陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

珍客たち

2020年05月30日 | 日記・エッセイ・コラム

緊急事態宣言が解かれた。長かった自粛生活から解放・・・・、と思いきや、さくら便りから2か月半もとっぷりとつかっていた気ままな暮らしから、そうそう簡単には抜け出せそうにない。

朝夕、ブロック塀の上に餌をまいていたら、2羽の鳩と3羽の雀が常連になった。少しずつ餌の場所をアトリエに近ずけたら、鳩はすぐ近くまで来るようになったが、スズメは用心深く人の気配がするとすぐ飛び立ってしまう。それでも毎日のメンバーに定着した。

朝、庭に出てみると、庭石の上に何やら20センチほどの置物がある。「あれ、なんだろう?」と近ずくとゆっくり動いた。一瞬、「ドキ」っとしたがよく見ると大きなガマガエルだ。どこから来たのか、何をしに来たのか、見当ももつかないが、「ニホンガマガエル」らしい。

ここ数日、昼間は壺と壺の間でジッとしている。夜行性で夜、虫を取ってたべるらしい。友達に「ガマエルが来た」と話たら、「それは王子様かもしれないよ」と言う。そういえばグリム童話に「カエルの王子さま」というのがあった。イヤイヤ一緒に食事をしたり、一緒にベッドに入ったりして・・・、パッと投げつけたら魔法が解けて立派な王子様になった。もしかしたら、珍客は「オオジサマ」かも・・・、しばらくそっとして置くことにしよう。

自粛暮らしの間、コツコツと積み上げていた「オブジェ」がやっと完成した。20キロ65センチの作品だ。

 


音楽の贈り物?

2020年05月17日 | 日記・エッセイ・コラム

 音楽の捧げもの BWV1079

 ーみ恵み深い君主にー 心から恭しく、陛下に音楽の捧げものをおささげいたします。

 その中の特に高貴な部分は、陛下が自らお作りになりました。・・・・略・・・・

       1747年7月7日 心から忠実なる J.S.BACH

 

 バッハの「音楽の捧げもの」のジャケットです。その最初にあったのが、バッハがフリードリッヒ大王に捧げた

 献辞。ちなみに表紙絵は有元利夫の「花火」です

              * 

「母の日」に、いきなりズシリと重い宅急便が届きました。

「なんだろう?」と開けてみるとバロック音楽を特集したLPレコード盤20枚入りの音楽全集!!

THE BESTCOLLECTION OF BAROQUE MUSIC

「音楽の捧げもの」ならぬ 「音楽の贈りもの」でした。

 

ヘンデル・バッハ・ヴィヴァルディ・モンテヴエルディ・アルビノーニ・スカルラッティ・・・

フルート・バイオリン・ギター・オルガン・管弦楽・トランペット・オーボエ・ハープシコード・・・

盛りだくさんのバロック音楽を収めたLPレコードが20枚、そのジャケットの装丁は有元利夫の絵です。

思いがけない贈り物に驚きながら、とりあえず、その全部を部屋に並べてみました。

ほら、こんな具合、部屋がいっぺんにバロックの世界になりました。

 

 

バロック音楽のこともですが、私たちには、有元さんの絵にもいろいろな思い出があるのです。

有元利夫の絵を初めてみたのは、静岡の知り合いのギャラリーでした。それはオルガンを弾いている女性の後ろ姿で、その女性の前を花ビラがひらひらと舞い落ちている絵でした。その頃はまだ有元利夫といっても有名ではなく、「安井賞」をとったばかりの若手の画家ということでした。しっとりとした色調の中に「確かな存在」として人が描かれていて、なぜかその柔らかな雰囲気に魅せられたのでした。その後、何かの本で、有元氏は中世のフレスコ画の技法を用いて制作していることや、大変なバロック通でご自身もバロックフルーテを演奏する、というようなことを知りました。そういえば、当時娘が所属していた静岡市の美術館で「有元利夫展」をやったことがありました。夜、展覧会の会場で小さなコンサートをしたことを思い出します。多分、その当時から、娘も「有元ファン」だったのでしょう。

