散歩と俳句。ときどき料理と映画。

別所路傍 陽物崇拝

五つの石仏・石塔の右隣りの社の中を覗いてみると、びっくり!
三体の陽物が並ぶ。

このあたりは農村地帯だったから、
五穀豊穣、子孫繁栄、安産祈願の陽物崇拝、
あるいは信仰は何の不思議もないが、
真昼の社の暗がりからこんなものが突然現れるとさすがに驚く(笑。

陽物崇拝は
ヒトの男女の生殖器を神聖視し、それに由来する対象物(象徴的造形物や神仏)に多産や豊穣などをもたらす呪術的な力を認めて行われる信仰、崇拝。性崇拝、性器崇拝とも呼ばれる
あるいは陰陽崇拝もこのなかに加えていいだろう。
こういった信仰は古来から世界各地に存在する。

この国では大きくは仏教系と神道系のグループに分けられるというが、
たとえば縄文時代の〈石棒〉や妊婦と思われる女性を模った〈土偶〉も
性崇拝の一種だろうから、仏教、神道発生以前から存在した信仰の一種だと思われる。

共通しているのはやはり農産物の豊かな実り、子孫繁栄、安産祈願など
実りと生殖への呪力的な力への祈願である。

観光地、とくに温泉街に行くと〈秘宝館〉などに
こういった生殖器崇拝のオブジェが展示されていることがよくある。
あまりおもしろいものではない。
それは素朴な〈幸せ〉を求めるニンゲンの祈りのようなものが
消え失せているからだろう。

しずかな佇まいであまりヒトに知られることもなく、
こうした社のなかにある陽物は大事にしながらもほっておくに限る。

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