1914年にアイスランドで書かれた「ノンニとマンニ」を、在アイスランド臨時代理大使だった人が翻訳して、2008年にノンニ(ヨーン・スウェンソンのニックネームでもあります)訪日70周年記念として出版された絵本です。
私がこの本を読もうと思ったのは、幼いころの愛読書であった講談社版少年少女世界文学全集に収録されていた「ノンニの冒険」(実際は1927年に書かれた「島での冒険」の抄訳だったようです)の完訳版を読もうと思ったからです。
残念ながらその本の完訳は日本では出版されていなかったようですが、代わりにこの新しい本にたどり着きました。
この本自体は絵本なので短い物語(ノンニと弟のマンニが、ボートで海へ釣りに行き、釣りに夢中になっているうちに引き潮で沖に流され、通りかかったフランスの軍艦に救助されるというお話です)ですし、作者が神父から作家に転向して間もなくだったのでまだ宗教的な要素が強く、幼いころに読んだ波乱万丈の「ノンニの冒険」を期待していた自分にとっては、やや物足りない物でした。
しかし、アイスランドで2007年に出た新しい本の挿絵が、そのままふんだんに使われた美しい絵本に仕上がっています。
また、この本を通して、私の幼いころの友だち(?)の一人であるノンニ(ここでは登場人物の方)が故郷のアイスランドでは今でも読まれ続けていることや、ノンニ(ここでは作者の方)が1937年に来日して一年も滞在し、日本中を講演(主にキリスト教系の学校で)して回っていたことや、ノンニ(ここでは両方)のおかげでアイスランドの人たちが非常に親日的であることなどを初めて知り、とても嬉しく思いました。
ノンニとマンニのふしぎな冒険 | |
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出帆新社 |