tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

ほけんのせんせ! 45

2019-09-21 00:51:06 | ほけんのせんせ! <R>

久しぶりだと笑う顔に、懐かしくて見返すレイアだった。


学園から手を引き、時々はガイドとして外へ出る・・・仕事がない日はブレークで店を手伝う日々だった。

賑わう店内・・・次々と出してはしまうレイアの手際の良さに助かるとアリーやスタッフが声にする。

やっとの事で人込みが減っていく・・・ふと、レイアが気づき手を止める・・・何だとアリーはレイアを眺め・・・その視線に気づき辿った。

綺麗な顔立ち・・・レイアに似た容姿・・・彼女より若い子がいた・・・同じようにレイアに笑み見つめる事で迎えに来たのかと眺めた。

「レイア(笑)、休憩しておいで。知り合いなんだろ?」
アリーが笑みながら彼女へ呟く。

「(笑)私の弟です・・・」
「そっか(笑)挨拶しとこーかね」
笑うアリーが、レイアよりも先に向かい話をした・・・アレンが笑う・・・照れる佐条に苦笑いをしたレイアが二人の居た席へ向かうのだった。


「久しぶりだ(笑)」
佐条が笑み呟く・・・確かにとレイアが笑み返しアレンに微笑んだ。

「レイアちゃん(笑)。全部の報告!それから今後の相談(笑)しよーぜ」
「(笑)了解」
「で、(笑)ホテル取ってないから泊めてよね」

「了解(笑)。
こちらは(笑)お世話になってるアリーさん」
レイアが紹介しアレンが笑み返した。

「(笑)親子で助けて頂き、ありがとうございました。それから、知らない心配・・・させてましたよね(笑)
全部に・・・(笑)ありがとうございます・・・」

アリーに礼をするアレンに苦笑いをした・・・その間に観察のように見たいスタッフの姿に笑う二人もいた・・・もう一度、丁寧に皆へも礼をするアレンだった。

見惚れるような笑みが二人へ集まる・・・苦笑いをするアレンと佐条だった。


全てが終わりをつげた事にホッとした・・・残る不穏はヒューが片付け礼はショットまで渡したのだと聞けば笑うしかない。

支店1号の管理は任せアレンが請け負い、その給料まで貰う事になったと笑いながら話すアレンに苦笑いだった。

叔父へ任せた観光業務は、いまだレイアとアレンが理事として顔を出せるようにしてあると報告を受ける。

そして二人で回せとホテルを預けられた事を知れば笑うしかない・・・何より、そこで働けるようレイア達の兄弟へ勉強もさせていた事に感謝した。

親の・・・兄弟でも、これほど違う事に笑えた・・・自分の兄を元に戻したくて・・・そう言ったのだと、聞いたアレンは悲しそうに教えてくれた。




アレンはレイアと一緒にニコルとディが住む場所へ向かう・・・優しく笑み出迎えるディを見つめるレイアだった。

そっと抱き締める・・・やっと自分を鍛え立ち上がれるようになっていたディ・・・その笑みを眺め腕を回すレイアもいた。

「頑張った・・・」
「(笑)お互いに」
二人の呟きにニコルがホッとする・・・不思議そうに眺める唯慈に、子を抱いていたアレンが笑み優しくキスをした。

「唯慈の家族(笑)。お祖母ちゃん、伯父さん(笑)だよ。仲良くしよーな」
「(笑)な!」

嬉しそうな笑みのアレンを見つめ聞き入る唯慈・・・笑み返し返事をした唯慈はギュッと抱きつき皆を眺めた。

時おり誰かを探す素振りの唯慈に気づくレイア・・・後でと言えば納得はするが、暫くすれば視線は探し始める姿に苦笑いだった。

「(笑)俺がパパでい?」
「 ・・・や!」
楽し気に笑うディは、悪戯な目で唯慈を眺め声にしてみる・・・ジッとディを見つめ考えるように聞いていたが、直ぐに拒否してクビまでふった。

「そっか(笑)。唯慈のパパは別に居るもんな」
笑う唯慈を膝の上で抱き見つめたディが呟けば、笑みは返すが理解はしたのか頷く事に皆が笑った。

「写真とかだけで(笑)覚えたの?」
アレンが不思議そうにレイアへ聞けば苦笑いをする・・・

「向こうで(笑)、アリーさんに預けてた時に話してたみたい(笑)だから待っててと言い聞かせてたんだって・・・
(笑)私に聞く事も無かった・・・写真を見てる事は多かったけど」

