じゃっくり

日常をひたすら記すブログ

施設実習 ~入所編

2006年01月10日 | 介護
老人保健施設(以下老健)で施設実習中です。老健の一番の目的は在宅復帰でして、利用者の方々は日々それを目指してがんばっておられるのであります。昔は取り入れられなかったリハビリが充実しているのもポイントです。リハビリ専門のPT(理学療法士)やOT(作業療法士)もいます。医者もいるんです。この老健のお医者様はよぼよぼの方でしたけども。大丈夫かいと僕は利用者の方より、こっちの先生の心配をしていたのでありました。

一日目と二日目は入所者の棟に向かいました。実習担当の主任のHさんを紹介され、色っぽい色白の方なので、ドキュンと胸を打たれながらも、事細かな説明を聞いたのでありました。

まず十二室あるお部屋のトイレとポータブルを掃除してください、と言われたのですることに。ここで思ったのが、ポータブルを使っている人の多さ。日中から使用しています。僕が勤務している老健では、ポータブルを使っている人は二人います。ただ、それは夜間のみです。日中はできるだけ、お部屋の洋式トイレを使っていただくように勧めているのです。自立ということに主眼を置けば、おそらく僕の施設の方が優れているのかもしれません。

ある利用者と打ち解けました。目が見えないその方の部屋に入るときは、まず失礼しますと言い、名前を呼びます。そして、自分の名前を呼びます。それが大事なのでしょう。僕は彼のことをいろいろ知りたくて、趣味とか出身地とか好きな食べ物とか聞きまくりました。仕事としてじゃなく、単純に興味があったんですね、僕は彼に。

食事の時間になりました。僕はここでん~とうなってしまいました。これでいいのかなあ、と。あらかじめ、ご飯は炊かれており、職員が全部茶碗に盛り付けてしまうのです。お汁も、その他のおかずも同じです。利用者がすることは皆無です。これはどうだろう。僕のところでは、茶碗は何もいれない状態にして、できるだけ利用者の人に自分で入れてもらうようにしています。

食事介助を要する人が一人いて、僕はその方の右側に座り、スプーンを持ち、口へと食べ物を運びました。自分でスプーンを持とうとする意欲はおそらくなかったですが、口を開けてくださいます。嚥下(飲み込み)のペースがいまいちつかめないので、ゆっくりと時間をかけて介助しました。ちょっと食事のときの振る舞いが変で、でもたいして気にせずに介助を終えたら、そこからがちょっと大変でした。その利用者がおう吐してしまい、介護士、看護師が入れ替わり立ち代り入り乱れることに。ちょっとびびりました。

着脱の介助をしました。普段から入浴介助をしているので、この辺はお手の物! なはずでしたが、環境が違うということはやはり大きい。一番戸惑ったのはスピードです。本当に早い。一体一人何分なのだろう。利用者が脱衣場に来て、出るまで十分ちょっとしか経ってないんじゃないか。僕のところでは一人に三十分ほどかけるので、かなりのギャップを感じました。

利用者とのコミュニケーションですが、今回は自分の方から割りと進んで話しかけることができたかと思います。道具をよく使いました。広告が何枚もあったので、それで利用者と一緒に入れ物を作ったんです。僕が手間取っていると、教えてくださる利用者がいたり、それだけでコミュニケーションがとれました。それ以外には、お手玉とか、紙とペンを使って絵を描いたりだとか、周りのものを使ってなんとかしのぎました。

会話ですが、やはり最初は名前を聞くことからはじめました。「お名前は?」その次は「出身地はどちらですか?」この二つは老人相手にはかかせない質問だと思います。興味津々ですからね、向こうも。他には「ご趣味は何ですか?」を僕はよく使います。しっかりされた方が多かったので、いろいろ話せました。

やっぱり同じ老健でも、違うんだなあと思いました。

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