杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

崖の上のポニョ 試写会

2008年07月06日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年7月6日
会場:東商ホール
開場:12:30 開映:13:00~
2008年7月19日公開予定

海辺の小さな町。崖の上の一軒家に住む5歳の宗介(土井洋輝)はある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョ(奈良柚莉愛)と出会う。頭をジャムの瓶に突っ込んで困っていたポニョを助けた宗介。互いが好きになる2人。「ボクが守ってあげるからね」宗介がポニョに言う。だが、ポニョは人間を辞め海の住人となった父・フジモト(所ジョージ)に海へ連れ戻されてしまう。“人間になりたい!”ポニョは妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、再び宗介のいる人間の世界を目指す・・・。

人間になりたいという想いだけで突っ走るポニョは宗介と同じ5歳の女の子。
気に入ったものを離さないで手に持つ習性や、ご飯を食べながら寝入ってしまったりと、この位の歳の幼児の特性を掴んだ描写につい頬が緩みます。

逆に宗介は5歳児にしてはやや大人っぽい面がある子供。貨物船の船長で不在がちな父・耕一(長嶋一茂)の代わりに母・リサ(山口智子)を守ろうとするかのような気概すら感じます。リサの方も宗介を子供扱いではなく、頼もしい同居人のような対等に近い感覚で接しています。

母と子の関係といえば、ポニョと母であるグランマンマーレ(天海祐希)については直接的なエピソードは出てこないのがちょっと物足りないかな。最終的にポニョが人間となるためには「人魚姫」のエピが使われていますが、これも元気なポニョの方が積極的で、将来の宗介の苦労が何だか目に浮かぶような・・彼は絶対尻に敷かれるタイプだぁ(^^;

ポニョの行動によって巻き起こされた海の暴走により、町は水没して山の高い所だけが顔を出しているという、現実なら大変な事態にも、登場人物たちはなんだかとってもおおらかでのんびりしていて、その不思議なまったり感が何故かとても心地良く感じられます。

リサが働くデイケアサービスに通う車椅子の老女たち、おっとりしたヨシエさん(奈良岡朋子)や皮肉屋のトキさん(吉行和子)たちと宗介の関わり方も、心がほっこり温かくなります。

荒れる海の水の迫力に息を呑み、津波のあとの静かな海の水と木々の緑のコントラストに目を奪われ、どちらかというと単純な味わいの絵なのですが、それだけにストレートに味わうことが出来る感じです。

声優としては、所さんの声は特徴がありすぎて、役より本人を思い浮かべてしまって個人的には残念でした。長嶋さんも・・。逆にトキ役の吉行さんは実体とキャラが上手く重なって面白さが倍増♪

宮崎駿監督の4年ぶりの作品はまさに原点回帰といえる作風。
ゲドを別にしても、最近は平和とか闘いとか大上段に振りかぶったような物語が目についていたけれど、久々に悪人も出て来ず、幼子と安心して楽しめる作品になっています。もちろん、童心に還った大人にも、ね。

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