このミサ曲はどうも戴冠式ミサと最後のミサであるレクイエムの陰に隠れ、ともすれば埋もれた扱いになる。しかしこの時代にこのスケールの大きな曲が書かれたこと自体が既に歴史空間を超えている。最近バーンスタインのDVDを入手した。このことは既にベームとの対比で述べた。この曲との出会いは大学時代Mozartの短調の曲ばかりを聴いていた時にヘリオドールと言う廉価版のLpのフリッチャイ指揮、マリア・シュターダのソプラノのこの曲に出会った。死神に取り付かれた様な暗い雰囲気のなかに重い足取りがリズムを刻み、その上に清廉なシュターダーの歌声が流れる。テッパーとの二重奏もよい。両者の澄み切った声はそして今もってこの曲のベストと思っているが、何故かあまりこのLpはその後も顧みられない。CD化されたのであろうか、HMVもTowerのカタログにもない。その後アバドのCDを購入した。バーバラ・ボニーとアリーン・オジェのソプラノの二重奏がきける。ここではアバドのテンポは軽く流れる。しかしなにか物足りない。エッダー版の明記がなされている。して先日購入したレニーのDVDは音だけではフリッチャイ盤に劣るがこの映像とレニーの音作りに演奏者すべてが集中して作り上げた大ミサ曲はまさにスケールが大きく教会の空間の音が非常に映像と合わさってまさにLIVEな音楽となっている。ここでのアリーン・オジェの歌声はレニーの音楽とはまり祈りが聞こえる。これはこの曲に外せない1つだ。
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