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じゃっくり

日常をひたすら記すブログ

介護福祉士

2009年02月24日 | 介護
*写真は鳥取砂丘の夕日です。

 介護福祉士の資格獲得のために勉強しているんです。一次試験はパスして、今は三月一日にある二次試験である実技試験に向けてビデオやらテキストやらをみています。
 実は前にホームヘルパー二級を取得するための講座に通っていましたが、途中で断念した経緯があるんです。でも今回は「社会」、或いは「世間」または「会社」が後ろでこちらをじろじろ見ているのもあって、最後まで半強制的にやらされているので、受かる可能性もあります。
 また結果がでたら書きます。


アルツハイマー

2006年07月12日 | 介護
 NHKでアルツハイマー型認知症者に焦点を当てた番組をしていた。五十六歳。三年前にアルツハイマーだと診断されたのだという。僕の父も五十六歳。そういうわけで、見ないわけにはいかなかったのだった。
 彼は元町長である。故にとても偉そうにしているだろうなあとか思っていたら、外にでた彼はぺこぺこ頭を下げながら、笑顔で他人と接していた。
 でも、やっぱり家の中だと違った。奥さんにたくさんのことをやってもらっている。タバコの火はつけてもらうわ、爪は切ってもらうわ。そして、奥さんに対する態度がでかい。カメラが入っているから、抑えていると思うのだが、実際はもっと威圧的に接しているのだろう。
 認知症なので、思うように記憶が辿れず、言葉が出てこない。「あれ……」と頭を振るしぐさが増えてきた。思うように話せず、いらいらして奥さんに当たることもあるという。
 そんな彼はデイサービスに通うようになった。デイサービスではお風呂に入ることができるし、色塗りや計算問題をして、脳を活性化したりすることもできるし、リハビリができる施設もある。でも、一番良いことは、他人と交流ができることだろう。普通の他人じゃない。どこか身体が弱く、障害をもっている人もいる。そんな他人と触れ合うことが一番の収穫になると僕は思う。
 しかし、デイサービスから帰ってきた彼の表情が冴えない。あんなところに俺を放り投げて……と怒っているのかもしれない。
 病院での検査結果が出た。アルツハイマーは思ったよりも進行していて、軽くはないらしい。
 北海道で認知症がテーマの講演会が開かれるという。それに彼はモデルケースとして呼ばれた。これまで人前で話をするのが得意だった彼は、緊張で声が震え、涙を流しながら訴えていた。
 番組は奥さんの手記のようなもので締めくくられた。
 旦那さんは結局あれから容態が悪くなり、家庭では診れなくなり、施設に入所したのだという。BGMもなく、背景は真っ黒で、無音の中に白い文字が浮かび上がってくる。それは終わりを予感させるものだった。
 よかったよかったで終わらないところがリアルだった。

