↑ワルシャワで見た青い空
映画は、アンジェイ・ヴァイダ監督の新作、「カティン」の封切りが9月17日と聞いていた
ので、ポーランドで見られるかも、と楽しみにしていたのですが、残念ながら、一部の
人のみを対象にした特別公開。実際のロードショーは、私がフランスに発つ三日後の
22日でした。残念。
この映画は、1943年、ロシア西部スモレンスク近郊の森、Katyńでポーランド兵がソ連兵
に大量虐殺された史実を元にしたものなのですが、ヴァイダ監督のお父さんもこの時に
殺されていて、この映画は亡き父親へのオマージュでもあるそう。最近のヴァイダの映画
にはあまり興味がないけど、このエピソードのせいで見たくなったと話してくれた友人も
いました。今は一般公開も始まっているはずですが、反応はどうだったのでしょうか。
フランスでも公開されればうれしいけど、ポーランド映画の新作が上映されることは滅多
にないので、かなり望み薄。
ヴァイダを見そびれた代わりに、クラクフの友人が勧めてくれたチェコ映画、「私は英国
国王の給仕をした」(Obsługiwałem angielskiego króla)を見てきました。
クラクフでは時間が取れず、半ばあきらめていたのですが、ワルシャワの友人二人も
この映画は見ていて、「面白いよ」と言うので、まだ見ていないというもう一人の友達と
二人で行ってきました。ハシェックの伝統のお陰か、チェコ人のユーモアはすごいです。
人間くささと皮肉っぽさはポーランド人と似てるけど、ポーランド映画によくある悲壮感、
昂揚感がないんですね。事態が深刻でも、さらっと受け流すようなところがあります。
この映画は、ウェイターとして働きながら億万長者を夢見る青年の話ですが、旧東欧
映画の常で、単純なハッピーエンド、一攫千金と言う形では終わりません。後は見て
のお楽しみ。問題は日本で上映するかどうかですね。