鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1998~牧野富太郎2

2021-02-26 12:41:26 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、牧野富太郎2です。
「牧野植物図鑑原図集 ~牧野図鑑の成立」の感想です。
届いてすぐにパラパラめくりました。
牧野富太郎が描いた図鑑原図を写真撮影して掲載しています。
紙の質や色、しわまで克明に再現しています。
しかもそのほとんどが原寸。
原図の欄外には図鑑の掲載番号などいろいろな但し書きが添えられています。
原図そのものを手に取っているような感覚でとても感激しました。
「素晴らしい!」とつい心の声が漏れたほどです。
妻が話しかけるのに生返事をしながら、次々現れる原図から目が離せませんでした。
注文するときは、1万円超もの価値が本当にあるのかと少し心配でしたが、現物を確認して納得。
大満足です。
科学と芸術が融合した美しい博物図を鑑賞することを目的とする私にとって、まさにお宝。
大切に1ページ1ページ図版を鑑賞しつつ解説を読んでいます。
本書はわずか2000部限定。
ボタニカルアートが趣味の方、植物学に興味がある方は、ぜひ今のうちにご購入されることをおすすめします。
紀伊国屋さんのHPに「在庫僅少」と出ていましたよ!
ちなみに北隆館のコピーは次の通り
=====
北隆館創業130年記念出版! 
牧野図鑑刊行80年を記念し、北隆館蔵「牧野植物図鑑原図」の最初で最後の蔵出し!
=====
図鑑好きには垂涎の品です。

さてそれでは本書の感想です。
まずは「はじめに」がとても素敵だったので、概要と感想を書きます。
数年前、北隆館から東大植物園・邑田教授のもとに創業130年を記念して北隆館が所蔵する牧野植物図鑑原図を収録した書籍を刊行したいという企画が持ち込まれました。
これまで牧野植物図鑑の改定に携わってきたとはいえ、3000枚以上ある牧野原図を改めて整理し直し新たな書籍にまとめることは物理的に不可能です。
書籍の制作方針が決まらない中、偶然にも東大博物館から植物画家・山田壽雄の図鑑原図が大量に発見されたという報が入りました。
山田は牧野の信頼厚く牧野図鑑の原図も描いています。
邑田教授は、本書の目的を牧野が描いた植物画と図鑑原図、山田が描いた牧野図鑑原図などを比較することで、牧野図鑑の成り立ちを解き明かすことに決めました。
この大事業には多くの専門家の協力が必要なため、編集委員会を組織して臨みました。
それぞれの委員が就任していく経緯が順に紹介されていました。
頼もしい仲間が一人また一人と増えていく様子をマンガ「ワンピース」と重ねながら読みました。
また邑田教授は、図版の模写を嫌った牧野が、自身は模写を行っていたことを指摘しています。
牧野の考えでは、植物の細部まで把握している者が、理想的な植物画を目にした時にそれを模写することは許されるのです。
この考えは十分理解できます。
牧野と図鑑競争を繰り広げた村越三千男の植物画は、植物の細部を把握せずに牧野の植物画を模写したため科学的に不正確なものになっており、認めることができなかったのです。
それに比べ牧野自身が英国ボタニカルマガジンから模写するときは、科学的に正確なため認められるのです。
正確なら認めるというという考えは、山田壽雄の描く原図を認めていたことに通じる部分です。
本書の内容が素晴らしいことは当然として、以上の通り「はじめに」もとても素晴らしい読み物です。
幸運にも本書を入手された方は飛ばさずにぜひお読みいただきたいと思います。

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お気に入りその1997~たくさんのふしぎ4

2021-02-24 12:49:12 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ4です。
昨年たくさん読んだこのシリーズ。
これまで何冊読んだのか数えてみると、前回までで98冊でした。
今回の4冊を入れるとついに100冊越え。
随分たくさん読んだものです。
ところでこのシリーズは全部で何巻あるのでしょうか?
最新刊を調べると2021年2月号=通算431号。
これまで431もの不思議を紹介してきたのですね。
といことは、まだ1/4ほどしか読んでいない・・・。
300冊以上の読んでいない巻には面白くて興味深い不思議がいっぱいあるのでしょうね。
今後も楽しみたいと思います。
それでは「たくさんのふしぎ」シリーズ第4弾の感想を書きます。
①「サンゴしょうの海」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
南の海に潜ってみましょう。
海の神秘を垣間見ることができます。
サンゴを中心にした食い食われの関係や巧みな共生。
美しいサンゴ礁で繰り広げられる自然の姿を紹介します。
=====
内容も魅力的ですが、どちらかというとお気に入りの画家・松岡達英さんの作品を鑑賞したくて選びました。
生き物が大好きな松岡さんがサンゴ礁の生き物たちを美しく正確に描いています。
ウロコ1枚1枚まで丁寧に描いているので生き物の特徴を写真よりも詳しく知ることができます。
さらにシュノーケリングの装備の選び方、装着の仕方、使い方までも絵を使って判りやすく説明しています。
また本書の主役であるサンゴについても細部まで丁寧に描くことで解説しています。
海水の出し入れにより体を出し入れする構造、エサを獲るための刺胞、光合成で作った栄養を分けてくれる褐虫藻、個体同士がつながる群体、成長し続ける骨格など、とても判りやすいです。
本書は絵だけでなく解説文もわかりやすく、特にサンゴと褐虫藻の関係が興味深かったです。
サンゴは獲ったエサを分解してチッソやリンを体内に飼っている褐虫藻に与えます。
褐虫藻はそれらを元に光合成でたっぷり栄養を作り、サンゴに返します。
そのおかげでサンゴの骨格がどんどん成長し、島のように大きくなるのです。
本書はサンゴ礁の入門書としてベスト。おススメです!
ただ本の制作方法に難点があります。
背景のイラストの上に直に生き物の名前を印刷しているためとても読みづらいです。
できれば白抜きしてから文字を入れるか、もっと目立つ色にして欲しかったです。
せっかく興味を持って読んでくれる子どもたちが名前を間違えて覚えてしまっては大変です。
1987年発行の本に意見しても始まりませんが、シリーズの今後に活かして欲しいです。

