚礼話が持ち上がります。
婚礼当日、道を誤った二代目を見限り真実を告げ、二代目に切りかかる男。
先代への恩義に命がけで報い、満足げにこと切れます。
情けは人のためならず、です。
親がかけた情けが息子に返ってきたのです。
世知辛い世の中ですが、人に心がある以上、こういうこともあるのでしょう。
心に沁みる作品が続きました。
第8巻ではどんな作品を読むことができるのでしょう。
とても楽しみです。
大のお気に入りの鬼平犯科帳。
今回は第7巻です。
「雨乞い庄右衛門」
略
「隠居金七百両」
老盗の右腕だった老人が仲間割れの揚げ句殺されます。
老人が隠した隠居金七百両の在りかを知る者はもういません。
平蔵は老人が暮らした盗人宿で数日を過ごします。
そして佐嶋たちに場所を指示して掘らさせると、見事隠居金が現れます。
驚く佐嶋たち。
平蔵は、老人の身になって考えるとここしかないと思い至った、と事も無げに言います。
老人の素性や行動範囲、体力などを考慮したとはいえ、平蔵の鋭い洞察力はあまりに凄まじい。
まさに盗賊どもの行動を先読みし、捕縛する力そのものです。
改めて上司・平蔵の恐るべき能力を思い知らされ、与力・同心たちも震え上がったことでしょう。
洞察力とは、物事の表面だけでなくその本質まで見通す力のことだそうです。
日々、物事の本質を見通す力を養いたいものです。
「はさみ撃ち」
凶賊が狙いを定めた商家は元・盗賊だった、という話。
現役時代に名人芸を誇った元・盗賊は目つぶしと薪だけで見事凶賊を撃退します。
這う這うの体で逃げ出した賊は平蔵たちの挟み撃ちに会い、御用になります。
盗賊改メなどに自分たちの正体がバレたはずがないと自信満々の元・盗賊。
あやつらは叩けばホコリが出る者たちであろうが、子どものような顔をしており、もう悪さはしないであろう、と看破し見逃した平蔵の眼力に脱帽です。
一枚も二枚も上手とはまさにこのこと。
人物観察と心理分析に、豊富な経験が加わることによりなし得る業。
こういう読みができる人になりたいものです。
「掻掘のおけい」
五郎蔵は元・子分に相談を持ち掛けられます。
おけいという女に弱みを握られ、男妾にされているので助けて欲しいというものでした。
自力での救済するのは手が足りず、結局長官の力を借ります。
捕縛した元・子分を獄門に送らず行く行くは密偵に、と平蔵は五郎蔵に言います。
お命を助けていただきありがとうございます、と礼を言う五郎蔵に「密偵も命がけに違いはない」という平蔵。
密偵はその身分が知られたら裏切者として消される運命にあるのだ、と改めて思い知らされました。
この回も五郎蔵の感謝の涙で終わります。
日頃から部下に多少目こぼしし温情をかけることが、厳しい仕事を命じたときに動いてくれる秘訣のようです。
「泥鰌の和助始末」
和助は腕の良い大工ながら、盗み細工と図面を盗賊に売っていました。
商家に勤めていた息子が自害に追い込まれたことを知り、盗賊どもと忍び込み、証文類を川に捨てて恨みを晴らします。
平蔵たちの働きにより盗まれた金は商家に戻りますが、証文の消失により数年後に商家は潰れます。
先代が育てた丁稚に罪を着せて自害させるような者は因果応報で滅びるということでしょう。
人は正しく生きなくてはなりません。
「寒月六間堀」
部下や密偵の手を借りずに平蔵は老武士の敵討ちに助太刀します。
長官の行方不明から2日目、帰宅した平蔵は久栄にひとこと「財布ごと金を渡した」
それだけで通じる夫婦の信頼関係って素敵です。
良いことをしたときは人に知られないようにすることの美しさよ。
「盗賊婚礼」
本格盗賊と急ぎばたらきの盗賊の間で婚礼話が持ち上がります。
婚礼当日、道を誤った二代目を見限り真実を告げ、二代目に切りかかる男。
先代への恩義に命がけで報い、満足げにこと切れます。
情けは人のためならず、です。
親がかけた情けが息子に返ってきたのです。
世知辛い世の中ですが、人に心がある以上、こういうこともあるのでしょう。
心に沁みる作品が続きました。
第8巻ではどんな作品を読むことができるのでしょう。
とても楽しみです。