北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

介護対象から生活主体へ

2008-07-02 | 医療
かなりしっかりした論文を、アイルランドに行く前に仕上げなければならず、
四苦八苦しております。

でも、資料を見直していて、
デンマークが1988年に施設建設をストップして、
地域居住(Ageing in place)の方向に向かって大胆な政策
を推し進めていった、もっとも大きな理由は何だったのか?

あらためで、ほっぺたを往復びんた食らうような
気持でした。

日本では、高齢者福祉の話は「介護」「介護」「介護」
「介護」「介護」「介護」なんですよね。
だから、学んでいる学生さんたちも疲れてしまう。
未来に夢がもてなくなる。のではないでしょうか。

こんな日本にいる私(私と書きますね)が、
デンマークに行くと
「介護じゃないよ!よく生きることを支えることだよ!」
「アンタ、何考えてんねん!天然ボケ!」と、往復ビンタくらわされるのです。

1988年の大胆な政策変更の中核理念は、
「高齢者は介護の対象ではなく、生きる主体である」
だから、
「福祉の目的は、できないことを単にしてあげるということではない!
もっとも大事なのは、社会的関係のなかにもう一度連れ戻して、
その交流のなかで、なくした役割をとりもどしたり、
新しい役割を作り出すこと。そして、生きている意味、自分を価値ある
存在だと感じられるような姿を支援しすること、なんだ!」
ということを明記しているのです。

日本も高齢者福祉の現場は、就職を希望する学生も少なくなり、
海外からのリクルートが現実のものになっていたりなど、
難しい局面を迎えています。

日本では、「自立支援」「自助」というような言葉で表現されているものが
何なのか?
一人ひとりが、自分の頭で具体的なイメージで考え、
自分の言葉で話し、議論をしていかないと、
ますます、夢もチボーも失われてします。

「その方の、自分らしさ(自己アイデンティティ)を支えるケア」
デンばあも考え続けたいです。
あと、24時間で日本を発ちます。
かたづけなけらばならない仕事が山積みです。
今回も、前夜徹夜、機内爆睡になりそうです。


最新の画像もっと見る