現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

グードルン・パウゼヴァング「おとぎ話の時間」そこに僕らは居合わせた所収

2017-07-08 09:46:59 | 作品論
 担任の先生は、いつも「おとぎ話の時間」に、お話をしたり本を読んでくれました。
 ある日、先生は恐ろしいユダヤ人の歯医者が、私たちとおなじぐらいの年の女の子を襲う(強姦とか婦女暴行を想像させました)話をしました。
 この話は、私たちにユダヤ人の恐ろしさを植え付けました。
 戦後何十年もたって、ドイツ中で同様の話が子どもたちにされたことを私は知り、教育の影響の恐ろしさに気づかされます。
 戦争中に日本でも、「鬼畜米英」という形で徹底的に敵国の残酷さを教え込まれました。
 当時の児童文学作家たちも、そのお先棒を担ぐような仕事をした人たちもたくさんいました。
 またこれらは過去のことではなく、「仮想敵国」に対して誇張した憎しみを持たせるためのプロバガンダは、ネット上などで今でも世界中のあらゆる国で行われています。
 日本でも韓国や中国との間で、お互いにこのようなプロバガンダが、ネットだけでなくメディアや書籍などでもなされていることはご存じのとおりです。

そこに僕らは居合わせた―― 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶
クリエーター情報なし
みすず書房

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シンポジウム 「児童文学の... | トップ | 日本児童文学者協会編「作家... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品論」カテゴリの最新記事