レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

コロッセオの誤解 来年(?)の新刊情報

2018-04-15 07:03:23 | ローマ
 「NHKクラシック」
教育テレビ、いやEテレまたはNHK総合またはNHK・BSプレミアムで放送する「名曲アルバム」。ずいぶん長いこと見ているし、録画もしているので、当然ながら、去年も見たというものはたくさんある。どうせ保存するディスクは違うのだし、同じものがあってもかまわんけど。
 レスピーギ『交響詩 ローマの祭り』 これは少なくとも私は初めて見る。 
 以下、画面のナレーション。

 永遠の都ローマ。
 イタリア近代の作曲家レスピーギはローマの歴史を音楽で表現した。
 『ローマの噴水』『ローマの松』に続く三部作最後が『ローマの祭り』。
 その第1曲『チルチェンセス』は古代の円形競技場の残酷な祭典がテーマ。
 音楽が表現するのは血を求めて歓声を上げる群衆 
 そして猛獣のうなり声と殉教者たちの祈りである。
 紀元80年に建てられたコロッセオは5万人以上の観衆を収容する大競技場
 ここで、猛獣と人間の戦いが見世物にされた。
 皇帝ネロはローマを襲った 大火をキリスト教徒の仕業にした。
 そして処刑のために彼らを競技場に引きずり出し猛獣たちの餌食にしたという。
 皇帝を拝礼しないキリスト教徒はその後も弾圧を受け続けた。
 しかし313年ついにローマ帝国がキリスト教を公認
 ローマにはカトリックの総本山聖ピエトロ寺院が建てられ
帝国の崩壊後も信仰を集めて栄えた。
 遠い昔の殉教者たちに思いをはせつつ今日も多くの人々がローマを訪れる。

 引用終わり。この説明の間ほとんどコロッセオが画面に映っている。
(コロッセオ前の白い箱(?)にウェスパシアヌスの顔が描かれているのはなんだろうか。ラテン語で「神君ウェスパシアヌス」と添えてある)

 「紀元80年」とは書かれていても、ローマの大火とキリスト教徒虐殺が64年だったことなんてこれを見た人の大半は知らないだろうから、コロッセオで行われたかのような印象を持ってしまうに違いない。ありがちな間違いではあるが。


 これに比べれば罪のないことだけど、
 
何年も前、カエサルに関しての番組だったか、カエサルが兵士の糧食に気を配ったという文脈で、専門家が「カエサルはとても洗練された人でした」と語っていた。これだと、カエサルがグルメだったみたいに誤解されるよ、とひっかかった。


追加。これの前の記事に添えられた、常連サラさんのコメントから、ローマ寄りの情報なのでこちらに移します。

鬼が大笑いしそうな、早くて来年、遅くなったら再来年の話です。
John Williamsの「Augustus」邦訳が出るみたいです(作品社のツィッターへリンク↓)。

https://twitter.com/sakuhinsha/status/984590548911575040

わたしの記憶では、John Williamsの「Augustus」は、書簡とか日記形式で、リウィアは悪女よりの描き方だった気がします。夫(アウグストゥス)側の言い分では、当初の愛は冷め、政治的なパートナーとして暮らしてるとか。あと、ユリアについての描写にページを割いていたかと。

英語なので理解に粗があると思います。

とりあえず、アウさん本が出ることを喜びます。
「新しい邦訳情報」

引用終わり。
コメント
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