②「水爆の島 マーシャルの子どもたち」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
太平洋に浮かぶ美しいサンゴ礁の島々、マーシャル群島。
しかし、この島々は40年以上前アメリカがおこなった水爆実験の「死の灰」がふり、その放射能が残っているのです。
今も食料の不足や病気で苦しんでいる人たちがいることを知ってもらいたいと思います  
=====
広島や長崎は原爆投下後何十年も草木が生えないだろうと言われたそうです。
ところが放射能はあっという間に消え、草木は茂り、普通の暮らしが戻りました。
なぜマーシャルの人々は40年以上も苦しんでいるのでしょうか?
その違いを知るべく読みました。
(ただし本書は1996年10月号で25年前の内容です)
前半はマーシャルののどかで幸せな暮らしを紹介しています。
週に一度飛行機が降り立つと島の子どもたちが総出で出迎えます。
大きなパンの実をたくさん焼いて食べ、ヤシの実でのどを潤し、子どもはさばきたての魚を大人から分けてもらいおやつがわりにします。
まさに楽園のような日常が紹介されています。
ところが後半は、40年以上前に行われた水爆実験により死の灰をかぶった人々が次から次へと登場します。
ある日予告なしに行われたその実験により何百キロも離れた島に白い灰がたっぷり降りました。
その晩から髪が抜け、皮膚がただれ、具合の悪い人が続出しました。
数か月後、アメリカから調査団が到着しました。
その後もアメリカは定期的に人体への影響を調査する船を派遣しています。
採血、採尿、X線撮影、甲状腺の腫れ具合の確認など。
でも診断結果を島民に教えてくれないので、みんなは不安がつのるばかり。
やがてガンで亡くなる人が増え、流産や死産が増えました。
水爆実験により楽園のような幸せな暮らしが失われたことを知りました。
これまでのたくさんのふしぎシリーズとは違い、本書には恐ろしい悲劇が描かれてたのでした。
もっと詳しく知りたくなり、豊崎博光さんというフリージャーナリストの方が書いた「キャッスル作戦とマーシャル諸島の人びと」(2015年6月公開)という論文を読みました。
この論文にはマーシャル諸島の人びとの身に起きたことが詳しく書かれていました。
1946年から1958年まで67回もの核実験が行われ、その延べ威力は広島型原爆の7200発相当であり、放出された放射性物質は地球全体に降ったそうです。
アメリカは放射性物質が島に偶然降ったと言ったそうですが、これは人体実験です。
救命のための治療よりも観察と記録、分析に重点が置かれていたことは明らかです。
島の人々の惨状が、苦悩が、悔しさが豊崎さんの論文から痛いほど伝わりました。
特に島の女性たちが産んだ子が「ブドウのような」「クラゲのような」「頭や骨が無い」子だった、というくだりに生涯忘れられない衝撃を受けました。
その後もアメリカは「あの実験が冷戦終結に貢献した」と実験を正当化する公式見解を発表したそうですが、島の人々はモルモットにされたと猛反発。
当然です。
豊崎さんは次のようにまとめています。
=====
核兵器爆発、原子力発電所の事故による放射能被害は非人道的、人権侵害であると共に人間を含めた生き物すべての生きる権利をも破壊することを改めて認識しなければならない。
=====
東京電力福島第一原発事故から来月で10年を迎えます。
原発事故は人々から健康的な暮らしを奪い、社会的つながりや文化を引き裂き、代々引き継がれてきた大切な土地から人々を追い出しました。
日本で発生する自然災害は年々頻度と規模が増しています。
想定をはるかに超える自然の猛威により、原発の運転や核廃棄物の貯蔵が今後危機にさらされる可能性は大いにあると考えます。
その危機に対処するため、もっともっと真剣に人類の英知を結集して欲しいと願います。

③「絵とき 生きものは円柱形」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
自分の体の形を考えてみましょう。
指は?円柱形です。
腕は?足は?胴体は?どれも円柱形。
そして体全体でも円柱形です。
ネコもイヌも、足や尾や胴体など円柱形が多い。
植物も、平たい葉という例外もありますが、根、幹、枝など、やはり円柱形が多い。
なぜ生きものの形には、こんなにも円柱形が多いのでしょう?
その理由を考えていくと、生きものに共通するある特徴と、生きもののルーツが見えてきます。
=====
「円柱形から生きもののルーツが見えてくる」
この言葉に惹かれて読みましたが期待外れでした。
平たいものは支えがないと形を維持できません。
四角柱は角が弱く、何かにぶつかると欠けてしまいます。
それらに比べ、円柱形は強度があります。
だから生き物の体は丈夫な円柱形でできていて中の液体を守っています。
光を受ける葉、空気を押す羽、水を押すヒレは平たいので円柱形の支えがあります。
生き物の基本形は円柱形であることを学ぶことができます。