きつきつ入浴介助

2006年06月19日 | 介護
「今日は多いんだけど……」と悪いことをしてないのに、申し訳なさそうな顔で奥谷さん(仮名)が僕に言ってきた。多いとは、入浴者が多いということだ。僕は本日の入浴介助者である。二人で入浴介助をするときもあるが、今日は僕一人。
 入浴希望者のパネル数を数える。……六人か。一人で六人は多い。だいたいの平均値を考えるに、四.二人くらいだろう。それを二人ですることもあるのに、一人で六人なのだ。しかも一番毛嫌いしている利用者の矢次さんが入っている。体重が僕と同じ六十四キロの彼の入浴介助は一番労力を要する仕事なのだ。
 普段は十五時半から始まる入浴介助も、一時間繰り上げて十四時半から始めた。気合いが入る。絶対に時間内(十七時半)には終わってやるぞと思った。
 浴槽は二つ。北側浴槽と南側浴槽。早くすすめるためには同時に二人を介助することが求められる。しかし、介護度が重い人を二人同時にはできない。事故が起こる可能性もあるからだ。しかし、一人一人していたら時間内に終わらない。そう考えた僕は、最小限の危険ですむように二人を脱衣場に案内する時間をずらした。時間差介助だ。高等テクニック。一方の介助をしているときに、また一方がやんややんやとうるさかったが、ノープロブレム。放置している婆さんにはシャワーを自分でかけてもらっていたのだ。これで体温が必要以上に下がることはないだろう。「おーい、ちょっと!」を繰り返すが、数十秒くらい我慢してくれよ、山木さん(仮名)。
 車椅子の半身不全者の山木さんと、収拾癖が強く、しゃべりだしたら止まらない赤岩さん(仮名)の間を行ったり来たりし、時間差介助はほとんど危険性もなく、完了した。
 あと四人。
 次は二人同時介助で大丈夫。どちらも糖尿病による半身不全があるが、一方はほとんど自立している。僕は主に体重が六十キロもあるのに、LLパンツじゃなくLパンツを履くことに固執している太っちょの森山さん(仮名)の側について、反対の側にいる医者の奥さんである吉岡さん(仮名)を見守っていた。
 二人の介助は割りとラクチンだ。僕は指示をしなくても、これこれをどうこうしてくれと指示してくれるので、それに従い介助をすればいい。でも森山さんがお風呂から出てきて、服を着るときにはちょっと困ってしまう。「着させて」「履かせて」と言わないからだ。森山さんは懸命にアザラシのような身体をいごいごさせながら、きつきつのリハビリパンツを履こうとしている。「LLパンツにした方がいいですよ」なんて絶対に言えない。LLパンツだと、Lの二倍の大きさがあるような印象を受けてしまう。そんなことはないのに。
 あと二人。
 五人目はなかなかのやっかいもんだ。左脚を切断している入浴拒否傾向のある込口さん(仮名)だ。彼女には「お風呂に入りませんか?」と疑問を投げかけたらいけない。すると「入りません! 入りません!」と強い拒否をされる。だから「お風呂に入りましょう」というか、「ちょっと用事があるから、お願いします」と言って、何をするか言わないでおいて浴室まで誘導してしまうのがいい。
 髪を洗うときは「髪を洗いましょう」と肯定文で言っても「洗いません! 頭が痛いです!」と言われるので、何も言わずにシャンプーを髪につけてしまうことにしている。ちょっとしくじった。「あっち(浴槽)に入りましょう」と言ってしまった。「入りません!」と返ってきた。湯につかるのも嫌悪する人なのを忘れていた。あそこは目の前のバーを指し「ちょっとあれを掴んでください」と言うべきだったのに。
 最後。
 大ボスの登場である。矢次さんだ。彼は機嫌を損ねたらずっと損ね通しなので、気を遣わなくてはいけない。体重も重いし、身体的にも疲れるので、三階職員を悩ます一番の存在である。車椅子の矢次さんを脱衣場に案内し、目の前のバーを立った状態でもってもらう。その隙にズボンを下ろし、リハビリパンツを下ろさなくてはいけないのだ。「うあー!」とけたたましい声をあげながら矢次さんは着席する。
 裸のまま車椅子に座っている矢次さんを浴室に連れて行く。ここからが難しい。車椅子からシャワーチェアーに移動させなければならないのだ。いかんせん浴室内はせまく、入り口さえ車椅子がぎりぎり入れる程度なのである。老人施設なのに、老人施設なのに。あきらかな欠陥である。狭い浴室内に車椅子とシャワーチェアが入り込むと、それだけでかなりのスペースをとってしまい、介護士は満足のいく動作ができない。それでも目の前のバーを立った状態で矢次さんにもってもらい、素早く移動介助をした。
 なんとか浴槽に入れた。しかし、ここからが一番困難を極める。六十キロもあるものを一人で起こし上げ、浴槽に接しているシャワーチェアに腰掛けさせないといけないのだ。浮力が働いているとはいえ、腰を酷使する。「せーの」という掛け声とともに矢次さんの腰を持ち上げる。「うわあ!」と怯えとも戸惑いとも怒りともつかない大声をあげ、なんとか移乗させた。
 六人の入浴介助はきっちり十七時半に終わった。腰痛が深刻化している今現在の僕に今日の介助は辛かった……。まだ三日連続入浴介助が待ち受けている。また最終日に矢次さんが待ち受けているが、二人での介助になるので気が楽だ。それだけが救いである。

コール対応回数新記録

2006年03月11日 | 介護
ぶはーっ

夜勤がやっと終わりました。利用者からのコール(ナースコールね、僕はナースじゃないけど)対応回数が新記録をだしました!

