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鎌倉を歩く 23 光触寺の塩嘗地蔵

2017-03-21 08:34:58 | Weblog
鎌倉を歩く 23 
              光触寺の塩嘗地蔵



 「久しぶりだね。胃の調子はどう?」「ようやく、胃の存在を感じなくなった」「それは
よかった」「やはり、歩くのが胃によいことがわかった」「歩けば健康になると信じよう」
「雑誌の記事に毎日40分以上、続けて歩きなさい、とあった」「そう」「40分のうち1分
歩く速度を早め、それを3回繰り返しなさい、だと」「1分間を3回だね」「そう。脈拍が
あがって、血液の流れが早くなる。カラダによいのだそうだ」「そうなの。ところで今日
はどこへ行く?」「塩嘗地蔵へ行ってみよう」「塩嘗地蔵か、塩が好きなお地蔵さんだね」
「まずは鶴岡八幡宮に参詣しよう」

歩く:鶴岡八幡宮、石段を下りて左折 大江広元邸の前を東へ
(鎌倉駅から金沢八景行きのバス、十二所で下車)。

 「八幡様の参拝が済んだから、階段を降りてすぐ左折しよう」「前に大江広元邸址に行
ったときと同じ道だね」「そう、その先に塩嘗地蔵の光触寺がある」「広元邸址まで、結構
な道のりだった」「運動のためだ。自動車道を避けて、この地図を見ながら路地を歩こう」

 「ここが、光触寺だ」「おや、ひっそりとして、人影がない」「ここまで足を伸ばす
観光客は少ない」「そうか、だから木戸銭もいらないのだ」「ここに説明の看板がある」

 「時宗の開祖、一遍上人が開祖と伝えます。本堂の木造阿弥陀仏如来及び両脇持立像が、
盗み疑いをかけられた法師の罰の身代わりになり、頬に焼印が残ったと言われる伝説があ
ります。本堂の前の塩嘗地蔵は六浦の塩売りが朝比奈峠を越えて鎌倉に来るたびにお地蔵
様に塩をお供えしたといい、いつも帰りに無くなっていたところからその名の由来があり
ます」

 「この説明文はわかりやい」「頬に焼印の罰とは酷いなあ」「鎌倉時代、検挙されると、
腕に入れ墨されて釈放された」「そう」「再犯は許さず、二度目の検挙ではバッサリと」
「首を刎ねられたの?」「そうらしい。その刑事罰が頬焼阿弥陀伝説に投影されているよ
うに思う」「なるほど」「寺の前の道は江戸湾に抜ける道だった。ここで関銭をとったのだ
ろう」「通行税?」「朝比奈切通しの工事には、たいへんなカネを要した。それに」「それ
に?」「この辺りに多くの貧民が暮らしていたのだろう」「そうか」「かってな推測だ」

「立派なご高説を承った。ところで、帰りはバスということで」「歩きに来たのだろう?」
「ダメか、持ち上げるんじゃなかった」「何か言ったか」「いや、なに、その、早く駅前に
帰って泡のたつのをぐいっと…」「だ~め、歩こう」「だめか、しかたない。歩きましょう」