現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ウルズラ・ヴェルフェル「ハンネスがいない」灰色の畑と緑の畑所収

2017-01-30 08:06:37 | 作品論
 ハンネスは、クラスの中でまったく目立たない子で、友だちもいません。
 遠足の帰りに、先生がハンネスがいないことに気がつきます。
 クラスの誰も、遠足の間にハンネスがいたかどうか記憶がありません。
 先生とバスの運転手が、ハンネスを探しに行きました。
 バスの中で待つ間に、初めは全く無関心だったクラスメートたちも、だんだんハンネスのことが心配になってきます。
 ハンネスが先生たちと無事に帰ってきたときに、みんなはハンネスもクラスの一員だったことを認識します。
 地味でまったく印象に残らない子も、かけがえのない仲間だということを認識をすることは、古今東西にかかわらず、人間としての結びつきの第一歩でしょう。
 ただ、この作品の場合、やや図式的で物語としては物足りません。

灰色の畑と緑の畑 (岩波少年文庫 (565))
クリエーター情報なし
岩波書店

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