山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

川上氏 第三の葡萄

2012-11-26 10:15:02 | ワイン四方山話

11月3日の朝日新聞に「和製ヌーボー 香る秋」があり、

その写真に、山梨県甲州市塩山(えんざん)の五味葡萄酒のワインがありました。

赤ワインは「ベリーアリカント」。

明治時代、新潟の大地主、川上善兵衛氏が品種改良した葡萄。

川上氏が品種改良した有名な葡萄は、「マスカットベリーA」と「ブラッククィーン」があります。

国内産ワインの赤ワインでは、1番と2番の生産量。

ベリーアリカントは、上記の2つの葡萄に比べ無名で、主にブレンドされますが、五味葡萄酒は単品種で出してきました。

マスカットベリーAより、色が濃いので、特に新酒はよく売れるそうです。

ベリーアリカントだけのワインは、初めて見ました。

平成の時代になっても、明治時代の改良品種を超える葡萄が出ていません。

川上氏は偉大です。

 

 


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サドヤワイン競売の衝撃

2012-11-22 15:18:09 | ワイン四方山話

山梨の老舗ワイナリー、サドヤ醸造場(サドヤワイン)の競売ニュースは衝撃だった。

落札したのは、甲府の老舗ホテルの古名屋ホテル。

サドヤワインの今井社長は、新聞記事では、「古名屋ホテルに落札してもらうように苦労した」とコメント。

サドヤワインは、今まで通り、ワインを供給できるらしい。

サドヤワインは、1917年(大正6年)創業の老舗ワイナリー。

甲府駅北口の一等地に広大なワイナリーを所有。

戦後すぐに、フランス原産のカベルナソービニヨンとセミヨンの栽培を始め、本格的なワインをどこよりも早く作り出してきた。

そのころの山梨のワイナリーは、生食用の葡萄の余りで作られたワインが主流。

地元の人が飲む葡萄酒と、お土産洋の甘いワインで多くを占めていた。

1989年にはフランス・プロヴァンスにも農場を取得。

「日本のワインを愛する会」会長で、弁護士の山本博氏は、著書のなかで、ワイナリー2代目社長の今井友之助氏を、日本のワイン業界に貢献のあった3人に爺の一人として紹介している。

最近は、ほとんどのワイナリーが本格ワインを製造するので、ライバルは無数だが、山梨でのサドヤワインのブランドはまだまだ健在。

古名屋ホテルの下で、今まで通りのワインを産出してほしい。


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シャンモリワインの金賞と銀賞ワイン

2012-11-10 17:07:18 | ワイン四方山話

山梨県勝沼町にある盛田甲州ワイナリー(ブランド名シャンモリ)が、国産ワインコンクール2012の甲州種部門で、金賞、銀賞、銅賞を取りました。

金賞 樽熟成2010 1260円

銀賞 柑橘香甲州 1500円

銅賞 樽熟成2011 1260円

金賞と銅賞は同じワインのヴィンテージ(年号)違いです。

盛田甲州ワイナリーは、親会社が愛知県の酒造メーカーで、ワインは全国に流れます。

山梨県内では、あまり売られていない(ワインの85%が県外出荷だそうです)ので、なじみの薄いワイナリーでした。

しかし、ワインのレベルは高く、金賞のワインの価格は1260円、金賞受賞ワインの中で、最安値です。

その金賞と銀賞のワインは、同じ甲州種が原料ですが、タイプの違うワインです。

金賞の樽熟成ワインは、甲州種のおとなしい性格のボディを厚くしようと、樽で熟成させ、樽の香りがあります。

樽熟成はむずがしく、樽香が強すぎると、甲州種の良さを消してしまうし、弱いと樽熟成の良さが伝わりません。

樽とワインの相性がマッチしたワインです。

一方、銀賞の柑橘香甲州は、メルシャンの甲州きいろ香の流れで、甲州種の持つ柑橘系の香りを最大まで引き出したワイン。

葡萄が完熟する、少し前のタイミングで収穫すると、香り高いワインになると言います。

そのタイミングが難しく、葡萄の栽培に熟知していないと、出来ないワインです。

では、どちらが美味しいかと聞かれると、どちらも美味しいと答えるしかありません。

タイプが違うので、お好みのワインをどうぞ。

どちらも、レベルの高いワインです。

(金賞の甲州樽熟成は、売切れになってしまいました。

ヴィンテージが違う銅賞の甲州樽熟成2011をどうぞ。)

 


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