フェルナンド・ペアソ わたしは羊飼 2014-05-23 | 詩 わたしは羊飼 羊はわたしの想念 それは すべて わたしの知覚したもの わたしは考える 眼と耳で 手と足で そして鼻と口で 花を考えるとは 花を見ること 香りをかぐこと 果物を食べることが その果物の意味を知ることだ だから暑い一日 その一日を 心ゆくまで楽しんだあまり 寂寥におそわれ 草の上に身を横たえて ほてる眼を閉じると 全身が実在のなかに横たわっているのを感じる わたしは真なるものを知り うれしくなる 訳 池上岑夫