映画的・絵画的・音楽的

映画を見た後にネタバレOKで映画を、展覧会を見たら絵画を、など様々のことについて気楽に話しましょう。

Plastic City

2009年04月05日 | 洋画(09年)
 「Plastic City」をヒューマントラストシネマ渋谷で見てきました。

 この映画は、オダギリジョーが出演し舞台がブラジルだということで、是非見てみようと思っていました。

 主演のオダギリジョーは日系ブラジル人に扮し、香港映画のアンソニー・ウォンが演じるブラジル・マフィアの義父(育ての親)との葛藤が描かれています。
 監督も香港映画界の人ですから、かなりの会話が中国語で、ただ現地人との間ではポルトガル語になります。

 オダギリジョーは、先般の韓国映画「悲夢」では日本語で通していたところ、この映画では中国語とポルトガル語を操ります。中国語の方はわかりませんが、ポルトガル語の方は、よく勉強してはいるものの、やはり棒読みに近い感じではないのかと思いました(とはいえ、モウ殆ど忘れかけているポルトガル語のことですし、あるいはアフレコのせいなのかもしれませんし〔劇場用パンフレットによれば、クランクアップ後3ヶ月ほどしてからアフレコを行っています〕、実にいい加減な感想に過ぎません)。

 この中国映画に日本人俳優が使われたのは、日系人が主役のせいだからでしょう。とはいえ、日本語は一切話されないのですから、格別日本人である必要はありません。それに、裏社会で蠢く日系人を演じるにしては、オダギリジョーは色白で優男過ぎます。
 「悲夢」といいこの作品といい、総じて、外国映画に出演するオダギリジョーには違和感を感じてしまうところ、しかし現状に飽きたらずに様々な場所で様々な経験を積んでみようとする彼の意欲は大いに評価すべきで、やはりこれからもサポートしなければと思っています(邦画では、「転々」は良かったと思いますが、「たみおのしあわせ」はイマイチの感がありました)。

 一方の、アンソニー・ウォンは実の存在感のある俳優で、一匹狼的にマフィアの世界を生き抜いている感じが良く出ているのではと思いました。

 映画自体は、日本ではない日系社会で暮らす日系人の青年という存在、その青年と実の父親ではない男性との葛藤、彼らが裏社会で取り扱っているのが偽ブランド商品、などなどという具合に、様々なレベルで本物と偽物の関係を取り上げ、決して一筋縄では把握しきれないように描かれていて、それはそれで大変興味深い仕上がりになっているな、と思いました。

 なお、冒頭にアマゾン奥地の光景が描き出されるところ、大きな看板に[Aqui Começa o Brasil」(ここからブラジルが始まる)と記されているのを見て、久しぶりのポルトガル語だなと、それだけで感激してしまいました!


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