アラカン新米ママの東京ぐうたら日記

45歳でできちゃった婚、46歳でいきなりシドニー移住&出産、東京に戻り、右往左往のままはや娘は10歳を過ぎ・・・。

山形国際ドキュメンタリー映画祭で家族旅行、そしてちょっと考えた。

2017-10-14 12:51:45 | 日記

「弟」と山形で合流したよ〜!

今年初めて、山形国際ドキュメンタリー映画祭で通訳させていただきました。


ネットよ借用。今回の受賞者たち、おめでとうございます〜!

山形駅に降りるのも生まれて初めてでしたが、改札をでた途端に「山形国際ドキュメンタリー映画」のデスクが
ど〜んと構えていて、町ぐるみの映画祭だと実感しました。


受賞作の一つ、香港の雨傘革命を細かく追った「乱世備忘-僕らの雨傘運動」のシーンより。

山形の目抜き通りを中心に、市民会館、中央会館、山形美術館、フォーラム映画館など、それぞれ徒歩15分くらいずつの距離に、
上映会場があり、つらつら歩いていると、映画祭関係者によくぶつかります。


会場の一つ、市民会館。

ポスターもあちこちに貼ってあり、それほど大きくない町全部が映画祭会場になったようなアットホームな感じです。


そこで働く(?)バクちゃん。

15年くらい通訳させていただいている東京国際映画祭も、渋谷がメイン会場だった時は、渋谷駅から東急文化村までの道のり、
映画祭関係者がたくさんいて、渋谷の一部がそのまま映画祭になった感じがして、楽しかったことを思い出しました。


これから新幹線に乗るよ〜!

映画祭中、私は5日間滞在し、最後の1泊2日、娘と夫がジョインしました。


会場の一つ、フォーラムにて。映画見なかったけど(笑)!

映画祭に誘ってくれた通訳仲間のお友達も同様に息子さんとパートナーが途中から遊びに来ました。
娘が「東京の弟」と読んでいる2歳の男の子、半年以上ぶりに会ったら、ものすごく成長していて、びっくり!


お蕎麦屋さんではしゃぐ「姉弟」。

通訳やっているママたちは結構忙しく仕事をしていたので、パパ同士、子供同士で遊んでもらいました。


芋煮会で、むしゃむしゃ。

途中みんなで一緒にご飯食べたり、ダブル家族旅行みたいで楽しかった〜!


赤提灯で、お店のお兄さんと仲良くなったよ。

ただ、仕事としては、量、質ともに、かなりハードでした。
ドキュメンタリー映画祭ということで、世界中の紛争やら様々な差別、抑圧などいろんな問題を掘り下げた作品が多く、
普段はぼーっと過ごしている私には、かなり頭と心が揺さぶられる経験でした。


カウンターで親父さんとおしゃべり(笑)。

私が担当した作品の中で「Mogadishu Soldiers モガデシュ・ソルジャー」というタイトルの映画は、ソマリアの首都モガデシュでの内戦、政府軍を支援するアフリカ
連合に参加する実際の兵士にカメラを渡し、内側から1年撮影するという貴重な映像をまとめたものでした。



大人たちに誘拐され、洗脳され、操作され、テロ軍も政府軍もほとんど少年兵同士が戦っている現実、連合軍は平和維持peacekeepingという名の下に
派遣されているが実際は武器を使って殺戮を犯している peacemakingを行なっている現実、でも広報が検閲して兵士たちは建前を強要されるCNNでのインタビュー
など、普段のテレビ、新聞では見ることのできない映像を目の当たりにして、かなりの衝撃を受けました。


これも受賞作の一つ、「翡翠之城」。ミャンマーにおける翡翠ラッシュを描く

今回、山形国際ドキュメンタリー映画に来る前に、うちに遊びに来てくれた人たちと話をして、生まれつき、が環境よりずっと大きいのかも、
と思いましたが、それはあくまでもかなり恵まれた環境下にあるから言えることなんですね。選ぶ自由がある、選択肢がある。まあ、
そういう環境に生まれたことも、「生まれつき」なのかもしれないけれど・・・。


駅ビルでポーズ。

ドキュメンタリー映画に描かれた過酷な現実を見ると、生まれつきの資質や才能よりを凌駕する環境の力を見せつけられます。
ただ、そういった状況もやがて変化し、より良い状況になっていくこともありますし、悲惨な状況から抜け出す努力が実る人々もいます。


山形のマスコットと共に。

まだうまく頭がまとまらないままに、東京に戻り、風邪をこじらせて中耳炎、咳喘息になった夫の診察、検査に通訳兼付き添いとして同行し、
娘がらみのイベントに付き合い、自分の鍼治療に通い、さらにこれから始まる仕事の準備に追われています。


ママの口紅のキスマーク。

ただ、いまだにはっきりと感じているのは、この映画祭の「熱さ」です。大学生の合宿みたいだな、と新鮮に思いました。

ドキュメンタリーを作る仕事は、おそらくあまり儲かりません。
でも何かを伝えたくて作り続ける人たちが世界中から集まり、それをわざわざ山形まで見にいく人たちがたくさんいる。
町おこしもあるのでしょうが、町全体が映画祭を温かく見守っている。
そこにいること、少しでも関わっていることの暖かさ。


パーンチ!

娘は、映画祭の作品は見ていませんが、「弟」と一緒だったのが楽しかったらしく、また町を歩くと知り合いにぶつかり立ち話が始まる
映画祭全体のアットホームな雰囲気もよかったのか、「今度はもっと長く山形に行きたい!」そうです。
次回は2年後、ま、また考えましょ。