浪速夢見頃＞あかがわ川柳クラブ92号(2014年9月)
コープ大阪病院：あかがわ生協診療所：川柳月例会
会員作品は高齢者（主に６０歳代～８０歳代）です
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賛彩天（特選）
兼題〔夜〕 （天）川端一歩）終戦の夜は疎開地で笑うた
兼題〔実像〕（天）荒川鈍甲）虚と実のはざまで喘ぐ民主主義
自由吟 （天）平嶋美智子）とつとつと体験語る終戦日
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兼題 「実像」１
川端一歩）鬼検事家に帰れば恐妻家
喜多佐津乃）自画像が斜めに写るウインドウ
延山みえ）生きて来た時に応じて七変化
荒川鈍甲）白本の箱にただの小石があつた頃
千恵子）実像は隠し虚像で演技する
文子 ）月拝みベランダの月平和見る
千恵子）実像はまだまだ謎の海の底
近藤正）政治家の実像とかく見えにくい
荒川鈍甲）実像を見ずに物言う癖がつき
千恵子）国会のその実像は霧の中
川端一歩）つまみ食いひとリニタニタほくそ笑む
文子 ）国会の実像何時に落着くか
弘子 ）夕陽浴び影と並んで帰路急ぐ
弘子 ）鏡前笑顔作りて出勤す
井上正道）実像が戦のむごさ描き出す
猪口茂）見渡せば景気の実像庶民無視
妻子 ）実像はいくさの準備だと思う
兼題 「実像」２佳句
茂 ）原発禍実像隠し再開か
小林妻子）実像も虚像も総理使い分け
井上正道）実像を知らせぬための秘密保護
勇 ）富士の山実像よりも写真良し
喜多佐津乃）子の背中撫でて甘えて老後繰る
延山みえ）実像と虚像の落差大きすぎ
邦夫 ）気が付けば夢から覚めた戦場に
近藤正）フクシマの事故解明は闇の中
川端一歩）人殺す本性どこに住んでいる
文子 ）議員等の実像のぞき見たいもの
人の句
正 ）仏心を匠が刻む仁王像
地の句
邦夫 ）戦争はしないとうそぶく安倍総理
天の句
荒川鈍甲）虚と実のはざまで喘ぐ民主主義
軸吟
美智子）今もなお夢は虚像の惑を出ず
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兼題 「夜」１
猪口茂）殺させぬ平和九条闇夜入り
喜多佐津乃）夜明けまでささやき続く恋の糸
荒川鈍甲）遠い日の火を焚く群のさんざめき
千恵子）老二人夜人時には床に就く
美智子）眠れた夜あっという間に朝が来る
延山みえ）金魚すくい遠い夜店のことなのに
弘子 ）真夜中に地震予知して眠気覚め
勇 ）夏の夜星は輝き月丸く
川端一歩）零細の夜逃げは誰も咎めない
美智子）節電の名目早寝早起きし
田中邦夫）熱帯夜眠れぬままに朝が来る
妻子 ）二度の職徹夜もすると承知する
川端一歩）善人を真似ると夜が長すぎる
延山みえ）満月は私をかぐや姫にする
千恵子）散歩道今日は賑やか夜店市
文子 ）遊び過ぎ夜の月が笑ってる
荒川鈍甲）苦悩や歓喜眠れぬ夜が遠ざかる
兼題 「夜」２佳句
美智子）夜逃げさえ思う貧乏だった頃
勇 ）賑わいは夜の大阪日本一
井上正道）イスラムの夜空に光る悪魔の火
田中邦夫）戦争に闇夜に潜む安倍の顔
弘子 ）夜ふかしが身体に辛く忍び寄る
荒川鈍甲）讃美歌もよいなと思う通夜の席
猪口茂）平和への夜明けの誓い世代越え
千恵子）闇の夜に一際浮かぶ白い花
文子 ）ベランダの夜遊び孫の笑い声
小林妻子）夜から夜へ食わねばならぬ戦後談
人の句
喜多佐津乃）流れ星願かけている暇がない
地の句
延山みえ）母若く祭りの夜のうす化粧
天の句
川端一歩）終戦の夜は疎開地で笑うた
軸吟
近藤正）温暖化日本引きこむ熱帯夜
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兼題 「自由吟」１
猪口茂）散歩道行方不明の認知症
弘子 ）新生児女系家族で四世代
弘子 ）心読み漱石本を詠みあきる
勇 ）西瓜食べ風鈴の音よ夏の夜
喜多佐津乃）夜ふかしに体にしみるわさび漬け
文子 ）川柳も歳に負けるかむつかしい
美智子）やつぱりなあ主張ゆずれぬゆい維新
邦夫 ）一記録的備えが必要災害だ
文子 ）雨よりも嵐が先にあらわれる
荒川鈍甲）この秋は徒然草と語ろうか
美智子）食べて寝てだけどしんどい猛暑負け
田中邦夫）新基地を辺野古と京で競い合う
延山みえ）母若く祭りの夜の薄化粧
近藤正）何気なくウサギの切手貼り叩く
井上正道）福祉なし介護保険はかけ捨てか
小林妻子）中国とお金儲けは仲が良い
兼題 「自由吟」２佳句
小林妻子）国境は競技の世界には見えぬ
井上正道）何事も再議連発民意無視
喜多佐津乃）着てみよう勇気を出して古い服
邦夫 ）どこにでもぬつと顔出すオスプレイ
延山みえ）男の手顔かき回し汗を拭く
延山みえ）どうかなあ試しにパパに食べさせよ
延山みえ）三兄弟ゆずり合ったり競ったり
荒川鈍甲）増税被害想定同じ隠せない
美智子）また豪雨天地の怒りまざまざと
近藤正）フクシマの牧牛の子は元気です
人の句
近藤正）核の傘高い買い物止めなはれ
地の句
鈍甲 ）基地の血の臭いを花は悲しがり
天の句
千恵子）とつとつと体験語る終戦日
軸吟
一歩）長生きで曾孫二人目に出会う
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