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Dear Happy Days*

何気ない毎日に
しあわせいっぱい探そう♪

天使の梯子

2005-04-18 | 読書ノート
村山由佳

「天使の梯子」というのは、雲間からさす光のこと。
それは、まるで天から地上に天使が降りてくるための
梯子のよう見える・・

この本のテーマは、愛する人の死をどう受け入れるかということだ。
そして残された者は、それを乗り越え、現実をどう生きるかということだ。

愛する人に、不本意ながら傷つける言葉を浴びせ、
それを詫びる間もなく、この世を去ってしまった死者に対して
どう償っていけばよいのか・・
夏姫もこの本の主人公である、「俺」、古幡慎一も同じ経験をしている。
お互いに惹かれ合い、相手を想いながらも、同じテーマで苦しんでいる。
そして、人を愛することによって、相手も自分も癒されていく。
最後にはとても救われた気持ちになる。

この本のストーリー全体を繋げるモチーフとなっているサクラ・・
サクラの舞い散るこの季節、この本に出逢えて良かった。
サクラはそれを眺める人に、いろいろな思いを抱かせる。
それは、喜びであったり、苦い思い出であったり、
二度と会えぬあの人への思いであったり・・
いろいろではあるけれど、このサクラ咲く、瞬く間の季節に
この本の中に自分を置き、夏姫や慎一、そして歩太の思いと共に
ひとときを過ごせたことは、自分にとって大切な時だったと思う。
巡り会えたこの本に感謝!

とても表現が美しく、言葉がはなかく、趣がある。
「天使の卵」の続編らしい。
村山由佳のワールドが繰り広げられているお勧めの作品。

生きながら火に焼かれて

2005-04-17 | 読書ノート

スアド 松本百合子訳

中東シスヨルダンという町でスアド(仮名)という当時19歳の女性が
結婚前に男性と恋に陥り、妊娠をしてしまったという、
ただそれだけの理由で、義理の兄より火あぶりにされた。
これはあまりにもショッキングなノンフィクションの書物だ。

表紙は、真っ白い仮名をかぶった女性が
何かを訴えるような目をこちらにむけている。
その目は、とても悲しみに満ちているが、
しかし、その瞳の奥底には強い意志と決意が感じられる。
とても印象的というか、衝撃的な本の表紙だ。

まだ自分の知らない世界がたくさんあり、その中で
苦しみ死に至らしめられている多くの女性がいることを知る。
私たちの世界では、当然とされている価値観、世界観、権利、教育も
ひとつ世界が違えば、善悪もまったく逆になってしまう。
スアドの生まれ育った世界では、悪が堂々とまかり通り、
殺人すら正当化される。
父親が娘を折檻することは当たり前。
女はただひたすら男に使え、人として生きていくための当然の権利も
与えられない。結婚まで処女を守り、初夜に処女の証の血を流すこと
これが彼らの世界ではまっとうなことだった。
だから、結婚前に男性と話をしたり、ましては関係を持つことは
言語道断なことであるし、妊娠などしようものなら
一族の恥であり汚点となり、その子は肉親によって
殺されることによって浄化されるという・・
なんと、こんなバカなことが世界のどこかで未だに
密かに行われている、その数年間6000人にも及ぶという。

そんな中で奇跡的に生き残ったスアドが、
心を決して世の中に訴えた告発の書が本書である。

スアドが本書で語っている、
「たとえば、鏡のない世界で、きみの目はブルーだと人から言われたら
一生、自分の目はブルーだと信じるだろう。
鏡というのは文化や教育、自己および他者の知識を写し出す。
~知らないというのは、本当におそろしいことだ。」

そしてもっとおそろしいのは、他者や他の世界について
無関心でいることだと深く感じる。


ジェームス・アレンの法則

2005-04-16 | 読書ノート

ジェームス・アレン著 ピーター・セツ訳

原因と結果の法則を説く、ジェームス・アレンの著作、"As a Man Thinketh"を
日本人向けに訳した本。
左側が日本語訳、右が原本の英語の対訳となっているので
英語の勉強にもなりそう。

この本を訳した人は、原文で書かれているものと
またそれを翻訳しているものを読み比べてみると
訳がどうもアレンの本当に伝えたかったことと、食い違っていることに
違和感を覚えたらしい。
そこで心からアレンを尊敬し、傾倒している訳者が
忠実にアレンの表現したかったことを日本語に置き換えて訳しているので
詩的でありながらも、とてもスムースに心に染みいってくる。

「人は、心の中で密かに考えたとおりの人間になる」
というアレンの言葉にあるように、
自分の思い描いたことが原因となり、そしてそれが結果となって
自分に降りかかる。
つまりは、自分の思ったこと、考えたこと、願っていること、
心に抱くすべての事が、自分の生き方を決定するのだ。
人のせいでも、環境のせいでもなく、
すべては自分の責任で人生の善し悪しは決まってくる。


ターシャ・テューダーの世界

2005-04-14 | 読書ノート

~ニューイングランドの四季
ターシャ・テューダー&リチャード・ブラウン

A4サイズ、オールカラーの素敵な本。
絵本作家でもあるターシャの日常の生活が
四季を通じて彩りよく描かれている。
心豊かで、静かに自分に向かい合い、丁寧に
日々の生活の時を刻む彼女の生き方があふれでる。

ただ写真を眺めているだけで、
心が豊かに、静かに浄化されていくのを感じる。
花を愛し、自然をいつくしみ、自分の大好きなことに没頭する時間を
大切にする彼女の生き方に心を奪われる。
このような生き方がしたいものだ。

キッパリ!

