鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2220~超圧縮 地球生物全史

2023-04-10 12:54:48 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「超圧縮 地球生物全史」です。

面白そうな本が目に留まりました。
内容紹介を読むと最近読んだ「深海学」や「あなたの体は9割が細菌」にどこか近いものを感じます。
その2冊は最新の科学的知見が次々出てくるため、内容がとても興味深いにもかかわらずなかなか読み進まなかったのを思い出しました。
本書は400ページもあるのでその2冊以上に読むのに時間がかかるかもしれません。
面白そうでも分厚い本は敬遠しがちです。

いつもならここで内容紹介を引用するところですが、長いので文末に置きます。

本書は太陽が誕生し、地球が誕生するところから始まります。
そして生命が誕生します。
環境に合った多様な生物が次々と現れます。
その後何度か大陸移動による火山活動を主な原因として生命の大量絶滅が起こりますが、生き残った少数の生物たちにより命は引き継がれていきます。
生命史は目の前で繰り広げられるが如くリアルに書かれてます。
最新の知見で未解明の箇所については著者の推測を交えて書かれています。

本文と注釈の両方にしおりを入れて、往復しながらの読書ですが、知らない生物の名前が山ほど出てくるため、なかなか理解が進みません。
できれば紹介されている全ての生物の絵や簡単な解説を添えて欲しかったです。
ただそんなことをしたらページ数と値段が2倍に跳ね上がり、ここまで普及しなかったことでしょうね。

著者はもしかしたら恐竜好きなのかな?と思うほど、恐竜の身体機能の優位性を熱く語っていました。
・脚が真下に位置することと重心を腰に置いたことで二足歩行が可能になり、両手が使えるようになった
・小型恐竜は体温を保つため羽毛が厚くなり、さらに身を守るため樹上生活が多くなったことから滑空能力や飛行能力を得た
・哺乳類よりも呼吸効率の高い気嚢システムを持っていた

ちなみに滑空の件で、猫の身体能力について書かれていたことで驚いたのでご紹介します。
「高層ビル症候群」というものです。
マンハッタンでは猫が高層ビルから落下する事故が多いのですが、32階から落ちてもアゴと胸をケガするだけで済むことがあるそうです。
空中で脱力姿勢をとることで空気抵抗が高まり、9階以上では終端速度に達し、それ以上落下速度が上がらない為、大怪我をせずに済むのだそう。
その生存率が90%というのも驚きです。
また8階までは高さが増すごとにケガする箇所も増えるそうです。
高いところに登る習性があるから落下への対応が備わっているとはいえ桁違いの身体能力だと思いませんか?
なおネットで調べたら高所落下症候群という名前で載っていました。
ご興味のある方は追加で調べてみてはいかがですか?

ここまでで前半終了です。
後半は哺乳類が登場するはず。
楽しみにしています。

なお本書を読んでいてひとつ気になったのは著者は動物に重きを置いており、植物や菌類が軽く書かれているように感じたことです。
例えば石炭紀が終わった理由が、菌類の進化で植物を分解する能力を獲得したためであることを書き添えると良かったと思います。

最後に内容紹介を引用します。
=====
☆絶賛の書評続々! 売れてます!3万5000部突破!!
【書評、メディア情報】
☆「読売新聞 2022/11/13」「本よみうり堂」にて書評掲載。「とんでもないスケールの本が出た。タイムマシンに乗って、地球上の生物の全歴史を一気に観光旅行した気分になれる。(中略)生命の誕生から5回の大量絶滅を経て我々ホモ・サピエンスが誕生するまでの流れは、奇跡と感動の連続で、本当に「読み終わりたくない」と思わせる数少ない本であった。」西成活裕氏(東京大学教授)
☆「プレジデント2022年11/4号」『新刊書評』にて紹介。「もし一度でも生命が途切れていれば、評者も読者もここに存在しない。こうした長い歴史を「超圧縮」したきわめて面白い読み物が出た。」(京都大学名誉教授・鎌田浩毅氏)
☆「WIRED.jp」「年末年始に読みたい、2023年のパラダイムシフトに備える10冊:WIRED BOOK GUIDE」にて紹介。「まるで千夜一夜のように果てしなく繰り広げられるサイエンス最前線の物語に、最後まで息がつけない。」(本と人をつなぐ「読書室」主宰・三砂慶明氏)
☆「産経新聞2022/12/25」「令和4年 私の3冊」にて紹介。「まるで地球の過去と未来を見てきたような文学的な表現が光る。」(サイエンスライター・川口敦子氏)
☆「週刊新潮 2022/10/20」にて紹介。「悠久のドラマに夢中になり、地球生物どうなるんだ!?と一気読みしてしまった。」(ライター・篠原知存氏)

☆王立協会科学図書賞(royal society science book prize 2022)受賞作☆
ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)超絶賛!!
「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」
「地球の誕生」から「サピエンスの終末」まで。全歴史を一冊に凝縮!
地球誕生から何十億年もの間、この星はあまりにも過酷だった。
激しく波立つ海、火山の噴火、大気の絶えまない変化。
生命はあらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返した。
ホモ・サピエンスの拡散に至るまで生命はしぶとく生き続けてきた。
本書はその奇跡の物語を描き出す。
生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書!
=====


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お気に入りその2219~週刊少... | トップ | お気に入りその2221~たくさ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

鬼平・竹鶴以外のお気に入り」カテゴリの最新記事