④「海中を飛ぶ鳥 海鳥たちのくらし」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
鳥は空を飛ぶ生きものです。
鳥の中で海でくらし、海に浮かぶことができるものを海鳥といいます。
といっても海鳥のタイプはいろいろ。
いつも空を飛んでいるアホウドリやカモメ。
空を飛んでいたかと思うと海に飛びこみ、同じ翼を上手に使って海中を潜水するウミスズメやウミガラス。
空は飛ばずにもぐってばかりのペンギン。
いずれもエサをさがしてヒナを育てるのに懸命なのですが、さて、あなたなら、どのくらし方をえらぶでしょう?
=====
前にこのシリーズの「水辺の番人 カワウ」を読みました。
カワウが50km先の餌場まで空を飛び、水中を自在に泳ぎ、枝にとまって休憩することができる生き物界のオールラウンダーであることを知りました。
本書で紹介される海鳥の中にはカワウを超える能力の鳥がいるでしょうか?
結果的にはカワウほどのオールラウンダーはいませんでした。
登場したのはいろいろな分野のスペシャリストばかり。
500mもの深さまで潜る鳥、何百kmもほどんど羽ばたかずに飛び続ける鳥、生まれてすぐに親と同じくらいの大きさになる鳥、生まれて2日目で海上生活に移る鳥など。
特殊能力のオンパレードです。
特にペンギンとウミガラスの筋肉の違いについては興味深く読みました。
ウミガラスは空を飛ぶために翼を押し下げる力が必要です。
そのため胸の筋肉が発達しました。
ところがペンギンは海中を自由に泳ぐために翼を押し下げるときだけでなく、押し上げるときも力を入れることができるように、胸と背中と両方の筋肉が発達しました。
だからあの独特のシルエットになったと知りました。
本書は世界中のたくさんの海鳥を紹介したため、焦点ぼけしてしまったことが残念でした。
著者が暮らす天売島の海鳥たちに焦点を当て「これぞ著者ならでは」と思える情報を提供して欲しかったです。
まだまだご活躍されているようなので、次回作に期待します。


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お気に入りその1996~牧野富太郎1

2021-02-22 12:24:33 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、牧野富太郎1です。
科学と芸術が融合した美しい博物図を鑑賞するのが大好きです。
その手の図版がたっぷり収録されている日本を代表する図鑑といえば牧野富太郎の植物図鑑でしょう。
ただ図鑑は図版が小さいことが難点。
植物画だけを大判でたっぷり鑑賞したいときには、図鑑でなく「日本植物図説集」を開きます。
牧野富太郎が明治期に発行した日本植物志図篇、新撰日本植物図説、大日本植物志の図版を集めたものです。
モノクロながら細密な植物画を画面一杯にたっぷり鑑賞できます。
さらに牧野富太郎の人生や図鑑の成り立ちも実にドラマティック。
学歴がないばかりに学会に認められるまで随分苦労しました。
私財を投げうって古今東西の植物に関わる文献を読み漁ったおかげで、図鑑の解説は科学だけに偏らない濃厚なものになりました。
また植物知識を一般に伝えるべく幼年向け・子ども向け・学生向け・一般向けという各世代向けに図鑑を発行したり、植物観察会を定期的に開催したりしました。
新種植物を1400種も発見したという実績もあります。
とにかく精力的でスケールが大きい、まさに植物学の巨人でした。
牧野植物図鑑の成り立ちについては「牧野植物図鑑の謎」という本で村越三千男との確執が詳しく描かれており、それでおおむね知ったつもりでいました。
牧野が描いた図版を村越が模写して図鑑を制作していたことによるトラブルだったそうです。
ところが先日、図鑑の図版は牧野が一人で描いたものではなかったことを知りました。
「牧野植物図鑑原図集 ~牧野図鑑の成立」 牧野図鑑刊行80年記念出版編集委員会・著
 北隆館、2020/4/2、504ページ 
という本の紹介文で「牧野植物図鑑の原図は富太郎と植物画家・山田壽雄他が描いた」こと、さらに図鑑の制作に他の学者も協力していたことを知り、図鑑の成り立ちについてもう少し詳しく知りたくなりました。
この本なら、図鑑原図の鑑賞と図鑑の成り立ちを知る、この両方を満足することができそうです。
1万円を超える本を購入するのは久しぶりですが、他ならぬ牧野モノですから間違いないでしょう。
本をじっくりたっぷり鑑賞してから感想を書きたいと思います。

(おまけ)
出版社の内容紹介を記録として残します。
=====
1940年に出版された『牧野日本植物図鑑』は、それまでの日本の近代植物学50年を牽引してきた“大牧野"による総まとめであった。
同時に、決して牧野富太郎一人の手による著作ではなく、当時の植物学会の英知を結集した出版物でもあった。
果たして現在まで後継版が愛され続ける牧野図鑑の魅力はいかにして生み出されたのか?
世界的植物学者・牧野富太郎と、牧野が最も信頼を寄せた植物画家・山田壽雄による図鑑の原図から見えてくる、わが国の金字塔的出版物・牧野図鑑の成り立ちを、門外不出の図版の数々によって解き明かしていく。
=====
今回本書では、このような多くの関係者を魅了した牧野図鑑の魅力を、その成立期にさかのぼって紐解きたいと考えた。
後述する主に時間的な事情から、本書は大きく二つの柱で構成することとした。
一つは北隆館に現存する牧野富太郎本人が描画した『牧野日本植物図鑑』の原図を全点紹介することで、その際に図が描画された背景が読み取れるものについてはできる限り言及した。
二つめは東京大学総合研究博物館で発見された植物画家・山田壽雄の彩色画と、同じく山田が描いた牧野図鑑の原図を比較する試みである。
牧野図鑑の原図の元となる植物画がそのような事情で描かれたのか、それらの試みがどのように後の牧野図鑑として形を成したのか解説した(邑田 仁「はじめに」より)」
=====

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お気に入りその1995~竹鶴政孝パート294

2021-02-19 12:11:47 | 竹鶴
今回のお気に入りは竹鶴政孝パート294、ポスターです。
20歳代からのニッカファン。
はじめはニッカのウイスキーを晩酌するだけでしたが、ピュアモルトやフロム・ザ・バレルというデザイン性に優れたボトルに注目したことをきっかけに、いつしかオールドボトル蒐集の道に入りました。
さらに蒐集活動の中で目にしたベヤーニッカのポスターに魅了され、古いポスターも蒐集するようになりました。
ただし額装して飾るには部屋が狭すぎるため、B2判用クリアファイルに入れて鑑賞しています。
その時代時代に思いを馳せることで晩酌が一層美味しく感じられるのは言うまでもありません。
ニッカファンもそうでない方も、ポスターが制作された時代の雰囲気を懐かしく感じていただければと思います。

