出張先にネット環境があると(最近は圧倒的にある場合が多いが)ブログの更新もスムーズ。
詰将棋ネタばかりだと次の将棋大会の結果がちょっとひどくなりそうなので、今回は別に豊島の将棋という本を持ってきた。自戦記集なのだが1局目の将棋に鋭い手があったので、ちょっといっしょに考えてみてください。(解答は、最後に)
序盤・中盤・終盤隙が無いよね。(NHKトーナメントですっかりおなじみになった豊島将棋に対するキャッチフレーズ)
先手▲豊島7段 後手△田村6段
ここで どう食いつくかという局面ですが起死回生の1手がありました。なかなか気が付きにくい一手です。ちょっとお考え下さい。
ちょっと話は、将棋から離れますがヤフーニュースや仕事上 国会中継を見ていると自民党が原発再稼働を前提に進めています。
この前 読んだ本でちょっと衝撃的な本がありました。若手官僚の告発本ともいえる作品。
原発ホワイトアウトという本です。
内容は、ノーベルとされていますが実在する人物をちょっともじったものやそれとなく誰かだかわかるように書かれています。
原発から生み出される金のなる木から、政官財がひとつになっています。これを見るとどうして与党が再稼働ありきというのもうなずけます。(廃棄物処理費や廃炉にかかる費用を含めればあきらかに割高なのは明白だが。)
原発反対デモがどのようにして切り離されていったかも詳しく書かれています。ちょっと内容が衝撃的で、よく書いたなという気がします。勇気に感心。アマゾンレビューもものすごいレビュー数になっている。
民主党が政権を取った際 どうしてうまくいかないかも書かれていました。再稼働に慎重な県知事に対する圧力、攻撃いろんなことが書かれています。
いま 東京都知事選挙の真っ最中ですが、原発が争点になるとまずい与党。貿易赤字が輸入燃料が増えたという事実を大きく報道して再稼働に持っていきたいと思っているようです。
正直 長い目でみれば原発即ゼロが望ましいと思います。確かに雇用や問題もたくさんありますが小泉さんのようにいま大きく舵を着ることであとから付いてくるという演説に拍手。
今回の選挙は与党が勝つかもしれませんが原発を動かすようでは、遠い将来に希望はないように個人的には思います。(この本が警鐘していた 高圧の送電線鉄塔の耐久年数の問題も侮れない問題)
原発事故意外だと時間が経つと復興は始まりますが原発事故が起こると復興どころか修復にさえどれだけかかるかわからないのをチェルノブイリで目の当たりにしているはずだったのに。
あくまで個人的な意見だが 細川候補+小泉元総理 それに軍師の古賀茂明氏の善戦を期待したい。選挙は東京都民の決めることだからどうしようもないが。
話を将棋に戻します。
ここで豊島7段の勝負手は、▲5三銀でした。
この手は、△同金と取られて読みを打ち切りそうですがそこで▲4二香が必殺手。この3手が読めれば正解。だから後手も△4四歩と桂馬をはずしましたが▲4二銀成以下先手勝ち筋。(実戦は、▲5四金と誤ったようですが)
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最初の局面に至るまでの経緯をすこし説明します。
後手が7三の銀を△6四銀と上がったところです。
ここで▲4四桂△3一王▲9一飛成△5一歩▲8二竜△6五銀▲同金△5七角と進展したのが冒頭の局面です。
まず▲4四桂の王手に△3一王と逃げましたが△2二王は、▲4三角成があります。また上に△3三王と逃げるのは、▲5二桂成が洒落た手で後手困ります。
手順中後手の疑問手は、△6五銀から△5七角と決めに行った手で、ここで角をとらずに△8九飛成から△3五桂を狙うゆっくり指すのが本手のようです。
まあ 普通こう指したくなるところではあるんですが。
今回は、豊島さんの▲5三銀~▲4二香という組み合わせの攻め手筋が気が付きにくい手だったのでご紹介しました。