陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

秋分の日・葛の花

2020年09月20日 | 日記・エッセイ・コラム

秋分の日には曼珠沙華の花が地面からぬくっと現れて辺り一面を赤く染める、だから秋分の日はイコール「ヒガンバナ」彼岸花はイコール「彼岸」。そういう構図が当たり前だと思っていました。それなのに、なぜか今年はヒガンバナの姿がすくないのです。それならば、と「ヒガンバナが群れて咲いている」と記憶していた少し遠方の沼地まで車を走らせました。が、ここにも赤い花の群落を見つけることができませんでした。

 

大雨や異常な高温続きだった昨今の「気象異常」のせいかしら?

そう思いながら辺りを散策してみましたが水辺は写真の通りうっそうとした雑草で覆われています。よくみると、茂った草の中に赤紫の花が見えます。たくさんの「くず」が低木の上を覆うように伸びあがり、赤紫色の花をたくさん咲かせていました。万葉の昔から日本全土に自生し、根からは「澱粉」茎は「繊維」と人々の暮らしを支えてきた植物です。地味な花の多い当時にあっては、人の目を引く派手な植物だったろうと思われます。

 

 ま葛原なびく秋風吹くごとに阿太の大野の萩が花散る  憶良

ふと、先日行ったお蕎麦やさんの座敷に「無邊楽事帰吟筆」(楽しみは詩を書き書を書くこと)という軸の横に、2メートルほどの葛が素敵に投げ入れられていたのを思い出して、一枝手折り帰ったのでした。

 

 我が家の自家製の書と掛け花の葛の花です、いかが?

 


九月・芸術の秋?

2020年09月04日 | 日記・エッセイ・コラム

朝、コーヒー豆を挽いていると、ふっといい香りがただよってきました。ようやく朝のコーヒーがおいしく感じられる季節です。気がつけば今朝の朝の気温は24度でした。もう九月です。芸術の香り高い?季節です。八月の酷暑の中、熱中症になりそうな中で悪戦苦闘したオブジェの制作が終わったので、久しぶりに山の散歩に行ってみました。

熱帯のような高温が続いたせいか、桜はもう葉を落として階段は枯葉でいっぱいですが、不愛想な山の風情の中に雑草だけが生き生きと元気です。面白いものが何も無いので、今日は山のオブジェの紹介です。 

 

これは赤松の幹の部分です。油絵で描いたみたいです。

 

これは楠の木の幹ですが、松に比べたら随分穏やかです。

 

これは桜の木の切り株ですが、陶芸作品のようでもあります。

 

木々の肌やくねった枝や幹は、自然がいかに巧みな芸術家であるかを感じさせます。

 

 

山の南側には海が見えます。穏やかな駿河湾です。これもまた自然の造形。

 

今、この海の向こうで恐ろしく強大な台風が発生していて、沖縄地方では避難警報が出されています。

コロナ、大雨、異常高温、異常颱風・・・等々、自然の猛威の中でじっと身を縮めている人間たちです。