上巻の裏表紙の言葉から
ーかつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。
そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がり込んだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。
昨日あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ。
偽札の出所を追っているのは警察だけではない。
一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きた物騒な事件に必ず関わっている裏会社の あのひとも、その動向に目を光らせているという。
小説名人・佐藤正午の名作中の名作。
圧倒的評価を得た第六回山田風太郎受賞作。ー
下巻の裏表紙の言葉から
ーこのままじゃおれたちはやばい。
ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。
だけど厳密にやばいのはあんただ。
わからないか。
夜汽車に乗って旅立つ時だよ。
身を潜めて小説の下書きを進める津田伸一は、退職金をいきなり手渡された。
ついに あのひとが現れたのか?
忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、うごめく裏社会、疑惑の大金・・・・・
多くの人の運命を狂わせた、たった一日の物語が浮かびあがる。
数多の作家をも魅了した、ユーモアとスリル、そして飛び立った 鳩のあまりにも鮮烈な軌跡。
現代小説の名手 佐藤正午渾身の最高到達点。ー
ある夜 妻から妊娠を告げられた夫は意外な反応を見せた
はた目にはうまくいってるように見えた家族
その家族が消える
いったい何が起きたのか
現実と創作小説の交錯
使ってしまった一万円札は偽札だった
この偽札はどこから来たのか
消えた人々は何処に行ったのか
小説の展開は正しいものなのか
この物語の仕組みを追いながら 考えつつ読み進める上巻は 読みながら少し疲れます
出て来る名前 人間関係を頭の中で咀嚼しながら読まなければなりません
さて物語が動くかと思える下巻ですが
結局 それは津田という作家崩れが書いている小説は未完のまま
彼が持っていた本への考察
偽札と真札の混ざった理由も推測
期待した事件は そこにはなく
どうも肩透かしをくったまま小説は終わります
これを面白いととらえるか 好き嫌いの分かれるところでしょう
解説は糸井重里さん
(コメント欄は閉じております ごめんなさい)