山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

山梨産スパークリングワイン

2009-11-07 12:36:28 | ワイン四方山話
前号で、11月3日が甲州ワイン新酒の解禁日、という話をしましたが、いろいろなイベントがあり、盛り上がりましたね。世界のボジョレーヌーボーに対抗する「山梨ヌーボー」として、来年以降も頑張って欲しいです。相手は巨大ですが、日本で対抗できるのは、山梨しかありません。ワイナリー80社の力を結集しましょう。
 
 さて、12月が来るのでスパークリングワインの事。
スパークリングワインは、フランス、シャンパーニュ地方のシャンパンを頂点に、世界中で作られています。フランスのシャンパーニュ以外のヴァンムース、イタリアのスプマンテ、スペインのカヴァ、などの名前は聞いたことがあるでしょうか。
 
 日本一のワイン生産県の山梨にも、スパークリングワインはたくさんあります。毎年山梨で行われる国産ワインコンテストのスパークリングワイン部門では、メルシャンの「勝沼のあわ」「穂坂のあわ」が3年連続第1位。穂坂は、韮崎の穂坂のこと。勝沼と穂坂の葡萄で作られたスパークリングワインは、日本全国で販売されています。
 
 スパークリングワインは作り方によって、グラスに注いだ時の泡立ちが違います。シャンパーニュ地方では、「瓶内2次発酵」できめ細かい泡をグラス内で実現します。瓶内2次発酵は、普通のワインを作ってから、もう一度発酵させ、その時の泡をワイン内に閉じ込めます。はじめの普通ワインが1次発酵、泡を作る発酵が2次発酵です。2次発酵を大きなタンクの中でする方式もあるので、それと区別するために、瓶内2次発酵といいます。設備、時間、手間がかかるため、他の作り方のスパークリングワインより価格が高くなります。瓶内2次発酵と、タンク内2次発酵のワインを見た目で区別するのは難しいです。瓶内2次発酵ワインは、塩山の機山洋酒、一宮のルミエール、勝沼のフジッコワイナリーが作っています。タンク内2次発酵は、勝沼のマンズワインが販売しています。
  
 普通のワインに炭酸ガスを注入する作り方もあります。この作り方のスパークリングワインの泡は大きいので、瓶内2次発酵のものと見た目で区別できます。作り方も簡単なので、比較的安い価格です。先述のメルシャンのワインや、甲府のサドヤ、石和のモンデ酒造のワインにあります。

 普通のワインを作る1次発酵時に、発酵を途中で止めて、スパークリングワインとするものもあります。この場合、泡立ちが少ないので、微発泡ワインと表現することもあります。石和のマルスワイン、勝沼の蒼龍葡萄酒にあります。蒼龍葡萄酒のスパークリングワインは新酒です。

 年末、年始には是非山梨産スパークリングワインをお楽しみください。
 

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