※ネタバレ的な内容が含まれるかもしれません。なるべくボカしているつもりですが。この作品に関してはネタバレを読むよりも先に作品を読むことをお勧めします※
面白かったです~
なぜか私はこのマンガを・・・
『NHKにようこそ、の主人公みたいな男の子が出てきて大学の先輩の振り回されながら心身共に成長するマンガなのかな?』
と思っていました~・・・
振り回すのだけど人生を楽しんでる自由な先輩で、「こういう生き方も出来るんだー」と、頭の固い主人公もひとつ大人になる・・・みたいな。
まあ、あれこれ想像しつつも買ってなかったのですが。
アマゾンのレヴューにちょっとウケて購入してみました~
想像していたのと、全然違いました・・・
濃いマンガ?深いマンガ?
4巻くらいに分けて描いて欲しかったです。
一つ一つのセリフが「ああ・・」と刺さる・・・
何度か読まないといけないマンガ?
・・・言いたいことがたくさん浮かんでくるんだけど疲れるマンガでした。
☆ ☆ ☆
元テニス少年だった主人公のセリウとその写真部の先輩であるヤエの関係を中心に話が構成されているのですけど。
ヤエを見ながら・・・
こんなオーラを出す人・・・いるよね、と。
なんと表現していいかわからなのですけど。
「ちょっと変わってる」と思われながらある種の魅力のある人?
でも、そのようなオーラを出す人の中には作為的に人を操作して楽しむ「悪意」のある系の人がいますけど・・・
ヤエさんは・・・、周囲を振り回すだけで「悪意」はない系の人なので。
憎めない感じの人でした~
☆ ☆ ☆
正直私はセリウとヤエには頑張って二人の、二人にしか築けない関係を作っていって欲しかったのです
挫折経験はあるかもしれませんけど、基本的に心が健全なセリウとなら・・・
常識の壁も前例の壁もセオリーの壁も打ち破って!
ヤエは幸せになってくれると思ってました。
なのに・・・。
・・・
妹さんとの会話などを見てると、ヤエが可哀想になります。
自分に自信がないのかな。
生きるのが下手で人間関係に失敗してしまうから、少しでも「拒絶」されると・・・怖くなって自分から距離をおく・・・ような?
まだ相手は見捨ててないのに。
人と感性が違うと、どうしても周囲から浮いてしまう・・・そういう自分を一番わかってるのは本人で・・・
鈍さと感受性の強さが共存しているような不思議な人です。
最後にセリウと会話したとき、ヤエは何を思ったんだろうっと思います・・・
セリウの気持ちはありがたいけど、自分とは違うって思ったのでしょうか・・・
セリウにとっては精一杯の愛情表現だったと思いますけど。
ヤエ的には・・・今は愛されていても、いつかは失望されてしまうってことのが怖かったのかなあ?
お父さんに愛されたかったヤエは人に失望されたり見捨てられたりするのが一番こたえるのでしょうか。
・・・わかりません。
結果的にああいう結末でしたが。
きっと誰のせいでもなく、「クスリ」のせいだったのはないかと思うのです。
ヤエの妹さんは写真がうまくいかなかった・・・みたいな話をしていましたが。
挫折感の積み重ね・・・心のあり方の問題だけなら。
結果が出るのははもう少し・・・先・・・未来だったように感じます。
内堀さんが言うように「マがさしたというか半分事故」みたいなものだったのかなあっと。
・・・
もう少し大人になれば、辛いことも(感性が鈍り)耐えられるようになるのに・・・と。
ヤエがこれから体験するはずだったたくさん幸せのことを考えると、とても残念です・・・。
・・・
セリウはヤエが「うまくやってるトコ想像できない」と言ってましたが。
私には思い浮かんでしまいます。
別のルートをたどれば、笑ってるヤエさんがいた気がします。
地味で平凡かもしれないけど・・・ヤエさんのことが一番素敵と思ってる人の隣で・・・あかちゃんを抱いたヤエさん・・・とか。
あかちゃんから無心に向けられる愛情はヤエのような女性には特効薬な気がするのです。
相手もヤエさんの心を読みすぎる人じゃダメです。
むしろ劣等感に気付かない優しいだけの人。
セリウや新城さんとの間にあったような、ピンと張り詰めた緊張感のある人間関係に比べれば物足りないかもしれないけど。
年取れば別の価値観も生まれたハズだと思うのですーーー・・・
・・・
これは、そのような話ではないのですけどね
・・・
後半はイトコのスミオちゃんのお話にリンクさせるように、セリウのヤエに対する気持ちが語られます。
スミオちゃんはすごくいいコだしかわいかったです。
二人の会話が、言葉のひとつひとつが重くって・・・
響きます。
最後の方のセリウのモノローグは。。。
☆ ☆ ☆
心の動きをとても丁寧に誠実に描かれている作品で怖いほどです。
いろんな意味で衝撃的でした・・・
これを読んで少し謎が疑問が解けたような・・・(何)
あと・・・いろいろと考えることもあり・・・
うまく言えないけど・・・感想が言いたくなる・・・
けど絶対自分が思ったぐちゃぐちゃは言い表せないと絶望してしまう・・・でもなんか言いたい!~的な、、、
そんな作品でした・・・。
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