クラコフの旧市街の夜
初めて娘と離れての旅行、なんだか妙に寂しい上に、午前10時過ぎに出発するはずが、レンタカーのトラブルで午後4時過ぎに出発となり、不安な気持ちで始まったクラコフへの旅ですが、夜9時過ぎに到着した旧市街はものすごく広くて、ものすごく活気があって、薄暗くライトアップされた建物がとても美しくて、「わあ!!来てよかった〜!!」としみじみ思ったのでした。
たくさんの屋台(?)、賑わってます。
思った以上に広大な広場、雰囲気は違いますが、「世界の半分はそこにある」と言われたイランのイスファハーンの広場を思い出しました。
真ん中にあるのが、教会とか市庁舎といった尖塔のある建物でなくて、長くて広い織物会館だった、というのもあるかもしれません。
旧市街の中心にある織物会館
17世紀にワルシャワに遷都するまで、ポーランド王国の首都であったクラコフは、ポーランドの都市にしては珍しく戦火を逃れ、昔の姿をそのまま
とどめているます。その歴史的価値によって、1978年に最初に登録された世界遺産12箇所の一つに選ばれたわけです。
夜も馬車は行く・・・
戦火でほぼ壊滅して、新しい建物が多い、新しい首都のワルシャワは東京みたい、古い首都で戦火を逃れたクラコフは京都みたいだ、と夫が
言っていました。ただ東京は、ワルシャワのような歴史地区はないですが・・・。
チョコレート屋さん
チョコレートでできた「工具」
ワルシャワは広くて、観光スポットが点在しており、また数も多いので見切れませんでしたが、クラコフは壁に囲まれた旧市街、そのほぼ隣にある旧ユダヤ人街のカジミエシュ地区などの歴史地区にほぼ見るべきものが固まっているので、こじんまりと歩きやすいです。
上から見た旧市街
昼間の旧市街も賑わってます
巨大なパン!
織物会館の中のアーケード。ここもちょっとオリエンタルな香り。
聖マリア教会、圧倒される装飾、ややオリエンタルな色合いです。
なんとなくオリエンタルな雰囲気があるのは、ポーランドがタタール人やオスマントルコに攻められたことと関係してるんでしょうか・・・?
マリア様の物語が木彫り担っている聖壇、ヨーロッパ最大で国宝。
京都でいうと二条城のようなヴァヴェル城の中はいくつにも分かれていて、チケットがそれぞれ別に売られているのですが、ものすごく並びます!
ぐうたら観光客の私たちは昼過ぎに行ったのですが、長蛇の列に驚いて、別の日に出直しました(笑)
朝一番に行っても30分くらい並びましたですよ。
ヴァヴェル城。
夫はこれまで数回クラコフを訪れたことがある、というので、頼っていたのですが、最後に訪れたのが11年前で、これほど
並ぶことはなかった、と驚いていました。一番人気の、寝室などは、チケットがすでに売り切れていて見れませんでした・・・。
ヴァヴェル城の中庭
さすが世界遺産に最初に登録されただけのことはあります(笑)。観光客の数が違う!
旧ユダヤ人街、カジミエシュ地区のカフェ
旧ユダヤ人街のカジミエシュ地区には、古い建物がそのまま可愛い、おしゃれなお店、雰囲気のある酒場になっています。
壁の絵も可愛い
昔のニューヨークのイーストヴィレッジみたいな感じ、と思いながら古着屋さんや雑貨屋さんなどをチェック。
おしゃれなカフェ・ワインバー
軽くお酒を飲んで何か摘もうと思って、Resto&Barと書いてあるお店に入りました。
すごい量のアンティパスト盛り合わせ!
このResto&Barという名前、あちこちで見かけました。
カフェとかワインバーとかビストロを足して3で割ったような感じ??
怪しい雰囲気の酒場にあるミロンガ
カジミエシュ地区にミロンガがありました。半分タンゴ、半分違う曲でヌエボを踊る、割と上手な人たちが集まっていました。
暗くて見えませんが、小さなステージがあるPod Baranamiでのミロンガ
旧市街にあるPod Baranamiというお店は、夫も「知ってる!有名だよ!いろんな人が歌を披露するところだよね」というシアターバー(?)
で、14世紀の建物の中にあります。ここでミロンガがありますが、大学生がメインなので、今は夏休みでほとんど人がいませんでした。
しばしの別れにカードを作ってくれた娘。
今回のクラクフ旅行中、一回だけ娘と電話で話しました。
私たちがいなくて寂しい、のではなくて、早く友達の沢山いるプチェムクフに連れて行ってくれ、と泣きながら訴える
電話でございました(笑)。
工場跡・・・?
