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鎌倉を歩く8.材木座から和賀江港跡へ

2010-06-25 07:59:18 | Weblog
鎌倉を歩く 8
           材木座から和賀江港跡へ


                   (写真は光明寺。クリックしてみてください)

 「海を見に行こう」「え?いきなり海、そうか、鎌倉には海があった」「意外そうな顔をするね。鎌倉、お寺、山のイメージなんだ」「由比ガ浜で潮の香をかぐのもよさそうだ。行こう」

歩く:鎌倉駅 一の鳥居 材木座海岸 和賀江(海に向かって左へ砂浜を歩く)

 「なぜ、源頼朝は鎌倉に幕府を開いたのだろう?」「三方を山で囲まれた町で、鎌倉城といわれた。要塞堅固なところが気に入ったのだよ」「もう、一方は海で、あっけらかんと開かれている」「そうだなあ。船で浜に乗りつければ、背後から攻撃できる」「前浜といわれた長い砂浜に盾を並べて敵を防ぐにはムリがある。頼朝は流通の便によい所として、鎌倉を選んだと思う」「なるほど」「話しながら歩いたら、もう一の鳥居だ」「この辺りまで砂浜だったのだろうか?」「おっ、海が見える。気持ちいいなあ」

 「タイムスリップして、鎌倉時代の中ごろ海を見たら、船が1艘も見えない、多くの船が見える、どちらに丸印をつける?」「それは、え~と、多くの船が見える、だろうなあ」「推定人口6万人分のコメや味噌、野菜、酒、薪炭、材木など重量物を運ぶには、船のほうがいい」「化粧坂をみたとき、牛車や馬車で重いものを運ぶのはムリと思った」「1人が1日消費するコメやミソ、野菜、酒など1キロとすると6万キロ、即ち60トン。船で運んだはず」「トラックなら、6台分か」「砂浜が尽きた山際のここに、和賀江港があった」「え?ここに港があったの?」「説明の看板がある」

 「三代執権北条泰時が僧の提案により、1232年に築港した。現存する築港では日本最古、昭和43年に国の指定遺跡となる、などとある」「最古の港か」「人工の港では最古という意味だろう」「多くの人々がここに集まった」「いつだったか、岩手県北上市から大型バス2台が乗りつけた。皆さん、ポリ袋をもって清掃を始めた。ワケを聞いたら、ご先祖が築港の手伝いに来ているのだそうだ」「ほんと?驚いたなあ」

「すぐ近くに光明寺がある。行ってみよう」「大きな山門だ」「大きさでは関東一だそうだ。江戸時代末の1847年に再建されたとある」「石柱に関東総本山とあった。浄土宗だね」「南北朝時代に佐助ケ谷にあった蓮華寺をここに移した」「庭がきれいだ」「池と庭は小堀遠州が造った。蓮は大賀博士の古代蓮と、書いてある」「蓮の花をみたいなあ」「夏の朝、早く来ると、きれいに咲いている」「そうか、飲むのを少し控えて早起きしよう」「いいことだ。裏に日向延岡藩主内藤家の墓地がある。大きな宝篋印塔を眺めて帰ろう」「歩いて帰るの?」「バスがあるけれど、中世に盛んだった道を歩いてみよう」「そうだね、そのほうがビールが美味い」「鎌倉駅前で飲みながら、鎌倉の歴史を語ろう」

歩く:光明寺前の道 大町 本覚寺 鎌倉駅