コロナ病棟で奮闘する息子からLINEが届いた。
「1回仕事を辞めることにした」
コロナが大変だからという訳ではない。
疲れちゃったのかな、2ヶ月ぐらい休みたいという。
専門学校から7年か…一人で自炊しながら頑張ってきた。高校も片道9キロの道のりを自転車で頑張った。
このままここにいて何になるのか?
とか考えて決断したとのこと。
このコロナが無ければ海外へ出てみたいという思いもあったようだ。
6月が来れば26歳。
せっかく頑張って超難関だった国資を勝ち取って都の職員にまでなれたのに勿体ないと思うのは、親として普通のことだろう。安定を望むものだ。
でも、彼には無限の可能性がある。
25歳で一つのことに縛られる必要はない。人生は楽しむものであり、生き方においては後悔してほしくない。
久しぶりに電話で息子と話した。
彼はひとりの立派な大人なのである。
僕の価値観を押しつけることはしない。
3月いっぱいで退職するとのこと。
飛ぶ鳥後を濁さず…
お世話になった職場に最後まで恩返しするつもりで勤めあげろと話した。
寮を出ることになるので、出生の地、葛西にアパートを借りたとのこと。彼のホームだからなぁ。
親だからね、自問自答が絶えない。
こうして書きながら頭を整理している。
どうやって息子を励まそうか?
後押しをしてあげようか?
考える幅を広げさせられるか?
文字にして送ろうと思う。
話してばかりではウザいからね。
僕が初めて転職したのは27歳の時。
家族を護るためだった。
そうそう、何のため?
そんな僕の経験なんかを端的に伝えようかと思う。
今より生活が辛くなろうが、彼が元気で幸せであるのならそれで良いのだ。
それに、看護師は国家資格。戻りたくなったら戻れば良い。
彼の前途を古い写真を見ながら想うのであった。
この頃夢に出てきた子供の姿の息子は、きっとサインを投げていたんだね。