クラコフに住んでいる、夫の甥っ子の友達が、「チェックすべきお店3つ」リストアップしてくれました。
バーや屋外映画場などが集まっているエリア
古い工場を使って、バーとかレストランとか屋外映画場とかステージなどにしているSamo Zという場所、おしゃれな若者が
たくさんいて、賑わっていました!
元工場がバーになってます
なんともかっこいいスペースなんですね〜。こういうところ、好きだな〜。
http://www.studioqulinarne.pl/studio-qulinarne/
オススメのもう一軒は、元バス倉庫を利用したレストラン、Studio Qulinarne。
おしゃれで美味しく、量もちょうどいいという、私たちがこれまで訪ねたポーランドのレストランの中では珍しいお店です(笑)。
アミューズの牛のパテにラズベリー。
貝柱に青豆、ゆず風味のソース、りんごのツマがのってます
スモークサーモンにクリームチーズ、ディルのソルベ
鱈とタコ、インゲンと大麦のソース
仔牛にシャンテレル茸
デザートのラズベリーシャーベットとパンナコッタ。
大満足!
最後は、フォーラムなんとか(名前忘れました!)というところ。
暗くて見えませんが、誰も使っていないホテルに巨大なビルボード。
住所を見ると、川岸です。でも見えるのは、打ち捨てられた巨大なホテルのみ・・・。_
そばに行ってみたら、車がたくさん。ドイツの観光バスも数台。
リバーサイド・バー
明かりがある方に行ってみたら、あらら、人がたくさんいます。ホテルの受付だったところがバーになり、川岸に
砂利が敷かれてビーチ(?)になり、デッキチェアーが置かれて、ビアホールというかビーチ・バー??
クラコフ現代美術館も他の元工場エリアにあります。
映画「シンドラーのリスト」のシンドラーの工場だったところに、シンドラー記念館があります。このエリアは、工場地帯だったようで、
他にも現代美術館やおしゃれなレストラン、ワインバーなどがあります。
シンドラーの工場だったところ。今記念館。
川岸のバーで一息ついた後、この元工場エリアを歩いてみました。たまにおしゃれなマンションが建っていたりしますが、まだまだ
がらんとした元工業地帯。そんな中におしゃれなお店がポツリポツリ。
こんなお店もあったりして。
黄色い光の中、お店は全て閉じていますが、危険な感じはなく、たまに人が散歩していました。
現代お伽噺の中にいるような、不思議な雰囲気なところでした・・・。
地下130mの元岩塩坑の広場。コンサートや結婚式も開かれるそうな。
クラコフの近くには、もう一つ1978年、最初に世界遺産に登録された12箇所の一つ、ヴィエリチカ岩塩坑群があります。
13世紀からつい最近、1996年まで岩塩を採掘しており、廃坑になっていないものとしては世界最古の製塩企業だそうです。
観光客向けの 3.5 km の坑道で、歴史上や神話上の様々なモチーフを象った彫像が並んでいるのが圧巻です。
壁に彫られた様々なキリスト教モチーフのレリーフ。
壁のレリーフや、チャペルの彫像は坑夫たちが信仰のために岩塩を彫り上げたものだと聞きました。
命の危険を伴った作業を続ける中で、必要だったんだろうなあ・・・。
岩塩、美しいです。
コペルニクスやゲーテ、ショパン、最近の人だとビル・クリントンなどたくさんの有名人も訪れたそうです。
岩塩水(?)の噴霧される中で、一息。
娘がいないのが寂しいと思ったのは最初だけで(笑)、昼も夜もあちこち歩いて、見て、食べて、ついでに踊って、足が痛くなりました(笑)。
ポーランドの歴史は長く、複雑で、教会やお城を見学するたびにそれを思い出させられます。
ポーランドについて全く無知でしたが、かなり今回の旅行で集中講義を受けた感じで、頭も心もいっぱい、いっぱいな感じです。
帰りのドライブ中の風景、平原が続きます。
義姉の家までクラコフから4時間ちょっとのドライブです。
「途中に古城があるから見ていく?」と夫が提案してくれましたが、お城も教会も、もうお腹いっぱいで、これ以上入らない(笑)。
帰宅ドライブ中の夕焼け。
さらに今回はレンタカーで、新車なので、エアコンも聞き、揺れも少なくて快適です(笑)。
寄り道せずにまっすぐ帰りました。
さて、あと数日で日本です。
残すは、夫の家族15人くらい集まってのディナーを作ることと、プチェムクフの婦人会で日本の話をすること。
うまくいきますように・・・。