えっと、何回だっけ。ええっと……三十回くらいだね。

日中はトイレ介助や体位変換、それに起立介助のコール対応を六、七回くらいして、夜間には、尿器をあてる介助、軟膏をぬったげたり、布団をかけてあげたり、テーブルをもっていったり、ロキソニン(鎮痛解熱剤)をもっていったり、トイレに連れてったり、地べたに座っちゃうばあちゃんを車椅子にのせたり、お茶をいれたげたり……二十回くらいのコール対応をしましたよ。

夜勤、僕だけなんです。一人で十八人をみるのはちょっと辛い~ いつもはいいんだけど、コールを押しまくるじいちゃんが入ってきて、なかなかてんてこまいです。

施設実習 ~デイサービス

2006年01月14日 | 介護
前日実習させていただいた入所棟の担当者いわく、「デイはいかに楽しませて帰らせるか」でした。デイサービスとは通所のことで、利用者は車での送迎で通っているのです。この時点で入所とは区別されていますね。

利用者も自立した方が多く、見守り程度で特に介助を必要としない方が多かったです。今回は四十人ほどでしたが、いつもは六十人程度もこられるみたいで、その多さに驚くばかりでした。

午前中は最初にテーブル拭きをし、車でやってくる利用者をホールへと誘導しました。その中に目の見えない人がいました。彼女と一番よく話をしたと思います。目が見えないので、言葉かけが大事なことは言うまでもありません。誘導する際にも職員が「もうちょっとまっすぐです」「右にまがりますよ」など言っていたと思います。僕は彼女の趣味について聞いてみると、「読書です」だそうで、これはと思い、いろいろ投げかけました。「武者小路が好きですね」。読書がすきな彼女は、中途失明者でした。目が見えなくなっても読書好きは変わらず、点字を習得しては読んでいたようです。

午前中は入浴介助の実習でした。普段から入浴介助はしているので、なんとかなるかなと思っていたのですが、かなりのギャップを感じました。なんといってもスピードが早い。次々に利用者が入ってきて、出て行っていました。めまぐるしく変わる光景に、僕はあたふたするばかりでした。僕のところの利用者は三十分かけて入浴を楽しみますが、もうそんなことはいってられませんね。

はじめに体全体を洗い、次に髪の毛、洗身をしていきました。髪の毛を洗うときのポイントは利用者の頭をぐらつかせないことらしく、そのためには一方の手で頭を持ち、もう一方を使って洗うということでした。僕はすでに職場でも実戦していましたが、「もうちょっと力強く」とか女性職員さんに指導されちゃいました。

洗身ですが、ほぼこれは共通しているようで、一番最初は背中を洗うようです。ごしごし。石鹸はあまりつけない方がいいらしいです。高齢者は油分が少ないということで、あまりこすりすぎると繊維が落ちてしまう、とかそんなことを言われました。前の方は出来る限り利用者に洗ってもらうことにしているようでした。お尻を洗うときは、「穴」目がけて洗いなさいと教えられました。色っぽい女性職員が「アナ」なんていうもんだから、どきどきものでした。

午後からはレクリエーションの実習です。今回の目玉は巨大すごろくゲームでした。縦三メートル、横ニメールはありそうなお~きなすごろくが作られてて、利用者を四つのグループに分けて、はじまりました。利用者がさいころをころころ転がして、職員がコマを進めていきました。僕も「い~ち、に~い」とか大げさなリアクションをしながらコマになりました。いやー すごろく盛り上がりますね。こっちの施設でも取り入れていったらいいと思いました。全員が参加できますし、円を囲めますし、すごろくをしたことがある方ばかりだと思うので、これはいい!

終わった後は時間があったので、利用者とおしゃべりをしました。僕は話すことを大の苦手としていますが(一種の言語障害保持)、でも、だいぶ自分から話しかけれるようになってきました。相手がわ~かい女性になると全然しゃべれないけどね。

おわり。ああ・・・あとはマークシートが残ってる。筆記は苦手だ。