カステラな暮らし ゆるふわっ花観察記

花について日々思うことをあれこれと・・・

日の目を見る   仕事考

2008-08-01 14:15:48 | 宝物
会社員をやめて早6ヶ月
最近 気になっている言葉に 日の目を見る・・・というのがあります
今回はいつにも増して長い文章になりますよ

起業セミナーで知り合った方がいまして
彼女はゴミ問題の専門家で 官公庁の仕事も多く
講演もなさったり 十分もう起業も成功しているようにみえました
「なぜ セミナーに参加するの? どうしたいの?」と
子供みたいな質問をしました
彼女は笑ってひとこと
「日の目を見たいの!」
本を出版することなどやってみたいということでした
官公庁のゴミ問題の提案はもちろん 刊行物も彼女の仕事
・・・でも そこには ○○市衛生局とかが書かれていて
決して彼女の名前はのりません
そのひとことが自分の仕事にもあてはまっていて
そこがなにか 心の中でもぞもぞ言っている一因ではないかと思いました

先日の世田谷美術館の建築家のラフ画 イメージ画を見ていて
うちのパパが一言「建築家はいいよな~ これから図面起こして
実際立てるのは たいへんだよな~」と・・・(パパはデザイン学校卒)
もちろん図面を起こせる建築家がほとんどでしょうが
確かにデザイナーとかになってくると 図面も起こせないイメージ優先の方も
多いとききます
でも 出来上がったものは 建築家やデザイナーの仕事であり
そこには大工さん他現場の方々の名はありません
他にもテレビの世界とかでもそうかもしれません
そう考えると仕事は努力とは無関係に 日の目を見る仕事と
そうではない仕事とがあるんではないかと・・・

花の仲卸の仕事はまったくもって日の目を見ない仕事です
それが当たり前だと思ってきたし 日の目を見たいとかも
考えたこともありませんでした
生産者は自分の花とともに 紹介されることも今の時代は多くなってきました
それは苦労して花を作っているのだから当然です
花屋さん もしくは フラワーデザイナーも作品とともに
紹介されます それにはデザインをするという自分の力量に対しての
評価ですから それも当然です
しかし 仲卸という仕事は サービス?物流?
どんなにお客さんのために 花をそろえても
どんなに生産者のために 考えアドヴァイスをしても
表にでることはありません
私たちは何を生み出しているんでしょうか?
仲卸の仕事をしてからず~っと考え続けていました
お客さんの必要としている花を そろえて売る?
安い値段で花を提供する? 
それはもう原始的な発想です
何も生み出さない仕事をしていると思うのは苦痛です
その中に どんな価値をみつけるか
苦しい言い方をすれば 大義名分が必要だったのだと思います
ある意味なくてもいい仕事の中で 
仲卸として 恥じない誇れる存在意義

店長になってからは それこそ毎日売り上げを伸ばすことで
いっぱいいっぱいの日々
とにかくお客様の必要だと思うこと 喜んでもらえることだけを
考えてやっていました
売り上げがついてきたとき この花の業界のために
需要を伸ばして 潤っていく業界になるようできることはないのだろうか?
と思うようになっていました
本当にただ花が好きでやってきただけです
残りの人生は 花の世界に恩返しをしようと思いました
市場のイベントの企画も たくさんのデザイナーに 
それこそ日の目を見てもらいたい一心でやっていたし
生産者こそが一番潤うべきだと思っているので
良い生産者の花はそれこそ自分がそこのセールスマンに
なったつもりで紹介してきました
業界全体のパイを上げることで 自分の会社も良くなっていく
そう信じていました
しかしそういったことは社内的には評価も低く
自分のやりたいことがやれない状況がやってきました
新規の小売スクール企画に仕事が移り
会社員ですから 自分なりには そこそこやれたと思っていました
実際消費者のかたがたと接するようになって
またいろいろなことが見えてきました
業界全体がそれぞれの思い込みでずれてきていること
今 やらなくてはいけないこと
もっと早く会社を辞めるべきだったのかもしれません
自分で会社を立ち上げてでしか 自分のやりたいことはできません

その思い込みには自分自身仲卸のときは
その真っ只中にいました
種苗会社は新しい品種といいながらも似たようなものばかり生み出し
(たとえばデルフィ系 マム ガーベラなど)
「デルフィは水でも空でもなんでもいいけど グリーンやブラウンとか作って
みたら?」 と言ったら二度とその種苗会社がきませんでした
生産者もラナンキュラスが売れるときけばこぞってそれを作る
農協もそれで良かれとたいした指導もしない
花の需要はブライダルや葬儀などイベントが今ひっぱっていっているので
本当に花を買って使う人の意向よりも 
そこで働くデザイナーの意向や マスコミの情報に流されている感じ
持ちの悪いイングリッシュローズばかりになったら
本当に花を買ってくれる人はいなくなってしまう
はやりすたれは 活性化のためにも大歓迎
でも旬にあらずの花で あふれさせてはいけないと思いませんか?
野菜は安全 おいしいそして見た目がよければなおのことよろしい!
と言う基本的な価値観があります
花は?
美しいこと やはり安全であること(農薬とか)もちがよいこと
そして適度に今風のテイストがはいっていれば(色 咲き方など)
なおのことよろしいのでは?

