山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

ワインのコルクについて

2010-06-06 13:47:12 | ワイン四方山話
 ワイン好きな方は、ワインのコルク栓で、失敗の経験をしたことがあるかと思います。
①コルク栓が途中で割れ、抜けなくなってしまった ②コルク栓がボロボロになり、コルクの破片がワインに入ってしまった ③コルク栓が固くて抜けない ④コルク栓を抜く前にワインが逆流、液漏れしていた ⑤ワインがコルク臭していた、などコルク栓の失敗はたくさんあるでしょう。
 これらはすべてワイナリー側に原因があるのに、まったく改善されない珍しい業界です。いつかは大きな問題になるでしょう。
 ワイナリーは、どうしてコルク栓を使い続けるのでしょうか。それは、コルク栓がワインの良いイメージになっているという、ワイナリーの間違った観点からです。
 手で簡単に開けられるスクリューキャップでは、ワインの良さが伝わらないと思っているワイナリー関係者は、スーパーのワイン売り場に立って、お客様の生の声を聞いた方が良いでしょう。
 また、コルク栓の微小な空気穴がワインの瓶内熟成に役立つと思っている関係者は、同じワインを10本購入し、3年後に10本同時に開け、ワインを飲み比べて欲しい。すべて味が異なる事に、ワイナリー側はどのような責任を取るのでしょうか。出荷した後のワインの熟成のスピードを、すべてコルク栓の出来に左右されるなら、ワイナリーとしてはあまりにも無責任ではないかと思います。
 コルク栓は、主にポルトガルが産地で、コルク樫(かし)の樹皮から作られます。全世界の85%のシェアを占めるので、政府の厳しい管理下にあるそうですが、天然のものなので、どうしても均一の品質を保つのは不可能です。
 最近では、ニュージーランドやオーストラリアの千円以上のワインにスクリューキャップのワインが登場し、時代の流れを感じます。日本のワインも、大手ワイナリーの比較的安いワインのほとんどはスクリューキャップになっています。
 スクリューキャップの良い点は、①簡単に開けられる ②飲み残してもキャップを締め直せば保管が可能 ③コルク栓の問題点はすべて解決、と良いことのみです。
 ワインは特別なお酒ではないし、コルク栓でワインを特別なお酒にしようとしているワイナリー関係者はこの考えを改めてもらいたい。スクリューキャップにすることで、もっと身近なお酒になり、市場がさらに広がると思います。
 コルク栓を開ける過程が好きとか、瓶内熟成を楽しみたいという方は、ほんの一部のマニアだけなのです。日本のワインもすべてスクリューキャップにして欲しいと強く思います。

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