 

                古 楽

その後、有元さんは39歳という若さで亡くなりました。そのあまりにも早い死をとても残念に思ったものでした。

その頃から、当時は主流だったLPレコードもCDにかわっていきました。当然LPのジャケットも小さなCD盤用になり、前記のジャケットのような派手さがなくなったように思います。そのCDさえも、昨今では音楽配信やダウンロードや携帯にとって代わり、次第に姿を消しつつあります。改めて30年という年月の重みを感じます。それにつけても、この「分厚くて重いLP20枚」の存在観は何なのでしょう。音楽の重みと時間の重みが重なって生まれた重量感とでも言いましょうか。

ところで、せっかくの「音楽の贈り物」です。早速聞かなくてはと昔のオーディオを出してきて、スイッチを入れてみました。風体は昔のままなのにプレーヤーは何故か盤が回転しません。長い間使っていなかったので動かなくなってしまったのでしょう。とっさに、「なんとかしなくちゃ!」と思いました。でも、考えてみると、そんなにあわてることでもないという気がしてきました。コーヒーを飲みながら、LPレコードをひっくり返したり眺めたり、ジャケットの解説を読んだり見たりしながら、ゆったりと音楽を聴く、それって急がなくても、自然に訪れる理想の老後のような気がしたからです。

ともあれ、素敵な「音楽の贈り物」をありがとう。ゆっくり楽しませて頂きますね。


イソヒヨドリを呼ぼうとして・・・

2020年05月09日 | 日記・エッセイ・コラム

イソヒヨドリの来る塀の上に、アワとヒエとヒマワリとクルミを砕いて置きました。

イソヒヨドリは食べに来ません。でも餌だけはなくなっています。          

三日目 来たのはスズメでした。

そのスズメを上からじっと見守っているのは、ヤマバト・・・。

しばらくすると ヤマバトもおりてきました。

ヤマバトとスズメ・・・・・・、仲良く食事? 

 

あれ、誰かが見てる?

見てるのは アトリエの中のわたし。              

 


5月のアトリエ便り

2020年05月02日 | 日記・エッセイ・コラム

気持ちのいい朝です、高校生の男の子と女の子が「じゃんけんぽん」しながら山の階段を登っていきます。

何にもないいつもの山の道が、何だか急に若々しく華やいだみたいで、私の心も和みます。

コロナで遠出ができなくなった分、近くの自然を(ここ谷津山も)楽しもうという人々が確実に増えています。

                  *

  私のアトリエは、谷津山の登り口にあります。アトリエからみた5月の庭です。

「ホーホケキョ」鶯の鳴き声がすぐ近くから聞こえてきます。卯の花の周りをアオスジアゲハが飛んでいます。

メジロが水瓶の水を飲みに来ました。名前を知らない小鳥たちもいっぱい遊びにきます。小鳥たちは一時遊ぶと飛び去っていきます。そういえば最近、背がルリ色で腹がレンガ色のヒヨ鳥くらいの鳥↓が午後になるとやってきて遊んでいきます。写真が撮れないので、ウイキペディアから借用しましたが「イソヒヨドリ」という名の鳥です。

イソヒヨドリ

 鳴き声もきれいで声量も大きく、おっとりしていて人懐っこい感じです。ヒヨドリといってもヒヨドリの仲間ではなくスズメ目ヒタキ科の鳥だそうです。調べていたらカシューナッツやピーナッツで餌付もできるとのこと、心がちょと動きます。

 

庭の花は、この季節には日日変化します。今はタツナミソウやキポウゲやシランが盛りです。

最近の織部の作品と並べて、織部色の筒に生けました。

コロナウイルスはなかなか拡大をとめず、緊急事態宣言はまだ当分続きそうです。経済活動のダメージや医療現場の厳しさは想像に余りありますが、不急不要の外出禁止令で、人々の暮らしの在り方が少し変わってきているような気がします。私も毎日山を散歩し、三度の食事を丁寧に作るようになりました。