陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

西行と桜の歌

2022年03月29日 | 日記・エッセイ・コラム

大切な桜の歌を忘れていました。西行の歌です。

ねがはくは花のしたにて春しなんそのきさらぎのもちつきのころ 

 如月(きさらぎ)は旧暦の二月、現在でいえば三月です。そのもちつきですから すなわち三月の十五日・満月の夜です。それはブッタの涅槃の時をさしています。さくらの花が怪しいまでに白く輝いている時刻、ブッタの涅槃のように死にたいものだ、というのです。そして、西行は願いの通り きさらぎのもちつきのころ 満開の花の下で亡くなったと言われています。

夜の桜はピンクと言うより青白い怪しげな色をしています。花全体が怪しげな一塊の生きもののようです。窓の外の夜桜を見ていると、なぜか西行の歌が生々しく思い出されます。

あっという間に花は散り始めました。つかの間のはかない命です。

 

参照までに。友人から下記文章が届きました。

ブッダはクシナーラーの地で歩みを止めた。そして2本のサーラ樹(沙羅双樹)のあいだに設けられた寝台の上に横になり、頭を北に向け、右脇を下につけて、両足を重ね、心を正しくとどめた。「私はもう疲れた。私は横になりたい」そうブッダは呟いた。するとその時、沙羅双樹の花が一斉に咲き誇り、ブッダを供養するかのごとく降り注いだ。[アーナンダよ。不思議なことに沙羅双樹が咲き乱れ、降り注いでいる]

 

 


花の宴会

2022年03月15日 | 日記・エッセイ・コラム

土・日・月 と東京から益子へ向けて小さな旅をしてきました。

帰宅して驚かされたのはその三日の間の春の進捗具合!

まだ蕾の固かった桃の花がちらほらと咲き始め

花の気配もなかったレンギョウが一斉に花をさかせ・・

鉢植えの菫はこぼれ落ちそうな紫色の笑顔

道端のリュウキンカもニコニコ顔で

雑草みたいなタチツボスミレも一人前のすまし顔

路地植えの小さな水仙までも・・笑ってる。

 

たった三日の留守の間に、花たちが話し合って大宴会を開いたみたい・・。