陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

小さき者たち

2021年04月24日 | 野草

背をいっぱいにのばして 思いっきり晴れやかに咲いている、その姿、その色、そのつつましやかな美しさに思わず足を止め、見とれてしまう朝のひとときです。

 

タツナミソウです。花びらが波のように連なり下降する様が「立つ波」を思わせるからのネーミングとか。

同じタツナミソウでも「白色タツナミソウ」です。木の下の雑草に交じって咲いている雑草仲間ですが、緑の草原の中から立ち上がる波のような姿が、北斎の「波」の絵を思い起こさせます。

黄色い小さな花はキンポウゲの仲間、ほっておいても毎年出てきて鮮やかな黄色で存在を示す、可愛いヤツです。

小柄で細っそりとした茎が風にそよいでいるカラマツソウです。地味な白い花が可憐ですが、知らない人は見過ごしてしまいそうな草です。

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今まで、ブログに上げる写真はカメラでとっていたのですが、今回はスマホの写真です。最近はスマホの方がカメラの精度も高く手早く撮れて便利だと言われて、スマホ写真に挑戦してみました。スマホからパソコンに簡単に写真が送れるのも便利です。遅ればせながらのスマホデビュウーです。


おかしな虫

2021年04月19日 | 日記・エッセイ・コラム

庭で見つけた「おかしな虫」、どれが虫かわかりますか?

 

細い木から弓状に伸びている小枝のようなものが見えます。この小枝が、時間によってまっすぐ伸びていたり、下を向いて居たり、弓状だったりするのです。天敵の鳥がみても、人間が見ても、誰が見ても、小枝にしか見えません。いったい何なのだろう?と観ていると、先っぽの方で、葉っぱを食べているようです。これは木なのか、虫なのか、不思議な物体を観察すること二日あまり、小枝のような物をナナフシと思って投稿しました。

本日、訂正が入りました。トビモンオオエダシャク という蛾の幼虫ではないかと。どうみてもここから「蛾」を想像することは出来ませんが、命の変化の不思議な形態なのでしょうか? 私には、ますます、神様のいたずら に思えてくるのです。

新緑に宇宙の神秘やどりけり

 


緑の季節です・(襲の色目)

2021年04月05日 | 日記・エッセイ・コラム

四月です。庭の樹々がいっせいに笑い、花々が歌い始めました。

庭の山法師です。芽吹いたと思ったらあっという間に新緑に輝いています。

 

山法師の下では、十二単がぐっと背をもたげて、紫色に模様を描いています。

 

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木の芽ぶきと紫色の花を見ていたら、平安時代の「襲(かさね)の色目」を思い出しました。

襲(かさね)の色目とは、何枚かの衣装を重ねて着る時の配色のルールのようなもので、その一つに萌黄色と紫色があるのです。

 

 

平安時代、高貴な女性の正装は十二単でした。十二の色を美しく襲るのです。

その襲(かさね)の配色の基本にあるのが、季節ごとに咲き競う花や木の芽の色合いでした。それを衣装や調度・和歌や手紙の中に細やかに表現ることが、雅な女性の教養として問われたのです。その文化の基調は自然風土の美を尊ぶ精神でした。自然の中で移ろい行く草木や花の彩を捉え細やかに表現すること、それが「和の文化」だったのです。その表現の難しさは、昔、国語の教科書で習った和歌や手紙文でご存じと思いますが、色についても、その名称や種類は、今とは桁違いに多いのです。

雅な文化の豊かさには驚かされます。が、よく考えてみると、私たちの血の中には知らぬ間にそんな美の意識が入りこんでいるらしく、ほら、こんな風に庭に咲く花や木の色あいをみて感動してしまう・・・のです。

 

まさおなる空よりしだれさくらかな   安富風生 

(こちらはピンクとブルーの襲の色目?)