思い出したように呟くレイアに、そうかと眺めるディだった・・・


団らんとソファーでディとレイアが話していた・・・眠くなった唯慈を寝かせたニコルが二人を眺める。

不思議そうに眺めていたアレンに苦笑いをしカウンターの椅子に座るアレンと目があった。

いつの間にか眠るレイアを抱き、寄り添うように凭れディまで眠っていた。

「動けるまでに・・・ディ兄さんは戻れるの?」
小さなアレンの呟き・・・悲し気に見返すニコルも二人を眺めた。

「頑張ってるわ(笑)」
「時々ね(笑)錯覚しそうだった・・・家族よりも近い二人に・・・さ・・・
恋人だったのかと思える位・・・変な想像しちゃってさ・・・手が優しくなる理由って・・・レイアちゃんだけ・・・」

「 ・・・心が壊れたら、守れないと気持ちを切り替えたそうよ・・・」
「だよね・・・じゃないと潰れる気はした・・・自分の姉さんなのにって・・・俺も思ったもん・・・
知る女なだけと・・・俺も気持ちは捨てたから」

出来たのだと思い出したように呟くアレンを悲し気に見つめたニコルだった。
それでも自分よりも近い気がして、アレンはディを眺めていた・・・

「知ってた? ディは避妊の手術を黙ってしてたの・・・脱走した日に・・・
初めてレイアさんとした日に・・・脱け出して病院に行ったそうよ・・・いつか怯える自分の為・・・そう言ってたけど・・・」

「逃げられないから・・・」
だったねとニコルを見返すアレンだった。

「他の人達は気にもしてなかったみたいね・・・だから、ディが引き受けて集めるように自分を落としていった・・・」

「一人で苦しんでたんだ・・・
泣いてた俺を連れ出してくれたのは、レイアちゃんだけど・・・看病みたいに抱いててくれたのはディ兄さんだったらしい・・・泣きながら来たレイアちゃんまで・・・謝りながら抱いててくれたんだ」

