陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

年の瀬・蝋梅

2009年12月25日 | 日記・エッセイ・コラム

 

 強風が、蝋梅の葉をすっかり飛ばしてくれました。

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 葉を落とした蝋梅の枝を思い切って鋸で切って

 お正月の生け花用に皆さまに差し上げました。

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 枝切りしたほうが次の年にいい花が咲くのだ

 と知人に教えられたのです。

 今までもったいないと思って、

 あまり切らなかったせいか、今年は不出来です。

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 蝋梅は、

 わが家の正月を華やかに演出してくれる優れものです。


豊山窯

2009年12月13日 | 美術館めぐり

 

  安芸の小京都といわれる竹原市にある

  「豊山窯」についてだけは記しておきたいと思います。

  (山陰の旅の続きです)

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  豊山窯は、瀬戸内海を遥かに見晴るかす小高い丘の上にある

  陶芸家「今井政之」氏の窯です。

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  今井政之氏は日本の象嵌法の第一人者で、

  世界的にも有名な日本陶芸界の重鎮のお一人です。

  象嵌とは、陶器の肌に模様を埋め込む陶芸の技法で、

  ここの展示館には、

  氏の素晴らしい作品の数々が展示されています。

  日本芸術院会員でもある今井政之氏が、

  郷里・竹原の海の見える丘に開設したのが

  「豊山窯」と茶室「松聲軒」「柳慶亭」です。

 

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 瀬戸の海を庭に見立てた、

 素晴らしいお茶室「柳慶亭・扇の間」で、

 先生の奥様からお茶を頂戴しました。

 このお茶室は1世紀も前に、

 「岡山藩主主席家老伊木三猿斎」が建てたもので、

 もともと京都にあったものを、縁あって今井氏が譲り受け、

 この地に移築されたものだそうです。

 波ひとつない蒼い海に浮かぶ緑の小島を眺めながら、

 一服のお茶を頂いていると、

 一世紀の時を隔てて、この地に居場所を見つけた

 お茶室の感慨が、伝わって来るような気がします。

 古から受けついだ「伝統」を守り抜こうとする

 「文化人」と言われる人たちの営みの一端を、

 垣間見た想いがしました。

                                    

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師走

2009年12月12日 | 日記・エッセイ・コラム

 

  

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 12月にしてはあたたかい雨上がりの朝、

 雨に洗われた侘助がひときわ美しく見えました。

  旅行記も書きかけのまま、師走も真ん中まできてしまいました

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 展覧会用の作品が出来ないまま、

 今日、今年の最後の「窯いれ」をしました。

 ものづくりも、

 新しい何かを求めると、なかなか前に進めません。

 あせっても仕方がない、などと言い訳しながら

    「坂の上の雲」を読みふけったり、

    思い立って「YAHOOオークション」に挑戦したり、

    BSHIの番組につかまったりしながら

    一年の大掃除を始めています。

    

    

   


平山郁夫美術館

2009年12月03日 | 美術館めぐり

 

 平山郁夫氏の訃報を聞きました。

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 つい先日、瀬戸内海の美しい島・生口島の

 「平山郁夫美術館」を訪ねて来たばかりでした。

 

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 生口島は、平山郁夫氏生誕の地です。

 美術館では、秋の特別展「幻想美の世界」の開催中で、

 氏の精神世界を感じさせる素晴らしい作品を、

 たくさん見ることができました。

 看板も何もない日本建築の美しい美術館です。

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 「青い海、緑の島々、神秘的な潮の流れや、群青色の海は、

 平山少年の心に大きな影響を及ぼしました。

 画家・平山郁夫の感性は瀬戸内の風土に育まれたといえましょう」

 と解説がありましたが、確かに「しまなみ海道」の美しさは格別です。

 日本にも、こんなに美しいところがあったのかと驚かされます。

  

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    写真は「聖人・平和の祈り」の一部・画集からのものです。

       私は氏の晩年の、宗教性の強い作品が好きです。