①丸びんニッキー
 ニッカが初めてTVCMにした商品が「丸びんニッキー(二級)」。
 1950年代のTVCMにはクマの人形が登場していた。
 販売期間は1956年11月から1962年3月まで。

②ベヤーニッカ
 1957年11月発売開始。
 ファイリングのパンチ穴が開けられていたり、折れがある上、
 右端が少し裁断されていて、状態はかなり悪い。
 原画は奥山儀八郎がロートレックの「ブリュアン像」をアレンジして
 制作した。
 このポスターは人気があるようで復刻版が制作されている。
 復刻版と並べてファイリングしたことで右端が少し裁断されている
 ことに気づいた。

③レアオールドポケット瓶
 販売時期と銘柄が不明なポケット瓶ウイスキーのポスター。
 このポスターに登場するポケット瓶とそっくりな瓶が手元にある。
 メーカーに写真を添えて販売時期と銘柄を問い合わせたところ
  当時はポケット瓶がたくさん出荷されており、瓶の種類も多かった。
  記録が残っていないため、銘柄の特定はできない。
 という回答だった。
 余市ウイスキー博物館の展示物でポケット瓶について調べると
  1941年 アップルワイン・ポケット発売
  1947年 米国陸軍将校にポケット瓶ウイスキーを贈呈
  1950年 三級免許によりポケット瓶ウイスキー発売
 という記録があるだけで、発売時期と銘柄の特定はできなかった。
  
④一号ウヰスキー
 ニッカウヰスキーが初めて発売した一号ウヰスキーのポスター。
 一号ウヰスキーは1940年に発売開始されたが、翌年、太平洋戦争が
 始まったため、すぐに価格統制、販売制約が課せられた。
 ファイリングのパンチ穴が開けられていたり、折れがあり、
 状態はかなり悪い。
 一号ウヰスキーのポスターは2種とも文字が右から書かれており、
 発売初期のものと思われる。

⑤角瓶ウイスキー、丸瓶ウイスキー
 1951年に発売された三級ウイスキーのポスター?
  角瓶500ml 380円(新角)
  丸瓶720ml 500円(ご家庭用にお徳)
 
⑥ゴールド&ゴールド特級
 後のG&G。 
 1968年に越路吹雪がTVCMに出演したときのポスターと
 思われる。
 ポスターサイズが大き過ぎるためファイリングできないことと、
 ゴールド&ゴールドをオールドボトルと考えていないため、
 丸めて保管したまま。今回は載せなかった。
 ※ポスターサイズ=B1判(728×1030)

⑦サントリー白札
 寿屋(現サントリー)が1929年に発売した日本初の
 本格ウイスキーのポスター。
 そのコピー「醒めよ人!すでに舶来盲信の時代は去れり」は有名。
 竹鶴政孝が設計した工場で自らの手で造った初めてのウイスキー
 であることから復刻版ポスターを入手したが、ライバルメーカーの
 ものであることから今回は載せなかった。

なお照明やフラッシュの反射が写り込まないように撮影するテクニックがないため、単純に斜め方向から撮影しました。
改めて見ると1枚1枚のポスターが台形に見えて美観的に最悪。
ポスター制作者が見たら悲しむでしょうね。


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お気に入りその1994~恐竜まみれ

2021-02-17 12:39:56 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、恐竜まみれです。

恐竜ハンターとして有名な小林快次教授の著書を読みました。
「恐竜まみれ 発掘現場は今日も命がけ」

出版社の内容紹介を引用します。
=====
ファルコン・アイ(ハヤブサの眼)の異名を持つ恐竜学者の砂まみれ、汗だらけ、命がけの日常業務!!
=====

冒頭に登場するのは、アラスカで化石探しをするときのベース基地。
といってもドアの壊れた木の小屋です。
自分たちで釣ったマスをハーブで仕上げて美味しくいただいた後がいけませんでした。
残った頭や内蔵などを海まで捨てに行かずに、すぐ近くの小川に捨ててしまったのです。
流れずに残った頭や内蔵の臭いを嗅ぎつけ、巨大なグリズリーが小屋に迫ります。
身を守る装備は熊よけスプレーと脅し用の散弾銃だけ。
何とも心細い・・・。
2発しかない弾の1発目で熊が去ってくれた後、ヘリが迎えにきました。
上空から小屋を見るとすぐ近くに2頭のグリズリーが!
もう一日滞在していたらどうなっていたでしょうか?
サブタイトル通り、まさに命がけ。
「恐竜化石の発掘に行ってみたい」という夢から一気に現実に引き戻されました。

続いて登場するのは、モンゴルの砂漠のヨロイ竜化石発掘現場。
肋骨が3本、4本と出てきて全身骨格発掘への期待が膨らみますが、頭や尾があるであろう辺りを掘っても何も出てきません。
腰部分だけの化石とわかり、一同落胆。
巨大な化石を少しでも運びやすいように分割しようと腹部の石を除去していると、出てきたのは何と頭と尾。
頭と尾が何らかの理由で内側に折り込まれていたのです。
発掘チームの喜びが伝わり、こちらまでうれしくなりました。

著者はチームの中で化石発見が顕著なことから、ファルコン・アイ(ハヤブサの眼)と呼ばれています。
その理由は「楽をしないこと」だそう。
なだらかで歩きやすい場所よりもがれきだらけで足元の悪い斜面を探すことや、探索行は行きと帰りで違うルートをとることが秘訣だそうです。
簡単そうに思えますが他の研究者が行わないということは、体力的に相当きついことなのでしょう。