そうだったのかと優しく背を撫でるニコルに口を引いたアレンもいた。

「勘違いと思う気持ち・・・今はそれと戦ってるの・・・
本音は自分だけのレイアさんだと思いたいのに、違う・・・妹だと自分に言い聞かせてる・・・

今は気持ちが揺れ動いてるの・・・終わったのに・・・ディ自身・・・自分の心が揺れる事に怯えてるの・・・」

「レイアちゃん・・・それは知ってた?」
「ん・・・だから会いに来れなかった・・・今回も唯慈ちゃんを連れて来たら、ディが壊れるかと迷ってたのよ・・・」

「俺・・・ごめんね。俺、知らなかったから・・・家族だから会わせたくて無理やり・・・」
連れてきた事はダメだったのかと思い始めたアレンに苦笑いをした。

無意識に触れる手が本当に動くが、それさえ止めず気にもしないレイア・・・触り返さない事で思い出せと言っている気もして悲しくなった。

恋しくて抱き直す・・・そんな感じにも見えるディ・・・そして止めないニコルにも驚いた。

「 ・・・レイアさんが言ったから・・・止めないでと・・・約束したの。
ずっと・・・錯覚してきたから、溺れていたから・・・戻す為の時間も必要って・・・」

それが悲しいのだと視線を外すニコルもいた・・・目覚めたディ・・・何処までも触れ浸るのに、されるがまま抵抗もなくいたレイアを眺めた。

返す手がない悲しさに気づきレイアの肩へ凭れたディ・・・暫くして眠ったのか、動きも止まったのだった。


別の日は・・・
眠っているレイアのベッドへ忍び込み、姉を抱き眠り始めたディに驚いた・・・思うように動けないはずの兄が、ゆっくりとだが歩いていたのだ。

夢遊病者のような姿にも驚いたが、レイアの身へ触れていくディが全身で飛び跳ね 自分がした事に驚き身を固めた姿を見た。

少し前に・・・ディが来て始めるはずだから長引いた時に、自分が気づかなければ起こせと言われ 近くへベッドを準備して貰い眠っていた。

ディ自身で気づく・・・その時は声はかけず知らぬふりと言われていたアレン・・・驚く唸りもさせず眠ったふりをしていた。

一人項垂れ小さく何度も謝るディ・・・大丈夫と隣へ寝かせ、掛け布団は別にして寝かせるレイアにも驚いた。

人肌が恋しく余計に辛くはなるはずと思えたが、慣れは怖いとだけ呟く姉だった。
そうかと頷き苦笑いをしたディは眠り始めるのだった。


気持ちを寄越さないレイアに焦がれる・・・それでも苛立ちは分かず、疼く自身に驚き身が強張る日々が続いた。

妹なのだから当たり前だと分かる、気づくのに手だけは味わいたくて 身を焦がしていく・・・自分自身を昂らせ触れる・・・

頭では駄目だと叫んでいるのに撫でた手だけは喜び勝手な身は一気に熱くなった。

その状態で気づき動きが止まる・・・激しく後悔はするが、あの人達の姿が現れレイアへ向かなかった頃を思い出す。

そうだったと甦る記憶は辛く震える・・・それに気づくレイアは優しく囁く・・・。
「(笑)ディア・・・」

大丈夫と、我慢出来ると悲し気な笑みで自分を呼ぶレイアの顔・・・それは頑張ったと安心した顔・・・思い出せと笑む顔・・・

これが現実かと震え怯えた頃から今迄の自分へ名を囁くレイアの声が木霊していった・・・

自分の名前だけなのに・・・呪文のように響く・・・レイアだけが呼ぶ・・・すると自然と自身を取り戻せた頃に引き摺られ記憶は甦った。

怖く耐え難い事の起こり・・・意識があった頃に飲ませられた薬の効果に怯える自分が恐ろしくなった。

有り得ない事・・・薬は調節されていく事に気づき焦りは隠しながら耐えていれば激しさは僅かな記憶まで飛ばされた。

泣き疲れた姿のレイア・・・笑みが消えた理由・・・自分が起こした事に気づきはしたが、これは止められない事なのだと内緒で話し合った記憶が目覚め急いで病院へ駆け込んだ。

有無のない自分達・・・拒否という言葉も消される・・・ならばと、もしもを考えたのに回避も出来なかった。

次々と記憶が沸き起こる・・・怖くて怯え震えも我慢して布団へ潜る・・・レイアが泣きながら優しく背を撫でる。

声もなく・・・広がる事に止められず、ならばと考えたのに逃げず自分と一緒に落ちてくれた。

その時々で密かに話し合った記憶が巡るように思い出された・・・食い止めるにはと呟けば、その言動を実践していくレイアに戸惑った事もある。

その色んな記憶が自分を突き刺すように襲った・・・そしてそれは、いつの間にか消されていく・・・

終わったから大丈夫なのだとレイアの声が響く・・・そうだったと呟いていた自分にホッとしたレイアの笑みは近くにあった。

義父に取られ触られる事は許せず、反撃はソレで返してみれば簡単に落ちた気がした。

今・・・大丈夫と囁く声はあるが、自分だけを抱き返すレイアは居なかった。

心の奥で囁き求める自分がいたのに錯覚と呟く声までがした・・・拒否した想いは自分の名を呼ぶレイアの声で現実へ引き戻されるのに。

そうだったと自分の動きを止め、深く傷をつける手前で終わりを告げた事にホッとした。

だから今も動けなくなる・・・レイアの兄、ディだと自分へ戻してくれる妹 レイアの声が響く。

耐えられないと諦めた不安感が甦る・・・激しい後悔まで・・・心臓を鷲掴みされ何かに睨み付けられる・・・

動悸が長引き辛くなる・・・その時の辛さが甦り自分を覆い尽くしていった。

それに気づくレイアの声音が響く・・・優しく振り払われていく気がすれば自分の中は落ち着きだしていく。

ホッとする・・・その囁きは大丈夫だったとレイアが微笑むから・・・安心しろと言われたようで力は抜けていき、心の中から穏やかになれた・・・・・なのに・・・



ベビーサークルの中で静かに眠っていた子を眺める・・・レイアの子だったと笑みながら見つめていた。

心の奥底で悪魔が囁く・・・
レイアが愛する大事な存在・・・小さな姿で力一杯 微笑む・・・その笑みは可愛いと分かる。

自分だけを愛せと笑む・・・嬉しそうな笑みでレイアを求めれば、普段より深く微笑むレイアの姿が現れる。

自分で見た事もないほどの優しい笑み・・・中で飛び跳ね恋しいと焦がれるほどの笑み・・・この子だけが受け取れる・・・そんな思いが静かに沸き起こった・・・

羨ましいと笑む・・・レイアの笑みを独り占めしている子に笑える・・・こんなに可愛いのにと笑みながら見つめていた。

ふと過る姿が甦った・・・心配した顔の男・・・助けに来た男がいた・・・数人居た中で、心からレイアを求める顔だった・・・その顔は今・・・目の前で眠る子供の顔と重なった。

