歩く

歴史探索を楽しむ

鎌倉近傍を歩く  1 氷取沢を歩く

2008-10-17 08:58:22 | Weblog

 高気圧に覆われた快晴の一日、氷取沢(ひとりさわ)を歩いてみました。コスモスが咲き乱れて、谷戸(やと)の風に揺れていました。              

コース:JR港南台駅下車→上郷高校北側登り口(環境事業局南横) ここまで、徒歩で約30分です。瀬上市民の森入り口です。案内の看板があります。 瀬上市民の森→氷取沢市民の森まで約40分です。途中は山道なので運動靴で歩きましょう。ハイヒールは危険です。

 氷取沢→金沢自然公園(海の景色が素晴らしい。売店、食堂があります)。 約30分です。案内の看板や標識がありますが、歩いている人に聞きましょう。 (金沢自然公園から、バスで京浜急行金沢文庫駅に出られます)

 吾妻鏡、建保元年(1213)9月22日の条に「将軍家(三代将軍源実朝)火取澤に逍遥せしめ給ふ。是草花秋興を覧るに依りてなり」とあり、北条時房、北条泰時、三浦義村などがお供をしています。「皆歌道に携はるの輩なり」とあります。

 氷取沢の小川の底は赤くみえます。この辺りは鉄分が多くが含まれる地層なのでしょう。火取澤は緋(ひ)取澤のことで、鉄鉱石を採取した地ではないか、と思います。氷室(ひむろ)が設けられて、氷が貯蔵されていたともいわれます。ともあれ、火取澤は氷取沢のことに違いありません。

 去る5月には、和田義盛が挙兵して二代執権北条義時を攻めましたが、敗死しました。鶴岡八幡宮の前から由比ケ浜にかけて、多くの武士たちが激しく戦い、傷つき、討ち死にしました。実朝やお供の武士たちが火取澤を逍遥した時の気持ちを推察できます。

 彼らの荒れた心を慰める、どんな秋の花が咲いていたのでしょうか。実朝さんにコスモス(メキシコ原産)を見せてあげたいなあと思いながら、カメラのシャッターを押しました。