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ナビゲーターは魂だ

Jazz 箏ユニット「Ramses」 ファーストアルバム「夜箏曲」ライナー

2015-05-13 | Ramses
~日本古来の 伝統弦楽器 “箏(琴)こと” が ジャズを身に纏い 飛翔する。
箏が ジャズを惹き寄せ ジャズが箏に魅せられる~



2010年、箏でジャズを演奏すべく堀籠保美(Yasminn)、小野裕子(ベルベット裕子)、宮本政志、

3人でグループ「Ramses/ラムセス」結成。


それぞれが 過去にエジプトを訪れたことがあり、エジプト文明に共感するところから

ファラオの名である ラムセスとする。


箏でジャズを奏でたい。それも骨太のストレートアヘッドなジャズを。


自分達のイメージするジャズが 箏で演奏可能なのか?


様々な試みによる試行錯誤を繰り返し 現在に至ります。


今回のレコーディングにあたり、3人のRamsesに、パーカッションや和太鼓でもなく、

ジャズ・ドラムを加えた構想が浮かび上がる。
スペシャルサポートとしてドラマー千光士実氏が参加。


4人でサウンドを作り上げイメージを膨らませていった。


2013年秋からリハーサルを重ね、2014年、今回のレコーディングを迎える。


箏とドラムの物理的な音量の違いによる難しさに対し、細やかな音量バランスへの配慮、

その中で可能な限り繊細かつアグレッシブなドラミングでラムセスのサウンドをプッシュ、新たな活力が加わった。


ありのまま等身大のストレートなジャズを箏で奏でるこの作品「夜箏曲」が完成しました。


箏とジャズの融合、唯一無二のストレートアヘッド・ジャズ箏、ラムセスの飛翔が始まる。

宮本政志

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【箏がジャズを身に纏うシャシャコロリンからシュビドゥバへ~】


日本の伝統絃楽器 がジャズ箏になっていく馴れ初めを 最後に。


邦楽と同じように五線譜に頼らない口頭伝承のやり方で ジャズを一から学び 箏に置き換えていきました。


例えると 日本の口三味線、唱歌のシャシャコロリン等を ジャズのスキャット、

シュビドゥバ等にイメージを変え、ジャズのリズムやフレーズに含まれる特有の訛りを味わいながら

ジャズへの造詣を深めていったのです。


頭では理解出来ても十三絃、十七絃ともに奏法上の困難の連続でしたが、

有り余るジャズの魅力に導かれたり、後押しされているような感じで進んできました。


ジャズに脈打つ先人達の魅力に毎回驚き、そして感動、一歩前進しては悩みつまずき、試行錯誤の連続・・・


その都度、先人達の励ましやアドバイスが聞こえてくるようでした。


ウィントン・ケリー、バリー・ハリス、バド・パウエル、
コールマン・ホーキンス、レスター・ヤング、
チャーリー・パーカー・・・

Wynton Kelly, BARRY HARRIS, Bud Powell, Coleman Hawkins, Lester Young, Charlie Parker, etc…


まずはスキャットで箏を弾くところから始め、
メロディー、フレーズ、ハーモニー、
ベース・ライン、全て 心から歌えるように意識するようになりました。


箏の代表的な技法、「押し手(おしで)」は、

半音階を活かしたジャズのアドリブに欠かせない重要な奏法となり、

シングル・ノート(単音)にこそジャズ表現の源があるのだとジャズ箏と向き合い分かりました。


上手に弾く事の前に、心を込めて有りのままに奏でるのだと。


弾く音は全て自分自身の声、言葉であり、音の間は息づかい、呼吸、それら全てが一体となって

ジャズの魅力であるリズム、スウィング、グルーヴ、
さらにはブルース的なフィーリングまでも感じさせてくれるのだと。


奥歯を噛みしめたり、目頭が熱くなったり、思わず笑みがこぼれたり、

ジャズの奥深さに惹かれるまま、がむしゃらにジャズ箏と向き合い「夜箏曲」が遂に完成しました。


これがジャズ箏の馴れ初めです。


ジャズを表現する楽器が、たまたま箏であった と 言えるくらい 等身大で自然体の音楽が届けられますように。


レコーディング・エンジニア河田為雄氏の 匠の技により
ラムセスのレコーディングと 理想としていたジャズ箏の音色を録音していただきました。


ジャズ箏カルテットの初めてのレコーディングを無事に終える事が
出来た事、録音現場でも様々に支えていただきました事、
心から感謝しております。


次回は楽曲ごとに色々な楽器をフィーチャーしてジャズ箏をさらに発展させたいと計画中です♪

ジャズへのトキメキはとまらない♪