現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

プリティ・ウーマン

2021-01-19 17:35:03 | テレビドラマ

 1990年公開のアメリカ映画で、リバイバル・ヒットしたロイ・オービソンの主題歌とともに日本でも大ヒットしました。
 ロサンゼンルスのコールガールが億万長者に見初められるシンデレラ・ストーリーですが、彼女の純真さに億万長者の方も精神的に救われる話にして、うまくバランスを取っています。
 ジュリア・ロバーツの魅力を全開させるための映画と言っても過言でなく、こうしたマイ・フェア・レディ的なストーリー(「マイ・フェア・レディ」主演のオードリー・ヘップバーンにはこの種の作品が多く、「ローマの休日」(この場合は逆方向ですが)、「麗しのサブリナ」(その記事を参照してください)、「パリの恋人」などがそうです)は、一人の女優の魅力を多面的にファッショナブルに表現するのに適しているようです。
 ジュリア・ロバーツが、コールガールのセクシーなファッションから、エレガントなカクテル・ドレス、スポ−ティなファッション、フォーマルなイブニング・ドレスなど、まるでファッション・ショーのように様々な衣装を楽しませてくれます。
 身長175センチのモデル体型なので、どのような服を着ても最高に似合うので、女性ファンだけでなく男性ファンも魅了されます。
 ただし、時々挿入されるラブシーンには、ボディダブル(替え玉)が使われたそうです。
 それにしても、ラストで白馬の騎士よろしく彼女にプロポーズをしに行くリチャード・ギアを見ると、彼の出世作の「愛と青春の旅立ち」(1982年)の有名なラスト・シーン(空軍パイロットの学校を卒業直後に、彼を諦めていた女性に、彼女の勤め先の工場で軍服姿のままプロポーズして、抱き上げてそのまま工場を出ていきます)を思い出さざるを得ません。
 そう言えば、その映画の主題歌も大ヒットして、アカデミー歌曲賞を受賞しています。
 これらの作品のような男女の役割を固定化(男性が主で女性が従)した映画は、ジェンダーフリーな現在はもちろん、1950年代から1960年代の女性の自立が叫ばれていた当時のアメリカでは難しかったと思われますが、当時(1980年代)は日本がバブルだった時期で逆にアメリカ経済は不調でジェンダー観の揺り戻しがあったようです(景気とジェンダー観の変化の関係については、関連する記事を参照してください)。


 

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