値段でいえば 工業製品ではないといっても
せり制度において 原価を割ると言うのはどうなんだろう
必要なとき高くていらないとき安い
もっともなようでもっともではない
その商品の価値の対価であるべきだと思うんだけれど・・・
コストパフォーマンスが成り立たないのでは
今後も離農は増えてしまうよね
必要必要でないだけの判断ではなく そのものの価値で対価を決めていかないと
いけないんじゃないかな?
せりで安く買ったと自慢している人の気持ちはわからなくもないのだけれど
買うほうもやはりそれなりに支えていかなくっちゃあいけないんじゃないかな?
私自身はヨーロッパの一部の国のように
せり制度は崩壊したほうがいいと思っています
そのためには 最終的には全国レベルで生産調整をするなり
解決策を考えていくべきだと思います

今は花屋もデザイナーも直接産地に見学に行って交渉する時代です
生産者には励みにもなり 大変いいことだと思います
でもデザインする側はあまりそこにこだわってはいけないと思います
自由な発想 組み合わせで花の美しさをもっともっと
アピールしていって欲しい
生産者に入れ込みすぎると 自分の才能を狭めてしまう可能性もある
その二者をつなぐパイプ役として 仲卸を利用していって欲しい
クッションはあったほうが楽ということです

もうひとつ思い込みということでいえば
生産者と花屋さんでいくら勉強会や講演会を開いても
需要にはつながらないということ
もっと業界全体で 外(消費者)にアピールしていかなくてはね!!

会社を辞めて半年 自分の会社を立ち上げるまであと5ヶ月
区切れのいい今日 自分のためにこの文を書きました
最後まで読んでくださった方がいらっしゃったら
本当にありがとう
日の目を見る仕事ではないけれど 花のことを思うピュアな気持ちだけは
忘れず この6ヶ月で考えたこと
この先の5ヶ月で学んで思ったこと
形にしていきたいと思います
実際始まったら自分の会社のことだけであっぷあっぷかも・・・??

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
熱い気持ちが伝わります (mizumizu)
2008-08-01 21:15:32
1行1行、「うんうん」とうなずきながら読ませていただきました。
カステラママさんには及びませんが、
一応仲卸で働いたことのある身としては、
本当におっしゃる通りだと思いました。
私は当時、日の目は見なくても私たちがいなければ流通が滞るんだ!
と言い聞かせて頑張っていた気がします。
だけど、実際に働いていて絶望したことも色々あります。
デザイナーさんたちだったり会社の方針だったり・・・。
どんなに会社で頑張っても、認めてもらえない気がしました。
よく、カステラママさんにもなぐさめてもらいましたっけ。
我が家の近所でお花を買うことがありますが、
もうそれはそれはダサくて、自分の求めるものにはなりませんっ。
何か、まだまだ日本の花業界は消費者がモノ言える状況じゃないんですよね。
出来上がったものを見て、「要りません」とは言えないもの・・・。
お花屋さんの意識改革も必要でしょうし業界全体の改革も必要でしょうね。
でも何より、今の日本を変えることにつながっていると思います。
(まぁ政治家たちを見ると絶望的ですが・・・。)
昔の日本人が持っていた心の豊かさを取り戻さなくては、
日々の生活に追われて、
とてもお花を愛でる気持ちになれないと思います。
カステラママさんのビジネスが、
色々な意味で花業界を潤すことを期待しています。
起業まで5ヶ月、頑張ってくださいね。
私はその頃日本にいないかもしれませんが、
いつも応援していますよ~
それまでにできることがあれば、おっしゃってくださいね。
では長くなりました。
返信する
ありがとう! (カステラママ)
2008-08-02 18:32:58
読んでくださって本当にありがとう
一緒に働いていたときも 本当にありがとうと思っていました
こちらのほうこそいたらなかった部分があって
つらい思いをさせてしまったんじゃないかなと・・・
でもいつまでも どこにいても 応援していてくださいね
応援してくれている人がいるって思うことが
何よりの励みです
どっか行く前に会ってね!!ぜひ!!!
返信する

コメントを投稿