浪速夢見頃>小話2♪健太の波紋
1999-7
「健太」少年が湖のほとりを散歩していたときに、ふとした拍子に
小石を蹴飛ばしてしまったら、小石は転がって湖に落ちた。
すると綺麗な波紋がどんどん広がって行くなんと美しいと見とれて
いると他にも多くの人達が寄って来て同じように見とれていた、
夢の様な出来事だった。
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「健太」青年が大地震で目覚めると部屋のタンスの隙間に
挟まれていた何とか外に這い出して見ると、周り一面は
瓦礫の山で有った、ふと気付くと両親や兄弟が見あたらない、
あわてて家の瓦礫を取り除いて全員無事に助け出す事が出来た
しばらくすると近所で火災が発生してどんどん燃え広がる、
ほとんどの人はただ呆然と眺めているだけだった
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健太はバケツを探し出して近くの川から水を汲んで来ては
かけ始めた次第に波紋のように協調者増えて長いバケツリレー
が延々と続き襲って来る火災に勇敢に立ち向かい類焼を
止める事が出来た。
「健太」親父が大飢饉の時に多くの人がばたばたと
餓死し始めたのを見て少しづつ米の募集をして、近くの
大きな公園で無料の雑炊の炊き出しを初めた、
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その内に協力者が波紋の様に広がり、雑炊を待つ
長い行列が整然と続き全員が生きる為に食料を
分かち合って食いつなぐ事ができた。
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「健太」老人は毎朝起きると自分が出来る事をしたいと
思って塵の袋を持って散歩に出かけ塵の収集を始めた
次第に塵の袋を持った 散歩者が波紋の様に広がり
その内にタバコや空き缶を捨て無くなり街は常に
美しくなり全員が気持ちよく暮らせる様になった。
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「健太」老人の葬式には、波紋のように伝え聞いた
人々が数多く集まって焼香の長い列が出来た、
その後に「健太」を賛美する石碑が建てられ健太の功績が
波紋の様に伝えられ続けている
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