リカリズムな日常

6拍子に彩られた破天荒な毎日

ちょいとお待ちよ車屋さん ②

2011年07月12日 | 鑑定スケジュールやスピ話

「籐子さんと車屋の話は、飯炊き女たちにはバレバレだったよ。」

先週、奇跡のタイミングで都合があってお茶した妹は、当時の顔にすごく近くなって私に話してくれました。

前回こちらに「籐子」って名前だったころの前世話したかと思います。
読んでみたい方はこちら→ちょいとお待ちよ車屋さん

どうやら妹は私がキセルを買いに行ってもらうようお願いした、給仕班のサブリーダーだったようです。
彼女の名前はおくにさんだかおまつさんだか。
リーダーの片腕としててきぱき働く、凄腕女中さんでした。

なんでそんな話になったかって。
妹は私と話してると霊感スイッチ入っちゃうようです。
籐子時代の詳しい話もしてないのに妹からサクサクと展開をしゃべってくれる。
あれはちょっとしたホラーでした。いやびびった。


おまつさん、籐子が大嫌いだったとか。
ド天然で空気読まないお嬢様はそれはそれは大変だったようです。
こっそりと持たせたキセル購入金は飯炊き女の一ヶ月のお給金にも近い額で女学生のクセしてこれがこずかいの額かい!ってイラっとしたとか。
馬車しか通らない通りのとこにしか豪華なキセル屋はなくて、汚い格好を少しでも小奇麗にして徒歩で買いにいったのだとか。はいったことない店でとても心細かったとか。
店員がタキシード着ててじろじろ見られてやだったとか。
申し訳なさ大爆発です。


「あたし、車屋好きだったんだよねー。」

・・・衝撃の事実。
そんな人にキセルを買いに行ってもらっちゃったとは。さすがド天然。
買ってきてもらったキセルの絵も書いてもらったのですがぴったり一致してました。

そっからはおまつさんと車屋談義。
私の知らない車屋をよく見て知ってました。

男衆女衆が仕事のあと集まって飲む集会場みたいなとこで車屋に酒を進められ、そのとき肩に置かれた手で惚れてしまったのだとか。
仲間内では酒を上機嫌にのみ、騒ぎ、豪快に笑う男だったそうです。
そんな姿は仕事場では一切見なかった。な。とつぶやくと、
「あれだよ、クールに仕事をこなす俺、かっこいい、って酔っ払うタイプだったから。」

彼には親が決めた婚約者がいたこと。
籐子がやっと嫁に行ったあと、あとを継いだ若旦那も嫁をもらって籐子専属車屋を若旦那の嫁専属にしようとしたのだけれどそれを嫁さんがちょっと顔を曇らしたのだとか。「籐子さんのお古ですか?」と。
それじゃあ自分辞めます、と車屋はそれを機会に辞表をだしたのだとか。若旦那は止めたけれど聞かなかったとか。
「あいつが辞めたの籐子さんのせいでしょー」ってうわさでもちきりだったとか。
そのあと車屋は嫁さんもらってどうなったかわかんない、とか。

おまつさんは大旦那より若旦那の采配っぷりに惚れ込んでいたらしく、若旦那の生活のいろいろも教えてくれました。
籐子からすると、お兄さん。の話。
「わけ隔てなく話しをして心配ってくれる人でね」とか。「嫁さんにぞっこんでね、片思いだったけど」とか。「書斎がいつもタバコとジッポの油のにおいがしてね」とか。「レコード山ほどもってたよ」とか。
若旦那はタバコの吸いすぎで肺がんで若くして亡くなったとか。

籐子の姿を教えてくれました。
日本結いのあたまに長袖の真っ赤なドレスで、蓄音機でジャスを聴いてた、とか。


でも、嫁に行ってそのあと籐子がどうなったかはおまつさんも知らないのだとか。

そこが未だ謎。


「・・・なんで車屋じゃなきゃ、ダメだったわけ?」

おまつさんに時代を超えて問われました。
その横顔は私のよく見知った妹のそれでなく、36歳くらいの当時の女の顔をしておりました。
これはちゃんと答えねばと思ったのですが、むにゃむにゃとしか、いえない。
なんでだろ。。。。
ボンボンはまわりにいっぱいいただろうに、ぜんっぜん魅力的に見えなかった。

考えてみたら、父親のこともお兄さんのことも記憶に薄いのです。多分母親はもういなかったように思います。
蝶よ花よと育てられて、自分に深く分け入ってくれる殿方がいなかった。身内にも。
そんな中、毎日のように連れ出してくれて守ってくれてるように感じた車屋にだんだん惹かれてしまったんでしょうか。
結局私は、自分の人生に深く干渉してくれる男を好いてしまうようです。


・・・前世は前世、今は今。

今日は自己満足のためだけに書きました。
頭整理してる最中ですのでどうぞお許しを。