他にも覚えておきたい恐竜化石のいろいろをメモしておきます。

・恐竜の卵化石の状況から、卵のほぼすべてが孵化していたと推定される
 恐竜の祖先の系統にあたるワニは1/3が産みっぱなし、1/3が近くにいるが
 食べられても知らんぷり、1/3が卵を守るそう
 恐竜はその末裔である鳥のように、卵から巣立ちまで守り続けていた
 可能性があるが、そこまで研究が進んでいない

・恐竜化石の売買に参加しないで欲しい
 化石盗掘が後を絶たない
 高値で売れる部分だけを持ち帰り、不要な化石を散乱させる盗掘は研究の
 大敵
 彼らは輸送中の破損を防ぐため、使ってはいけない接着剤で化石を固める
 ことも問題
 盗掘された恐竜化石は出土場所等を偽装して販売される
 恐竜化石を買わないことで流通を阻止し盗掘を防ぎたい

・アメリカでよく出土する恐竜化石はアジアでは珍しいため著者が興奮して
 写真を撮りまくっていたら、覚めた目で見られてハッとしたそう
 アジアでの発掘ではアメリカの学者が同じように興奮するそう
 好きでその道に入ったのだから幸せそうで何より

・国内最大の全身骨格化石として話題になったむかわ竜の発掘秘話は何度
 読んでも面白い
 開館した頃からお気に入りだったむかわ穂別の博物館の快挙に夫婦で
 喜んだものだ
 化石掘りが趣味のおじさんが持ち込んだ化石にピンときた学芸員が
 小林先生に相談し、しっぽがあるなら全身もあるはず、と研究者生命を
 賭けて決断して町と掛け合い、数千万円もの発掘費用を捻出させ、
 ついに大発見を成し遂げた
 読んでいるこちらがハラハラドキドキするのだから、当の本人は
 とんでもないプレッシャーを感じていたことだろう
 また「ザ・パーフェクト」を読みたくなった

・小林先生の院生時代の論文が科学雑誌ネイチャーに掲載された話
 全文掲載ではなく要旨掲載だけという打診がきたので、掲載を断り、
 他の科学雑誌に再投稿を検討していると担当教官に相談したら
 怒鳴られたそう
 要旨掲載とはいえネイチャーに掲載されるということは科学者として
 大変な栄誉なのだそう
 ちなみに肉食恐竜にも胃石があることを初めて確認したという研究だった

他にも、巨大な手しか見つかっていない恐竜の謎を解いた話や、規制の厳しい自然公園にヘリで調査に行った話など、とにかく全部が面白かったです。
そのためついつい時間を忘れて読みふけってしまいました。
半身浴での読書はだいたい30分。
本書のように面白いときは気が付けば1時間近く読んでいます。
いつも「なぜこんなに汗をかいているのだろう」と思うのですが、いつもより長い時間入浴しているから、という単純明快な理由が思い浮かばないのです。
風呂リモコンの時計を見て驚くのは、何度経験しても慣れません。
不思議なものです。

小林先生が事故ケガなく素晴らしい研究を続けらえますことをお祈りしています。

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お気に入りその1993~プレバト

2021-02-15 12:11:16 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、プレバトです。
テレビのプレバトが好きで、観ることができない日は録画して必ず観ています。
中でも俳句のコーナーが一番好きです。
夏井先生の歯に衣着せぬ評価に有名タレントたちはタジタジ。
日本語、特に助詞の正しい使い方を学び、相手に想像させることによりわずか17文字で詩情を伝えます。
自分でも詠みたくなり、しばらく続けましたが、今は休憩中。
自分でやってみて創作の大変さがわかり、番組の見方が変わりました。
先日のプレバトで最新の俳句歳時記が紹介されました。
歳時記は、季語と季語を使った例句を集めたものです。
俳句を詠む人は一生に一句でも歳時記に選ばれたいと願っているそうです。
その中にプレバトで誕生した句が何と3句も選ばれました。
フルーツポンチ村上、光浦靖子、的場浩司の3人の句です。
特に的場の俳句はお見事。
 職質をするもされるも着膨れて  的場浩司
いかがですか?
俳句を詠んだ人の名を読み終えてナルホド!と思ったのではないでしょうか。
タレントの強みですね。
他の誰にも詠めない素晴らしい俳句です。
芭蕉や一茶ではない、しかも現代の名人でもない人が詠んだ俳句ですが、私はきっと一生忘れないと思います。
以前も書いたかもしれませんが、数年に一度で良いからプレバト句集を制作して欲しいです。
その際は夏井先生の解説や直しも必ず添えて欲しいです。
俳句の勉強になるだけでなく、相手に伝わる日本語の勉強、完結明瞭な文章を書く勉強になること請け合いです。
俳句の勉強を再開しようかな。
まずは「夏井いつきの季語手帖365日」で今月の季語をチェックしたいと思います。

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お気に入りその1992~たくさんのふしぎ3

2021-02-12 12:10:24 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ3です。
「たくさんのふしぎ」シリーズ第3弾です。
①「ライオンタマリンの森」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
ライオンタマリンという動物がいます。
ブラジルに住むサルなのですが、数が減って今では500頭しかいません。
そこで動物園にいるライオンタマリンを、野生で生きられるように訓練して野生の森に放すことになりました。
この本では、そうした運命をたどる2頭のライオンタマリンが登場します。
彼らは無事生きのびることができるでしょうか?
=====
かつてブラジルの大西洋側には「東の森」といわれる南北に長い広大な森がありました。
ところが焼き畑農業の拡大により現在では離れ小島のような森がポツンポツンと残るだけ。
貧しい農民に野生動物保護の大切さを訴えても協力してもらえなかったため、その子どもたちに教育を通して訴え、ようやく保護活動が浸透しました。
森の再生と野生動物を増やす取り組みが始まりました。
本書では動物園育ちのライオンタマリンのつがいを時間をかけて野生に戻す様子が描かれています。
エサを獲る、身を守る、テリトリーを守る、ということをひとつひとつ学び、やがて子どもが産まれます。
彼らは無事に生き延びることができたのでしょうか?
本書は23年前も前に書かれており、その後保護活動はどうなったのでしょうか?
調べると意外な事実が明らかになりました。
以下の記事は「ナショナル ジオグラフィック日本版サイト」からの要約です。
=====
ゴールデンライオンタマリンは1970年代に200頭まで減少したが保護活動により2014年に3700頭にまで回復した。
ところが2017年に黄熱病が流行すると30%も減少してしまい、対策として黄熱病ワクチンの投与計画を進めてきたが、現在コロナ禍で中断している。
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本書で取り上げた取り組みがその後大きな成果をあげたことを知りとてもうれしく思いました。
ところが今度は彼らを黄熱病が襲い、さらにコロナ禍と次々困難な状況が訪れていますが、きっと乗り越えてくれると思います。
なおライオンタマリンには4種類いて、本書で取り上げた全身が明るいオレンジ色のはゴールデンライオンタマリンというそうです。