2005-04-09 | 読書ノート
上大岡 トメ
~たった5分間で自分を変える方法~

自分を含め、自分を取り囲むすべてのものを、
少しずつ身近な事から変えていくことにより、
確実に小さな変化をもたらしていく。

身近なこと・・すべてすぐにできることだ。

脱いだ靴は、そろえる。
今日出したものは、今日中にしまう。
人と比べない。
「疲れた」と思ったら、とにかく眠る。
花を生ける。
ラッキーなことを数える。
姿勢良くする。
などなど・・60項目にわたっての哲学がある。

とても読みやすく、なるほどね!って思えることばっかりなので
すぐにでも実行できそう。
そう、実行あるのみ。
そこから何かが生まれる。

夜回り先生

2005-04-09 | 読書ノート
水谷 修

昼の世界から排除され、親や先生たちから見放され、
愛されることに飢え、寂しさ、孤独さゆえに
夜の世界に徘徊する若者達。
彼ら一人一人と向き合い、受け入れ、愛情を注ぐ水谷先生の書。

いろいろな所で講演活動もされている著者だが
彼の語り口調には独特のものがあるように思う。
しんみりとした、人間味溢れる、穏やかで落ち着いた声、
心の底から子供を愛し理解しようとする姿勢が感じられる。

著者、水谷先生の深いまなざしを感じられる本。

依存症の女たち

2005-04-03 | 読書ノート
衿野未矢

一言で「依存症」といっても、いろいろなものがある。
買い物依存症、携帯依存症、アルコール依存症・・

それらはさまざまな生活上のトラブルやストレスなどからくる。
それらの問題を、自分自身で処理できず、
押し寄せる不安と恐怖の中でおぼれそうになりながら
何かにすがり、何かを求める。

著者は言う、
弱いから依存症になるのではなく、
真面目に物事を受け止め、生きようとするから
それゆえに「依存症」という、
いわゆる病魔に取り憑かれることとなる。

決して、人ごとではない。
生きること自体が、大変な時代だ。
生きていること、ただそれだけでご苦労さま!
時には自分を優しくいたわることも大切だと感じる。

博士の愛した数式

2005-04-03 | 読書ノート
小川洋子

博士は、80分しか記憶が持たない。
80分の時間が経過してしまうと
すべてを忘れてしまう。
だからすべて最初から記憶を再生しなければならない。

このような博士を家政婦としてお世話をすることとなった「私」
とその子供「ルート」、
(博士があだ名をつけた。頭のてっぺんの形がぺったんこで
ルート記号のようだった。)
そして記憶が80分しか持たない博士とのふれ合いを描いたもの。

数字の中でのみ、生き生きと頭を働かせ
自分らしさを保つことができる博士。
その博士に、数字はある一定の規則性をもっており、
突き詰めて考えていくと
とても美しいものだということを教えられる「私」。
この題名にもあるように「数式」がところどころ
本文中にでてきて、なんだかわからない部分も多々あるが、
そういうところは無視して読み続けると
わからないながらも、数字というものが魅力的に感じられてくるから
不思議だ。数式は、芸術のひとつかもしれない。

それぞれの住んでいる世界を大切にいたわり合い、理解をすすめながら
温かい人間関係を築いていく心あたたまる物語。


生かされている私

2005-04-03 | 読書ノート
高木美保

「木立の中に引っ越しました」に引き続き
高木美保さんの本を連続して読んでみた。

彼女がご両親と共に住む那須高原で
四季を通して繰り広げられる素朴な生活。
自然と共に生きることによって感じる感謝の思い。
そして、どんどん感性が研ぎ澄まされ、心が豊かになっていく彼女。

その情景が目に浮かび、自然の中に身をよせてみたい気がした。

生きることは学ぶこと

2005-04-02 | 読書ノート
福原義春

資生堂の社長、会長をされていた著者のメッセージ。
本文のあらゆるところに、人生のヒントとなる言葉が
たくさんあって、思わず線引きをしながら読んだ本。

特に印象に残ったフレーズをいくつかご紹介!

『「知」は、知識という情報を集め、
そこに体験を加えて練り上げるということです。』

『人間に命があり、心があるように
ものにすべて命があり、心があると、思います。』

『感動しなければ、ほんとうに経験したとはいえないのではなか
~感動できるということは、感受性が豊かであることの証明
~いつも感受性を持ち続けて、いろいろなことに感動詞
いろいろな発想そし、決断することが、人間を成長させてくれる』

『学ぼうという気持ちさえあれば、いつでもどこでもチャンスがある』

『世の中には、無用なものなどないのだとつくづく思います。
誰も関心を示さず、人知れず育ち、花を咲かせているように思える雑草も
かならずいつかどこかで誰かの役に立っているのです。』

『幸福というものは、地位やお金、
ものの豊かさがもたらしてくれるものではなく
その人自身の感じ方、とらえ方による。
~幸福とは、外からもたらされるのではなくて
私たちの心の中にあるようです』

『人生は、仕事以外に別の価値を持つことが大事です』

『遊びと仕事は両方が助け合う人生の両輪。
仕事以外に自分の人生を持っている人は、
会社でも大きな自己実現ができることが多いと思います』