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浪速夢見頃>日本の伝説(9)
♪雷の手形
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あらすじ
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雷の手形(かみなりのてがた)または手形傘(てがたがさ)は、山梨県に伝わる
伝説。甲府の時宗寺院である一蓮寺(現在は甲府市太田町)に伝わる伝説で
江戸時代の甲府勤番士の日記である『裏見寒話』に記されている
[概要]
昔、一蓮寺で葬式が行われていたところ突然にして空に暗雲がたちこめ、
凄まじい雷鳴が轟くと共に暴風雨となり参列者たちは大いに恐れおののいた。
和尚の朝比奈は寺の塔の上で読経していたが、その塔の上に雷が落ち
雲の中から毛だらけの大きな手が出て来て和尚をつかもうとした。剛力の
和尚は手を伸ばして怪物の腕をつかみ返し、しばらくの力比べの後、怪物は
雲の中から引きずり下ろされた。怪物は逃げようとしたものの和尚に
組み伏せられて逃げることができない。
そうこうしている内に風がやみ黒雲も消えた。怪物は「雲が消えては天へ
帰れない」と命乞いをしたところ和尚は「寺や檀家を嵐や雷で襲ったり
しないと誓うなら、許しても良い」と言った。怪物が承知したところ、
和尚は証文を書くようにと硯箱を出した怪物は「私は怪物なので字を知らない
証文だけは勘弁してほしい」と頼んだ和尚は「ならばこの墨を掌につけて
日傘に手形を押せ」と命じたので怪物は言われる通り傘に手形を押した
以来、和尚は葬式のときにはその手形の押された日傘を差すようになり、
怪物が雷を落とすことは二度となかった。国中がこの和尚の剛力を
尊敬したという現在でもこの傘は寺に残されており7月の虫干しに参詣すれば
見ることができるという
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