②「熱帯雨林をいく」
出版社の内容紹介を引用します。
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赤道直下のボルネオ島。
この島の熱帯雨林と呼ばれる森には、ものすごい数と種類の生き物がいて、複雑に関わり合いながら生きています。
60メートルもある巨木、自分の中にアリを住まわせる植物、ある花とまったく同じ形のくちばしを持つ鳥などを見ているうちに、生命の持つ不思議と力強さが感じられます。  
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たくさんのふしぎシリーズでボルネオ島について書いたものをこれまで2冊読みました。
「まぼろしの大陸スンダランド」「アリクイサスライアリ」
そして今回3冊目。
すべて著者が違います。
それだけボルネオ島が魅力的だということでしょう。
本書ではボルネオの熱帯雨林を疑似体験できます。
・高い木が光を遮っているため、常に薄暗く、気温も30℃ほどにしかならない。
・日光が弱いため下草が伸びず、道が無くても何とか歩き回ることができる。
・ただし熱帯雨林だけあって湿度はほぼ100%で蒸し暑い。
・たくさんいるはずの動物たちの姿はほとんど目にすることができない。
・多くの動物たちは木々の上の方にだけ枝が茂っている樹冠という場所に住んでいる。
・研究者は高所で観察するために木から木に渡れるように吊り橋をかけるなどして工夫しているが研究はなかなか進んでいない。
・1本の木に殺虫剤を蒔いたら、落ちてきた昆虫の95%が新種だったということもあったそう。
研究者にとって興味の尽きない地であることが良く判る一冊でした。

③「人がねむる 動物がねむる」
出版社の内容紹介を引用します。
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夜、まだ全然眠くないのに、「早く寝なさい」ってベッドに追いやられたことありませんか? 
もしずっと起きていられたら、遊び放題なのに。
でも、もしずっと眠らなかったらどうなるのでしょう? 
はたして眠っている間は、なにもしていない無駄な時間なのでしょうか?  
人や動物のさまざまな眠りをみていきながら、眠りのふしぎに迫ります。
でも、これを読んだら、面白くて眠れなくなっちゃうかも!? 
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冒頭で、動物を眠らせない実験をするとすべての個体が死んでしまったというショッキングな結果が紹介されています。
眠ることは命にかかわる重要なことだと思い知らされます。
眠っている間に脳を休め、修復するのだそうです。
そして動物たちのいろいろな眠りが紹介されています。
猛獣から身を守るために完全に眠ることができない草食動物には、左右の脳を片方ずつ眠らせるものがいるそうです。
横になってぐっすり眠ることができることって幸せなことなのですね。
また体内時計についても触れられていて、人間の体内時計は25時間なのだそう。
なぜ24時間ではないのでしょうか?
季節により昼と夜の時間に差があるのを解消するため、と説明していますがどうも納得できません。
ネットのあちこちで納得できる理由をさがしましたが見つかりません。
ちょっと不完全燃焼気味。
最後に、本書の文章に対してイラストが合っていないことが気になりました。

④「トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ」
出版社の内容紹介を引用します。
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「自分は世界で一番幸せ」……
シベリアにトナカイと移動しながら生活をする遊牧民「ネネツ」の人たちがくらしています。
ひとつの家族で飼うトナカイは1200頭にもなります。
トナカイの肉を食べ、トナカイの皮で着るものやテントを作り、トナカイを売ってお金も稼ぐ、ネネツの家族をおいかけた写真絵本です。 
=====
極寒の地でネネツの家族がどんな暮らしをしているのかを知ることができました。
彼らの神話では、神は大地を創り、そこに住む人を創り、最後に人が暮らしていけるようにトナカイを創ったそうです。
内容紹介にある通り、ここでは人の暮らしの全てがトナカイに依存しています。
食事のシーンで、トナカイの生肉を食べながら、血も飲んでいます。
植物からビタミンを補給できないため、血から補給するのだそうです。
大切に育てたトナカイを売ったお金でスノーモービルや発電機のガソリンを買い、携帯電話やノートパソコンを使う姿も紹介されています。
子どもたちはヘリコプターで寄宿舎に移動して学校生活を送ったり、移動生活の間もパソコンで映画を観たりもしていて外の世界を知っていますが、家族で協力して過ごす遊牧の生活が気に入っているようです。
外の世界がどうであろうと、自分たちが幸せに思える暮らしが一番。
著者がぜひまた彼らを訪ねたいという気持ちが伝わりました。
ちなみにネネツとは人という意味だそうです。
そういえばアイヌも人という意味です。
この大雑把な言葉から、人が生きていくためには人と人以外という区別だけで十分なのだという真理のようなものを感じました。
蛇足ですがウルトラセブンに登場したノンマルトも人(地球人)という意味でした・・・。

