世界遺産熊野参詣道の「伯母子峠(おばことうげ)」から登る伯母子岳
(1344m)は、新雪が深すぎて頂上直下で引き返した(2013年12月23日)。
今回再度挑戦したが、雪崩で道をふさがれて、やむなく引き返し、近くの
夏虫山(1348.5m)へ登った。
前回と違い今回は、新しく買い換えた「スノーシュー」のお陰で深い雪の中
でも、快適に長距離を歩くことが出来た。
あとで分かったのだが、こちらのほうが標高が高いことが分かった。
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赤いラインが今回歩いたコースですべて往復歩いた。
※地図は「世界遺産熊野参詣道小辺路広域実行委員会」のパンフレットによる。
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高野山から奈良県野迫川村大股へ向かう。高野竜神スカイラインは、つるつるのアイスバーン状態だ。
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大股集落に到着。登山の支度をしているとやけに寒い。
気温を見るとなんとマイナス5度だ。8時15分スタート。
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大股集落の中を通る「世界遺産小辺路」を歩くといきなりスリップして転んだ。
よく見ると、中央の雪の無い部分はなんとピカピカに凍っていた。
あわてて白い雪の上を歩く。
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九十九折の道をゆっくり登る。積雪は20センチから30センチくらいだ。
先程集落の中でお会いしてお話した「おばあ」は昨日萱小屋の掃除に行ってきたそうだ。小屋までも小屋から先へも大量に雪が降った後は、誰も歩いていなかったと言っていた。
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1時間ほど歩いて小屋に到着。
「ばあちゃん」の足跡は 小さくて、内股で、しかもファッションモデルのように足跡が一直線なので、足跡を全く踏めずに苦笑い。
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小屋で熱いお茶を飲んで小休止。とても寒い。
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小辺路は直進だが、誰も歩いていない。先程のおばあが、小屋の方 左へ歩いた以外は足跡は無い。
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スノーシュー装着。以前使っていたスノーシューは横滑り防止機能が無かったが、今回のは、ちゃんと着いている。
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小屋を過ぎると雪は一気に深くなる。小屋は標高960メートルだが、ここら辺は1000メートルを超えている。深い場所では70センチくらいある。
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谷が突き上げている場所では、雪崩の起こった跡があり、大量の雪が道をふさぐ。ゆっくりと乗り越える。
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また道の狭い場所も山の上から大量の雪が滑り落ちて凍り、硬い斜面になっている。斜面のトラバースのように慎重に進む。
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道の所々にイノシシがえさを求めて掘った穴もある。穴の深さは60センチくらいだ。
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「迂回路」の看板が風に揺れているが、雪で迂回路が分からない。斜面になった道をそのまま直進にトラバースする。
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空は良く晴れ渡り、天気はいいが、とても寒い。標高は1100mを超えている。
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もう直ぐ尾根に出そうだ。
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尾根をしばらく歩くと標識があった。
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檜峠到着。小屋から1時間以上スノーシューで歩いてきた。
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今度はかなり急なくだりだ。帰路が大変だ。
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までの先行者は「イノシシ」と「鹿」だったが、今度はウサギ、狸などの小動物になる。
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遠くに高い山が見えてきた。あれが目指す「伯母子岳」だろう。
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突然大きく雪が雪崩でかぶさった場所に出た。幅もひろく表面も凍っていて、トラバースが難しそうだ。
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しかも谷が深く、滑落すればかなり下まで一気に行きそうだ。
去年の「稲村ヶ岳」の雪庇が崩れて滑落した記憶や、つい先日このスノーシューの試し歩きで岩湧山の急斜面でスリップ滑落し、脇腹を痛めたことを思い出し、ここで引き返すことに決心した。
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引き返しは上り坂になる。雪の表面がかなり凍っているので、スノーシューがあんまりめり込んでいない。
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先程私が通過した後に、小さな雪崩で斜面の雪が崩れて、ふみ後を隠している場所がある。慎重にしかもすばやく、トラバースする。
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檜峠へ引き返す手前に「夏虫山」への分岐標識があった。
せっかくここまで来たのだからこの山へ登ってみよう。
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深い雪で道が分からず、直登する。勾配がきつく、体力をかなり消耗する。
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急坂を30分くらいあえいで上り詰めると、ピークらしきものが見えてきた。
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周りを見渡してももう高い場所は無いので ここが夏虫山のピークだろう。なにやら手作り標識がぶら下がっているが古くて判読不能だ。
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直ぐ南に同じくらいの高さの山が見える。1344メートルの伯母子岳だ。
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東のほうにも遠くにかなり高い山が見える。奥駆の釈迦が岳かもしれない。
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さあ下山だ。私のふみ跡を辿り一気に滑るように降りる。
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檜峠からの帰路はアップが少なく、ほとんどダウンなので、とても楽だ。
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不思議なマークがあちこちの木に貼り付けてある。鹿除けなのか。
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雪崩箇所のトラバースはすばやく、慎重に、確実にステップを切る。
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道のかなり下のほうに林道が見えてきた。かなり降りてきた証拠だ。
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萱小屋に帰着した。やれやれだ。
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小屋で遅い昼食とする。歩きながらおにぎりをひとつ食べただけだから、おなかが減った。熱いお湯でカップ麺とコーヒーを入れる。
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ここでスノーシューを外す。今回はこのスノーシューは大活躍だった。
これがあったからこそ深い雪の中を、何時間も何キロも歩けたのだ。
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小屋を過ぎるととたんに雪は少なくなる。靴だけで十分安全に降りれる。
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大股に無事帰ってきた。やれやれだ。
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集落の中から私に付いてきて、クルマの後ろの道路の真ん中でじっとこちらを見ていた。山装備を外したり、着替えていると、道路の真ん中で寝てしまった。
通りかかったオバアに「危ないなあ」と言うと、「この村の人はみんなあの子と知り合いだから、みんな避けて通るよ」だとさ。
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実際に歩いた記録。8時15分にスタートして、14時45分帰着。お昼休みは約1時間。
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高度と距離の記録。伯母子岳より、夏虫山が標高が高いことが分かった。
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