yasminn

ナビゲーターは魂だ

タデウシ・ルジェヴィッチ    ぼくの詩は

2010-08-31 | 
何も 明かさず


何の 説明も しない



何ごとも 嘆かず  


全体を とらえもせず


希望を 満たしもせぬ



ゲームの 新ルールを 工夫せず


遊びに 加わることもせず


縄ばりをはって


そこに 座を占めている



もし それ 難解な 言葉とならず


もし また 話し方に 独創なく


もし 人を ぎくりとも させぬ とすれば


きっと その 必要の あるせいだ




おのれの 必然に


おのれの 可能性や


制約に それは 従順であり


自分で 自分に 負ける

 
他人の場に 立ち入らず


他人の詩に 代わられもせず


万人に あけっぴろげで


秘密を 持たない


山積する 課題はあるが


しょい切れた ためしはない   





工藤 幸雄 訳


ラビ・M・トケイヤー  ユダヤ5000年の知恵より

2010-08-30 | 思索
       ヒレルは いろいろな 偉大な言葉を 残している。

         噛めば噛むほど 味わいの出るもの ばかりである。




  ◇あなたが 知識を増やさないということは、実は知識を減らしていることになる。



  ◇自分の肩書を人に教えようとする人間は、すでに自分の人格を傷つけている。



  ◇相手の立場に立たないで 人を判断するな。


  
  ◇学ぼうとする生徒は 恥ずかしがってはいけない。


  
  ◇忍耐力のないひとは 教師にはなれない。


  
  ◇もし あなたの周囲に 傑出した人がいないなら、あなたがならなければならない。



  ◇自分で自分のためにやらなければ、 誰があなたのために やってくれるか。



  ◇いまそれをしなかったら いつできる日があるか。



  ◇自分のことばかり考えている人間は、 自分である資格すらない。

三好 達治     Enfance finie

2010-08-24 | 
海の 遠くに 島 が……、  雨 に 椿の 花が 堕ちた。


鳥籠に 春が、  春が 鳥のゐない 鳥籠に。



約束は  みんな 壊れたね。



海には 雲 が、  ね、  雲には 地球 が、映つて ゐるね。


空には 階段があるね。



今日 記憶の 旗が落ちて、 大きな 川のやうに、 私は 人と訣れよう。



床に 私の 足跡が、足跡に 微かな塵が……、ああ 哀れな私よ。



僕は、  さあ 僕よ、  僕は 遠い旅に 出ようね。




ウイリアム ブレイク   虎

2010-08-17 | 
虎(とら)よ、  虎よ、  輝き 燃える、

               夜の 森の なかで、



いかなる 不滅の 手、  あるいは 眼が


 汝(なんじ)の 恐ろしい 均斉(きんせい)を 形作り得たのか。



いかなる 遠い 深海 か   大空で

         汝の 眼の火 は  燃えて いたのか。



いかなる 翼にのって  彼は 高く 上がろうと したのか、

        いかなる 手で その火 を 捉えようと したのか。
  



いかなる 肩、  いかなる 枝が、

      汝の 心臓の 筋を  捩(ね)じり得たのか。



そして 汝の 心臓 が  鼓動を 始めたとき、


   いかなる 恐ろしい 手が、 いかなる 恐ろしい 足が。




いかなる 鉄槌(てっつい)が、  いかなる 鎖が、


       いかなる 溶鉱炉に 汝の 脳が あったのか。




いかなる 鉄床(かなどこ)が、  いかなる 恐ろしい 把握が


                  その致命的な 恐怖を 握り得たのか。




星たちが その 槍(やり)を  投げ下ろし、

            その 涙で 天を ぬらしたとき、



彼は おのれの 作品を 見て 微笑したか。


      子羊を つくった彼が 汝をも つくったのか。




虎よ、  虎よ、   輝き 燃える

            夜の 森の なかで、



いかなる 不滅の 手、   あるいは 眼 が、


  汝の 恐ろしい 均斉を あえて 形作ったのか。