yasminn

ナビゲーターは魂だ

レイモンド チャンドラー    プレイバックより

2010-07-29 | 
ベティが 浴室から 出てくると、


    化粧に 非のうちどころがなく、

  眼が 輝き、

     髪の手入れも ゆきとどいていて、


   開いたばかりの  薔薇(ばら)の花 のように 見えた。



 「 ホテルに 連れてってくださる?

         クラーク に 話が あるのよ。 」



 「 彼を 愛してるのかい? 」



 「・・・ あなたを 愛してるんだと 思ってたわ。 」



 「 あれは 夜だけのことさ。」  と、 私はいった。

   「 それ以上のことを 考えるのはよそう。 

              台所に まだコーヒーがある。 」



 「 もう いらないわ。  朝の お食事のときまで 飲まないわ。


   ・・あなた、 恋をしたことないの?


  毎日、 毎月、 毎年、 1人の女と 一緒にいたいと 思ったことないの? 」


 「 出かけよう 」


 「 あなたのように しっかりした男が

       どうして そんなに やさしくなれるの? 」



 「 しっかり していなかったら、 生きていられない。


      やさしくなれなかったら、 生きている 資格がない 」



私は 彼女に 外套を着せて、  私たちは 私の車の所へ 歩いて行った。。。。