玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*いまも、君を想う

2021年07月22日 | 捨て猫の独り言

 愛読していた二つのブログが中断している。一つは「自分自身のことではありませんが、身内に心配事が起き・・・ちょっとの間お休みさせていただきます」という昨年11月24日の記事が最後のもの。もう一つは芥川賞作家の目取真俊氏の「海鳴りの島から」(辺野古新基地反対運動の報告)が6月30日を最後に途絶えている。

 大活字本で「いまも、君を想う」に図書館で出会った。著者は川本三郎とある。その名はどこかで目にしたかもしれないが、この作者のまとまったものを読むのはこれが初めてだ。簡潔で気負いのない文体にどんどん引き込まれて一気に読み終えた。登場する街はすべて私が歩いたことのある場所であることもそれを助長した。

 それに評論家の川本氏は私と同じ1944年生まれだ。2008年に6歳年下で57歳だった妻の恵子さんと死別した。恵子さんは武蔵野美術大学に入学し、愛知県一宮から上京して吉祥寺のアパートに女友達と一緒に住んだ。二人はその頃に出会い27歳と21歳で結婚。最初に住んだのは三鷹市。夫妻に子どもはいなかった。(7月のアカマイ畑、ボタンクサギ)

 

 恵子さんの墓所は小平霊園にある。「公園墓地という霊園で亡き妻を思い一人弁当を食う」桜や新緑の季節に墓の前で弁当を食べると少し元気が出てくる。二人で歩いた善福寺川緑地に東京都にしかるべき代金を払って「思い出ベンチ」を置いてもらおうと思っている。あの公園の日々は、家内との最後の楽しい思い出だから。

 

 

 

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