杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

帝一の國

2018年02月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年4月29日公開 118分

全国屈指のエリートが集まる超名門男子校・海帝高校。政財界に強力なコネを持つこの学校で生徒会長を務めた者には、将来の内閣入りが確約されるという。主席入学を果たした1年生の赤場帝一(菅田将暉)は、総理大臣になって自分の国をつくるという夢を叶えるための第一歩として、生徒会長の座を狙っていた。2年後の生徒会長選挙で優位に立つべく誰よりも早く行動を開始した帝一は、命がけの権力闘争の中へ身を投じていく。

 

古屋兎丸の同名コミックを実写映画化した学園コメディです。

生徒会長になると国立大TOPの東都大への入学が確約され、政界入りの暁には最大影響力を持つ派閥「海帝生徒会会長会」に加わることができ、総理大臣の道が拓けるという設定。

子供の頃父親の譲介(吉田鋼太郎)から大好きなピアノを禁じられた帝一は、総理になって自分の思い通りの国を作るという野望を抱きます。そのための努力は惜しまず、中学で実績を残し高校へ上がった彼は、二年後の生徒会長選へ向け、まずは一年先輩の有力候補の派閥に入るべく狙いを定めます。

帝一をライバル視する東郷菊馬(野村周平)は、情報収集能力は高いが卑劣な性格。父同士の因縁(昔、生徒会長選で一票差で帝一の父が負けた)が絡み、小学校時代には帝一を虐めたりもしていました。その時、帝一を助けたのは幼馴染の白鳥美美子(永野芽郁)です。二人は付き合っているのですが、スキャンダルを恐れる帝一は秘密にしています。美美子は帝一の優しさに惹かれたのですが、最近の彼の行動には懐疑的で、二人の間にすれ違いが生じています。 演じている芽郁ちゃんは、ファンならすぐに見分けられるのかな?私的には、演じる役毎に全く違う顔(表情)を魅せてくれる人だなぁとちょっと感心でした

竹内涼真君は大鷹弾役。父親が早くに亡くなり、母は病気のため、バイト掛け持ちで学費生活費を捻出し、弟妹の面倒を見る優しい子。性格も真っ直ぐで明るいため、誰からも人気があるキャラです。彼以外の登場人物は皆一癖二癖あるキャラなので、余計にその実直さが際立ちます。この作品から人気が出てきたというのも頷けますね。

二年の生徒会長候補の一人・森園億人(千葉雄大)も知的で冷静、温和な人柄で甘いルックスなのですが、腹の底が見えない怖さを秘めています。対抗馬の氷室ローランド(間宮祥太朗)は俺様キャラの強烈な個性ですが、その分敵も多い

親友の榊原光明(志尊淳)のアドバイスもあり、氷室優勢と踏んで彼に取り入る帝一でしたが、父親同志が敵対関係にあることを知ると生き残りのため森園派に。利害関係を素早く判断し保身と自らの野望に突き進む姿はいっそ清々しいほど

たかが高校の生徒会長選といえど、まさに政権闘争の縮図のような仁義なき戦いの様は、エンターテイメントとしては笑えますが、現実に似たようなことを政治家たちが日夜繰り広げていると思えば笑ってばかりもいられない・・かも。

劣勢だった森園派ですが、帝一の策が当たり徐々に勢力を拡大。でも父親が菊馬の父の策にはまり贈賄容疑で逮捕され、帝一は夢を断たれたと部屋に籠ります。光明や弾の言葉より、美美子の言葉(と行動力)の方が効き目があるのね 校庭で菊馬と殴り合うエピソードは投票会場での逆転劇を際立たせるための展開かしら。 でもって二人の決着は小学校時代のように美美子の一蹴りであっさり決まっちゃうのね この辺はまさにコメディの本領発揮ですね。

でも山場はここじゃなくて、一年後の帝一たちの会長選。僅差の弾と帝一に菊馬が加わりドキドキの結果は・・・帝一も成長したじゃん!と思ったのも束の間、すでに彼の頭の中は魑魅魍魎の政界の住人同様先を読む強かさに支配されていたというオチは何だかな~~。

氷室がそれなりに大人になり森園と良い関係を築いているような描写の後にそれですかぃ

イケメン大集合のお気楽娯楽作ですが、根底には政界への強烈な皮肉が籠められているように感じたのは気のせいかしら


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