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お気に入りその1991~竹鶴政孝パート293

2021-02-10 12:51:17 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート293、スーパーニッカ木箱です。
最近、熱心なニッカファンの方とメールのやりとりをしました。
オールドボトルについての情報交換は久しぶり。
ニッカといえば晩酌でセッションを味わうくらいでしたので、とても新鮮で楽しかったです。
同好の士に刺激され数か月ぶりにヤフオクをのぞくと目を引くものが出品されていたので早速落札しました。
「スーパーニッカを5本収納していた木箱」
箱にスーパーニッカのボトルがリアルに印刷されています。
ラベルのデザインから1977年~1995年に販売された4代目スーパーニッカであることが判りました。
さらに箱に貼ってあるシールを見ると、本社住所が日本橋となっています。
ニッカは1982年に本社を南青山に移転していますので、この木箱は1977年~1982年の6年間のどこかで使われたものと判りました。
調査はここまで。
あとは箱が使われた時代に思いを巡らせつつゆっくり晩酌しました。
その頃といえば・・・。
4代目スーパーニッカが発売される前年の1976年は、竹鶴政孝のブレンダーとして最後の仕事となった鶴が発売されました。
その3年後の1979年、政孝は愛妻リタの待つ天国へ旅立ちました。
今回対象となった6年間に新発売された銘柄は、黒角ニッカ一級、ハイニッカデラックス一級、キングスランド角瓶特級などの高品質ウイスキー、そして当時1万円もした高級ウイスキー、フォーチュン80がありました。
日本経済面では、高度成長期が終わり、バブル景気が始まる前の狭間の時期でした。
この時期は1979年の第2次オイルショックが特筆事項ですが、第1次に比べ軽微な影響でやり過ごすことができた、そんな時期でした。
それにしてもすでに段ボール箱が梱包材として普通に使われていた時代になぜ木箱だったのでしょうか?(1980年の段ボール生産量は現在の8割に達しています)
もしかしたら余市や弘前というリンゴの名産地との深い関わりから、地元の木箱製作会社と長い付き合いがあり、ギリギリまで木箱にこだわったのかもしれません。
こんなことを考えながらウイスキーを味わうのもいいものです。
わが家には他にもゴールドニッカやマイルドニッカの木箱があります。
どちらも今はオールドボトルの保管箱になっています。
今回の木箱は内側がカンナがけされていなかったので、ダンボールをクッション代わりに入れてから同じ役目を果たしてもらおうと思います。
(おまけ①)
先ほど「木箱、ウイスキー、ニッカ」というキーワードでネット検索したところ、olivemomoさんという方のブログにゴールドニッカの木箱の写真が掲載されているのを知りました。
手元の木箱と全く同じです。
そしてその木箱が、olivemomoさんのご実家である静岡県旧清水市の「村松製材製函所」で製作したものだということまで知ることができました。
ということは余市や弘前、リンゴと関りがあるのではないか?という私の推理は大ハズレと判明。
考えてみれば原酒の製造は北海道と宮城、グレーンウイスキーの製造は兵庫、ボトリングは千葉、最大の消費地は東京と、全国バラバラだったのだから静岡から木箱を仕入れていても何も不思議はありません。
(おまけ②)
スーパーニッカ、ゴールドニッカ、マイルドニッカの3つの木箱を比較してみました。
スーパーニッカとゴールドニッカの木箱は黒一色で印刷されていて、持ち手部分は楕円にくぼみをつけただけという点が共通しています。
それに比べ、マイルドニッカは赤一色で印刷されており、持ち手部分は楕円に板を貫通して指が入るように加工しています。
このことから今回のスーパーニッカの木箱も村松製材製函所さんで製作されたものではないかと考えます。
今回はニッカについていろいろ知ることができました。
ファンとしてとても有意義な時間を過ごすことができ、とても楽しかったです。