昂り激しく落ちたのに、次の反応までに戻す時間は長引き面白かった・・・こんな体もあったのかと笑え・・・何よりレイアを知り 名を呼ぶ男だったと笑えた。

グッと耐える・・・レイアの大事な子供なのだと頭の中で・・・自分の声で叫んだ・・・
目覚めた子がレイアを探す・・・眠そうに・・・辺りを眺め自分と目があった。

子の・・・優しい笑みが男の顔になった・・・あの男と似ているという思いが過る・・・レイアのような優しい笑みと思っていたのに違ったのだと思えた。

自分が立ち上がれば、嬉しそうに両手を伸ばす・・・少しずつ 近寄ると驚いた顔になり・・・ジッと見返し始め・・・笑みの顔はない事にフッと笑う。

-なくていい・・・-
取られそうな不安・・・レイアは自分よりも選ぶだろう顔は、こいつだと思えた・・・思えた途端に目の前の顔が歪む・・・。

何だと可笑しくて眺めていたが、伸ばしていった自分の手に触れた誰かがいた事を知った。

誰かと見上げれば、それはアレンだった事に笑み返す・・・驚いた顔のニコルまで自分を見ながら佇んでいた事に驚いた。


気づけば激しく泣き叫ぶ子供が目の前にいた・・・何でと戸惑うしかない・・・唯慈を抱き上げたアレンは子を優しく包み部屋から出ていった。

泣きそうな顔で入ってくるニコルを眺める・・・微笑んだが、目は悲し気で自分を抱き寄せた。

-なんだ?何があった?-
自分で何かをしたのかと、激しく心臓が鳴り響く・・・それでも、その理由は何だと戸惑うしかなかった。

大丈夫と囁き自分の背を撫でるニコルの優しい手・・・ベッドへ促し座らせられる・・・それでも自分を離さずに抱き締めるニコルに苦笑いをした・・・


驚いた・・・何が起きたと思えた・・・
突然、泣き叫ぶ唯慈の声がした・・・それは激しく、怯えるような・・・怖いと泣き叫ぶ声音のようだった。

買い物へ出掛けるとレイアは出て行った・・・昼寝とディの部屋で唯慈を寝かせていたはずだった。

驚きながらも急いで行けば、怯えた顔でディを眺めていた唯慈がいた。
動けず、身を固め見返す子・・・ディが唯慈を見ようとしているのかと思えば顔は違って見えた。

その手を眺め泣き叫んでもいる唯慈と気付けば慌て静かに近寄りディの手を止めた。

何が起きたか分からず唯慈を見たが、いまだディの手から視線は外さなかった。

泣きは止まらず抱き上げる・・・ギュッとしがみつく唯慈を連れ出そうと思えば、部屋の入り口で悲し気なニコルに気づき彼を任せようと部屋から出たのだった。

首から手が離れない唯慈・・・怖かったのだろう全身は震え怯えた姿だった・・・優しく抱き締める・・・大丈夫だったと背を撫で落ち着かせる。

早く戻れと願いながらレイアを待った。


ようやく帰ったレイアに気づくと、新たな泣きは始まり両手を伸ばして唯慈は泣き出した・・・

いつもの泣きではないと気づいたレイアは、荷物を運ばず床へ起き唯慈を抱き締めた。

上着を脱がずにいたレイアは、唯慈を包み外へ出る・・・気分を変えたいのかと眺めるとレイアの視線が来た事で、起きた事が知りたいのだと思え一緒に出たアレンもいた。

凭れるように身を張り付ける唯慈・・・震えは止まったのかレイアのクビへ回していた手は上着の中へ入り込んだ。

顔へ受けていくキス・・・レイアの頬へ伸ばし触れたままジッとし始めた・・・それはレイアの心音を聞くように・・・息を感じ大丈夫と浸る唯慈のような気もした・・・

優しく撫でるレイアの触れる手を感じながら眠りへ入り込んでいった。

静かに聞き入るレイアの顔は悲し気で・・・理由に気づいたのか辛そうな顔になり唯慈を眺めた。

ビクッと体を震わせれば大丈夫と優しく撫でてキスをした・・・泣き疲れた唯慈の体を癒すレイアだった・・・

ニコルが来て話始める・・・ディの奥底で沸く感情は確実に出始めた気がしたニコルの言い方に頷くレイア。

そうかと納得し始めたアレン・・・ならばと声にもし話し合う3人だった。