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お気に入りその1990~ダンゴムシの本

2021-02-08 12:56:10 | 鬼平
今回のお気に入りは、ダンゴムシの本です。
「2040年の未来予測」は読みやすかったけれど内容が硬かったので、思い切り軟らかい本を読もうと思い選んだのが「ダンゴムシの本」。
本書の魅力は何といっても「ダンゴムシの飼い方」を紹介している点。
以前「ミミズの飼い方」を紹介している本を読んでとても楽しかったので期待して読みました。
本書の内容紹介には「もくじ」も含まれています。
「もくじ」を読むだけでワクワクしてしまいました。
=====
ダンゴムシは海を渡ってやってきた! ?
子どもも大人も楽しめる、ダンゴムシづくしの本!
各種類のチャームポイント、探し方から飼い方まで。
実際に採集し、飼ってみた。
掲載写真500点以上!
初公開の生態写真もたくさん。
日本にはこんなにたくさんのダンゴムシがいるんです! 
 <目次>
はじめに~なぜ、ダンゴムシは人気者なの?
1 ダンゴムシって?
 ダンゴムシのからだ
 まるまるダンゴムシ
 ダンゴムシの一年
 ダンゴムシの赤ちゃん誕生
2 ダンゴムシと仲間たち図鑑
 図鑑の見方
 ダンゴムシ
 Column No.1 何の仲間?
 ワラジムシ
 フナムシ
 Column No.2 ヨーロピアンです
 ソノホカ
 まるまる仲間たち
 Column No.3 青いダンゴムシ
3 ダンゴムシを愛でる
 飼育に必要なもの
 ダンゴムシ飼育の基本
 樹上性ダンゴムシの飼い方
 ハマダンゴムシの飼い方
 ダンゴムシの食事
 コンクリがお好き?
4 ダンゴムシを探してみよう
 必要な道具、採集方法
 身近な場所でダンゴ探し
 沖縄でダンゴ探し
 浜でダンゴ探し
 Column No.4 からだの大きさ
5 ダンゴムシが好き!
 ダンゴムシグッズ
 ダンゴムシ本
 ダンゴムシと出会える施設
 あとがき
=====
まえがきに、昆虫は触れなくてもダンゴムシは平気という子がたくさんいることが紹介されています。
虫好きにとっては意外でした。
本書は2013年発行。
2000年ころからダンゴムシに関する絵本や写真集がたくさん発行されていたので、どちらかというとブームの後の集大成という趣がありました。
かわいい写真集であり、国内全種を網羅する図鑑であり、その生態や飼い方のコツを教える指導書でもあります。
ダンゴムシを1種類ずつ紹介するコーナーは、全部がダンゴムシなので退屈かと思ったら、それぞれの特徴がとてもわかりやすく書かれていてとても面白かったです。
つい時間を忘れて読みふけってしまう程でした。
さらにこれまでの記載の間違いを訂正する文章がとても丁寧で好感が持てました。
「第6刷までは〇〇と記載していたが、××という理由でそれは間違いだとわかり、本書(第7刷)の△△が正しい」など。
具体的には、国内の離島一か所にだけ生息すると考えられていたダンゴムシが東南アジアのある国にも生息していたことが判明したため種名を改めた、などという訂正理由です。
残念だったのは、本書には研究途上で未解明と書かれた箇所が多く、子どもたちの研究テーマにもなりそうなのに、フリガナがなくて読みづらいこと。
あとがきに、ダンゴムシに関する書籍は子ども向きばかりなのであえて大人向きとした、と書かれていますが、内容的には子どもも大人も十分理解ができます。
この手の本として実にもったいないと思いました。
とにかく本書は抜群に面白いので、ダンゴムシに少しでも興味がある子どもや大人におススメします!
最後に本書で学んだダンゴムシとその仲間のことを自分用にメモします。
・ダンゴムシの体は14節からできている
 頭部が1節、胸部が7節、腹部・尾部が6節、そして脚は7対
 触角は第1と第2があり、第1は高性能臭覚センサー、第2は弱い視力を補う触覚センサー
・脱皮は前半分と後半分に分けて行う
・水はお尻から飲む
・ダンゴムシの仲間にはワラジムシやフナムシがいる
 身を守るために丸まるものと素早く逃げるものに分かれる
 なおフナムシには陸に済むものもいる
・ダンゴムシのメスは腹の表面に孵化ケースを持ち、子どもたちが孵ってもしばらく保護する
・世界にはカラフルなダンゴムシがいる
・フナムシは海外でも海のゴキブリとして嫌われている
 陸に住む種もいる
・ダイオウグソクムシはイカをムシャムシャ食べる
・カルシウムを吸収するためコンクリートを食べるというのは単なる都市伝説
・現在日本で普通に目にするオカダンゴムシは外来種で、神奈川県から全国に広まったらしい
・ワラジムシやフナムシは丸まることができない
・青いダンゴムシが話題になったことがあるが、あれはウイルスに侵された個体


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お子に入りその1989~2040年の未来予測

2021-02-06 12:22:25 | 鬼平
今回のお気に入りは、2040年の未来予測です。
ノンフィクション書評サイトHONZに、運営者である成毛眞さんの著書が紹介されていました。
「2040年の未来予測」
AMAZONのカスタマーレビューに
「どこかで聞いた話ばかりで目新しいものはなかった」
という厳しい意見もありましたが、その手の話は河合雅司さんのを読んだだけの私にとって、1冊にまとめられた未来像を学ぶことができる良い機会です。
早速読むことにしました。
出版社の内容紹介を引用します。
=====
目次
第1章 テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする
新しいテクノロジーが登場したとき、人間はその普及に反対する
空飛ぶクルマも2040年には可能になる
中国と監視カメラと個人データ
日本の過疎化を救うのは5Gでの診療
ゲノム編集技術で難病の治療に光が見える
再生医療がパーキンソン病やアルツハイマー病を治すかも
風力発電に向かない日本の地形
第2章 あなたの不幸に直結する未来の経済ーー年金、税金、医療費
国の財源は、私たちの社会保険料からまかなうしかない
すべての問題は、高齢者が増えること
70歳まで働くなら、今と同じ額の年金はもらえる
日本のGDPはお先まっくらなのか
これからの時代はテクノロジーよりも政治が株価を決める
第3章 衣・食・住を考えながら、未来を予測する力をつける
遺伝子編集した魚を食べないともうもたない
マンションの価値は下がる
日本では学歴の意味がなくなる
貧しくなる日本にシェアリングは不可欠
第4章 天災は必ず起こる
南海トラフ地震の際は、日本中で地震が連動して起こる可能性が高い
温暖化によって戦争が起こる
「水」が最も希少な資源になる
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とても読みやすい文章なのでサラサラ読めました。
第1章には、最新のテクノロジーが少子高齢化の日本を救うと書かれています。
過去10年、20年、30年のテクノロジーの発達を実例にして、その発達スピードは今後ますます速くなるため、自動運転どころか空飛ぶ車の実現は当然と断言します。
過去の延長としての未来を具体的に説明していて受け入れやすかったです。
第2章は、社会保険料の危機的状況について書かれています。
日本の国が抱える借金は随分多いとは知っていましたが、国民一人当たりに換算した金額が世界一であり、双子の赤字に苦しんでいるアメリカの二倍にも達することを知りました。
年金制度の維持について不安が増した章でした。
第3章は、食と不動産価値の将来について知りました。
第4章は、東南海地震、巨大台風、想定を超える豪雨、富士山噴火などの自然災害が次々語られています。特に東南海地震では復興を疑問視したくなるほどの被害が出ることを知りました。
多方面にわたる未来像を一気に読んだため、記憶に残ったのはごくわずか。
自分に関りの深いところだけでも再読して押さえておきたいと思います。
あとがきに印象的な助言が書かれていました。
「世界や日本の行く末を案じても何もできないのだから、わが身の安全を最優先に考えて対処しなさい」
肝に命じたいと思います。

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